発表年:2019年
ez的ジャンル:バルセロナ産ジャマイカン・ビッグ・バンド・ジャズ
気分は... :夏が待てない!
今回は新作アルバムから、バルセロナ産のジャマイカン・ジャズ作品The Gramophone Allstars Big Band『Maraca Soul』です。
The Oldiansと並ぶジャマイカン・ジャズ・バンドThe Gramophone Allstars Big Bandの紹介は、『Jazzmaica』(2014年)に続き2回目となります。
本国スペイン盤『Maraca Soul』は2017年リリースですが、本作はオリジナル『Maraca Soul』の10曲に、2019年リリースのEP「The Reel Influence: 10th Anniversary Celebration」の4曲を加えた、今年リリースの国内盤です。
本作におけるメンバーはGenis Bou(ts、fl)、Lluc Casares(as、cla)、Pau Vidal(ts、fl)、Pere Miro(bs)、Pep Garau(tp)、Andres Tosti(tp)、Pep Tarradas(tp)、Albert Costa(tb)、Sidru Palmada(tb)、Adria Plana(g)、Eloi Escude(p、key)、Vic Moliner(b)、Xoan Sanchez(per)、Aleix Bou(ds)、Judit Neddermann(vo)、Kathy Sey(vo)、Yolanda Sey(vo)です。
前作『Jazzmaica』(2014年)同様、ビッグ・バンドらしいスカ/レゲエを聴かせてくれます。
本編は全10曲中9曲がカヴァー。EP「The Reel Influence: 10th Anniversary Celebration」は全曲カヴァーです。全体的にはスカ/レゲエ、ラテンのカヴァーが多いですね。
スカ/レゲエ、ラテン/カリプソ、ジャズを巧みに融合された開放的なビッグ・バンド・サウンドは、聴いているだけで常夏気分にさせてくれます。ノズタルジックな雰囲気を今日的な感覚で聴かせるセンスが抜群ですね。
これから夏に向けて手放せない1枚になりそうです。
全曲紹介しときやす。
「I Don't Know」
ジャマイカのヴォーカル・デュオThe Blues Bustersのカヴァー(Lloyd Campbell/Phillip James作)。このバンドらしい軽快なビッグ・バンド・スカ。軽快なスカ・リズムに乗った鮮やかなホーン・アンサンブルと艶やかなJudit Neddermannのヴォーカルが常夏へと連れていってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JbFGmwNRhtA
「Don't You Worry 'Bout A Thing」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した名盤『Innervisions』に収録されています。本作の目玉かもしれませんね。オリジナルの雰囲気を受け継ぎ、ラテン・フレイヴァーを効かせたビッグ・バンド・ジャズ/スカに仕上がっています。聴くだけで開放的な気分にさせてくれるサマー・ソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=BT2xezCBKf4
本曲に関して、当ブログではIncognito、Weldon Irvine、Sergio Mendes & Brasil '77、The Main Ingredient、Roy Ayers Ubiquityのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらもチェックを!
「Iko Iko」
Dr. Johnでお馴染みのニューオーリンズ名曲をカヴァー(James "Sugar Boy" Crawford作)。ニューオリンズ・サウンドのエッセンスを取り入れたダイナミックな1曲に仕上がっています。ブレイクを含む中盤のProfessor Longhair「Big Chief」の引用もキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1cOVKMPYjk
「Treat Me Good」
USスカ・バンドThe Slackersのカヴァー(David Hillyard/Victor Ruggiero作)。ラテン×スカを巧みに融合させた演奏を楽しむことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=8FBK4y5GWC4
「Jamaica Farewell」
Harry Belafonteでお馴染みの楽曲をカヴァー(Lord Burgess作)。ノスタルジック・ムードのレゲエ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1cOVKMPYjk
「Hot Cargo」
The Skatalitesの元メンバーLester Sterlingの楽曲をカヴァー。オランダのジャズ・ユニットNew Cool CollectiveのメンバーBenjamin Hermanによるサックス・ソロがフィーチャリングされています。ビッグ・バンド・ジャズらしいスカ・サウンドで楽しませてくれるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=deL9X-P_6C0
「The Soul Drummers」
ラテン・グルーヴの帝王"ハード・ハンズ"Ray Barrettoのカヴァー。リード・ヴォーカルはKathy Sey/Yolanda Sey。パーカッション/ドラム・ブレイクと共い始まる軽快なスカ。格好良さでいえば、コレが一番かも?
https://www.youtube.com/watch?v=qfIMbaZSw4M
「Ah Diggin' Horrors」
"キング・オブ・カリプソ"Mighty Sparrowのカヴァー。カリビアン・テイストの開放感が心地好い1曲に仕上がっています。華のあるJudit Neddermannのヴォーカルがよく似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=Y8xeX-q8oSU
「I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free」
Dick Dallas/Billy Taylor作。Nina Simoneヴァージョン等で知られる楽曲をカヴァー。当ブログではShirley Scott & The Soul Saxesのカヴァーを紹介済みです。ソウルフルなスカ・チューンはかなり僕好み。このバンドの魅力が凝縮された1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ACvte7bPJZg
「Tommy's Spaceship」
メンバーLluc Casaresによるオリジナル。素晴らしいホーン・アンサンブルと共に始まるムーディーなビッグ・バンド・レゲエで本編のラストを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Djsbi8tHJ4I
ここからは「The Reel Influence: 10th Anniversary Celebration」の4曲。
「Dance Crasher」
Alton Ellis & The Flamesのカヴァー。ノスタルジックなビッグ・バンド・ジャズとスカ・サウンドをいい塩梅で融合させた1曲。小悪魔的な魅力を持った1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vrmfNZ7d-CM
「The Harder They Come」
同名映画でもお馴染みのJimmy Cliffの名曲カヴァー。Judit Neddermannのヴォーカルが映える雰囲気のあるビッグ・バンド・レゲエに仕上がっています。完成度の高いカヴァーだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=lgfofds4gQA
「Shame & Scandal」
カリプソのレジェンドSir Lancelotのカヴァー(Lord Melody/Sir Lancelot作)。軽やかなスカ・サウンドに乗ったJudit Neddermannの艶やかなヴォーカルにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=5wDoonKZ0iM
「Rock Sweet Rock」
The Wailers、1966年のシングル曲をカヴァー。ラストはサンセット・モードの素敵なラヴァーズで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1Yxu-22XoQg
The Gramophone Allstars/The Gramophone Allstars Big Bandの他作品もチェックを!
『Just Delightin'』(2008年)
『Simbiosi』(2010年)
『Levitant a La Deriva』(2011年)
『Jazzmaica』(2014年)