201005 ノストラダムスは料理研究家か 2(19年5月20日の記事の再録)
これも何度かこのブログで取り上げた話題だが、ウィキペディア日本語版『ノストラダムス』では未だにノストラダムスの職業の中に『料理研究家』がある。

はっきりいって、ノストラダムスは料理研究家でなかったことだけは確かな事実なので、このウィキペディアの記述は事実に基づいていない、つまりウソである。

ノストラダムスのような中世の知識人の場合、どうしても何でも屋的な、多数の肩書きを持つ人物が多くなる。

しかし、その理由・原因はむしろ我々現代人の価値観の変革、価値観の多様化にある。

それが理解できていないウィキペディアンばかりのようだ。

端的にわかりやすく言うと、生前ノストラダムスは自分の職業について『料理研究家』と名乗ったという事実はない。

もなにもノストラダムスの時代16世紀に『料理研究家』なんて概念はなかったのだ。

ノストラダムスを料理研究家としてしまうのは、我々現代人の職業に対する価値観と概念の多様化のためであって、記述してしまうウィキペディア日本語版の記入者は非常に問題が多いと言わざるを得ない。

まっ、はっきりいうと、ノストラダムスを料理研究家とすてしまうことになんの疑問を持たない『インテリ気取りだが中身はスカスカのただのバカ』の仕業なのだ。

ノストラダムスの業績のひとつとして『化粧品とジャム論(変な日本語訳だけどね)[註]』という本を出したのは事実ではある。

『化粧品とジャム論』( Le Traite des Fardements et des Confitures)

重大な見落としをひとつ指摘しておくが、ジャムは私たち現代人にとっては料理でありお菓子でありパンに塗って食べたりする調味料でもあるが、ノストラダムスの時代、ジャムは非常に高価な薬品であった。

ウィキペディア日本語版の記入者も勘違いしているようだがノストラダムスは医者だからこの本を書いたのではない。

ノストラダムスことミシェル・ド・ノートルダムの最初の、本来の職業は薬剤師(エルボリストリ)であり薬局の経営者である。

だから彼はこの『化粧品とジャム論』が書けたのだ。

しかも、この本の約半分は化粧品についてのものであり、残り半分がジャムについてのものだから、ノストラダムスの肩書きとしては料理研究家よりも『化粧品評論家』がくるべきだし、料理研究家ではなくジャム研究家とすべきなのだ。

なのになぜ『料理研究家』のみを残して『化粧品評論家』であることを落とすのか。

『ジャム研究家』とすべきところを『料理研究家』としてしまうのか。

ウィキペディアの記入者の知識は所詮は素人レベルだし、しかも間違いだらけということになってしまわないか。

わたしはそれを言い続けているのだ。

皆様に改めて問いたい。わたしのいっていること、間違ってますかね。

こういう初歩の見落とし、間違いがそのまま何年経っても直らない『ウィキペディア日本語版』のノストラダムスのページに対してわたしが肯定的になれるはずもないでしょう。

だから、わたしはこの自分のブログのほうが現在ではウィキペディアよりも精確で正しいことを書いているというとキッパリと言い切れるのだ。

https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Nostradamus
(『ノストラダムス』 ウィキペディア フランス語版)

ほりゃこれみてみい、料理研究家だったなんてことは一言も書いてないぞ!

何度も繰り返し書いていることだが、わたしはウィキペディア日本語版の『ノストラダムス』の項に対しては、その信頼性について重きを置いていない。

まっ、はっきりいうと信頼はしていないし、内容全般についてもいくつかは疑問を持っている。

これはノストラダムスだけでなく、ウィキペディア日本語版は、オカルトに関する項目全般が非常に怪しげなものばかりだ。

何故そうなるのかはおぼろげながら見えてはきた。

要するに、オカルトについて全肯定的な人間と、オカルトをただの面白がりのネタとして捉えるような、(名前を出して申し訳ないが)『と学会』を気取るような人間が競い合うようにして書き換えを繰り返し、真面目な本当の意味での学究の方が手を下せなくなってしまったからだろう。

改善すべきなのは、(日本のウィキペディアの場合)記入者の資格なのではないだろうか。



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