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楽になる道が正解だよ。

不動産で働く男性M様から「会いたい」とご連絡をいただき、神奈川県の日吉でお会いした。不動産なんて最悪な仕事じゃないですかと言ったら、笑ってくれたから助かった。仕事が苦しくて朝が苦しくて自分のやりたいこともわからなくなっているとM様は言った。自分の優先順位がわからないのだと。私は「優先順位なんて固くて重い言葉を使わないで、やりたくなったことを自然にやればいいのに」と思った。固くて重い思考は、体も心も重くする。もっと軽やかに生きるために、必要なものは何だろうか。

私は「ギャグ」だと思う。真面目は美徳だ。だが、不真面目も美徳だ。真面目な目標だけではなくて、ふざけた目標も同時進行で進める人生は愉しい。過去に、ビクトリアズ・シークレットが二億円する『フローラル・ファンタジー・ブラ』を販売したことがある。売る方もすごいが、買う方もすごい。常軌を逸した試みは、それだけで人々の心を明るくする。マスを相手にした商売では「市場価格」などと言った味気ない指標を気にする必要があるが、一点ものの商品ならば相場を気にする必要はない。百万円の絵は、百万人から好かれる必要はない。ほとんどの人から「高い」とか「ふざけるな」と言われたとしても、たった一人から「百万円なら安い」と言われたら、それは商売になる。私たちのような一対一の人間関係を大事にしたい人種には、たった一人から「最高だ」と言われる必要がある。全員から好かれる必要はないのだ。

M様は宅建の資格を取ろうとしていた。だが、話を聞くと不動産自体に興味がないことが判明した。人間は面白い生き物で、好きなものだけではなく、嫌いなものにも執着する。嫌いで嫌いでたまらない仕事でも、失うことを恐れて、必死になってしがみつき、嫌いな場所に永住するための努力をする。私は「自分にとって不要なことや、知らなくてもいいことの勉強をするな」と言った。宅建の勉強が好きで好きでたまらないなら、とことんやればいい。だが「生活のため」とか「これくらい知らないと恥ずかしい」みたいな動機の勉強をするな。自分が生きたいと思う世界の勉強だけをしろ、と。これは完全に自戒である。私は、人殺しの小説や映画が好きで、暇さえあれば見たり読んだりする。だが、私がヤクザになりたいと思うのかと言えば決してなりたくはないので、ヤクザな世界を勉強するのではなく、レイチェル・カーソンのセンス・オブ・ワンダーを精読した方がいい。

どうしたら坂爪さんみたいに強くなれますか的なことを聞かれたので「逆だ」と答えた。私は強いのではない。弱いのだ。霊長類最弱の男なのだ。嫌いな仕事をやりながら生きている人を見ると「タフだな」と思う。俺には無理だ。過去も未来も背負えない。家族や恋人や友達を背負うことも、当然、人類の未来も背負えない。私がギリギリ背負えるのは「今」と「自分」だけだ。それ以外の責任は所轄範囲外である。こんな生き方をしたらみんな離れてしまうかもと恐れた時期もあったが、逆に、人が寄って来るようになった。色々な人々に会うと、結構な数の人々が憎しみを抱えながら生きていることがわかる。親を憎み、社会を憎み、自分を憎んでいる。それを見て、私は「タフだな」と思う。私がすぐに人を許したり忘れたりするのは、誰かを憎み続けていられるほどタフではないからである。強いからではなく、弱いからである。

M様は仏教にはまっていると言った。人間は、弱気になると古いものにすがる。今はないけれど昔はあったと言われているものにすがりたくなる気持ちはわかるが、私たち一人一人は「今もなくて昔もなかったもの」である。完全にニューで、完全にオリジナルな存在である私たちは、過去に答えを見出すことはできない。宗教も企業も「開祖は素晴らしいが、取り巻き連中はつまらん」という問題を抱えている。誰かの教えにすがるほど、退屈な存在になる。宗教にはまる暇があったら、自分が宗教を作るくらいの気概を持て。宗教って、案外、ロックだよ。市場価値なんて言葉に惑わされるな。自分の価値は自分が決める。手始めに、豪華な宝石をしつらえた『フローラル・ファンタジー・ふんどし』を作れ。百万人から罵倒されても、たった一人から最高だと言われたら、俺たちは生きていける。変な人と変な人生を生きるな。最高だと言ってくれる人と、最高な人生を送るのだ。

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おおまかな予定

4月25日(木)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)

連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com

SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z

バッチ来い人類!うおおおおお〜!

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