やはり俺の相棒が劣等生なのはまちがっている。   作:読多裏闇

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 最近次の話を書いているはずが遠い未来の部分を執筆してることに気がついて夢遊病を疑い始めました。読多裏闇です。

 気がつくとですね?九校戦とか来訪者編とかのネタが思いついて書き始めちゃうんですよね無意識で。次の話先書けや、等自分に突っ込み入れて書いてる感じですね。

さて、前書き長えよ。等の突っ込みも頂いたので今回は短めです。そして多分気がつくと長くなってます。その辺り無意識でやっちゃう系学ばないタコ作者なのでその度毎に突っ込みお願いいたします。


入学編18

 二つ名と言う物はレッテルだ。

 何故なら得てして自分から語る者はなく、何故なら勝手に周りから語られる物だからだ。それを自ら語る様な奴は15歳になり損ねた奴やどこかで拗らせちゃった奴くらいだろう。よって誰かを何らかの二つ名や通称などで呼ばれるのは相手や周りの環境が勝手にそうしたことであり、自分の意志ではない場合がほとんどなのだ。

 これらは本人の意思を介在しないことから言い意味でも悪い意味でも偏見であり、場合によってはその個人の有り様すら変質させてしまう場合がある。これが良い事になる場合は稀であり、あったとしても相応のリスクを伴う物なのである。

「コカトリス、ですか。幻獣に例えられるなんて流石は八幡さんです!」

 

・・・例えば俺が現在進行形で恥ずか死寸前だったりする。

 

 渡辺先輩の言う"バカ騒ぎの一週間"を明け、次の日週の頭の月曜日。ガチで学校さぼりたかったが深雪に見抜かれ迎えに来られるというアクシデントもあり学校にドナドナされた後、お昼に話したいことが有るとかで生徒会室へ連行。そこにはいつかの昼食会と同じメンバーが揃っていた。

「影でそう呼ばれているらしい。比企谷の重力強化での捕縛が神話の伝承での石化に似てるかららしい。」

 

 渡辺先輩がニヤニヤ顔でこっちを見てくる。だから見ないで下さいって・・・。

 因みにだが、達也も『魔法否定派に送り込まれた刺客』などの不名誉な肩書きを頂いており対応しようがない頭痛に悩まされている。

 

「にしても凄いわね。九校戦ならまだしも新入生歓迎会であだ名が付く程注目されるなんて。働きぶりを考えたら納得だけど。」

 

「途中から明らかに八幡や俺を狙った攻撃も混じってましたからね。正直なところ、あまりあれを活躍とは呼びたくないですね。」

 

 事実、俺と達也は魔法による攻撃を受けておりその度にキャストジャミングもどきや重力強化で取り押さえている為、検挙率や事件遭遇率は風紀委員会内で完全なツートップと化してしまった。中でも達也は魔法の性質上捕縛には向いておらず、肝心の達也への魔法攻撃を行っている人間の捕縛には失敗している。

 

「事件遭遇率と解決率は達也君だが比企谷は遭遇した問題生徒の検挙率100%なのはこの過去に類を見ないぞ。」

 

「ただの相性の問題っすね。重力って基本的に誤差はあれど魔法式の中では概ね定数で処理させますからね。

 気にしてない分隙も多いんですよ。」

 

 すげえ疲れるから乱発したくは無いんだがな。

 

「重力強化で動けなくなるから石化と言うのは分かりますが、何故コカトリスなのでしょうか?石化だけなら他にも有りますよね。コカトリスって私初めて聞きました・・・。」

 

「そうね、あーちゃん。石化と言うとゴルゴーンとかメデューサとかの方が有名な気がしますね・・・。

 何か理由があったりするの?摩利。」

 

「いや、えっとな・・・。」

 

 渡辺先輩が答えにくいように目を反らす。あぁ、やっぱりそうなのな・・・。

 

「コカトリスはヒキガエルに育てられた鶏の怪鳥だったはずだからじゃないすかね?てかなんで俺の昔のあだ名しってんの?」

 

「・・・八幡くん昔そんなあだ名で呼ばれてたのね。」

 

 会長を筆頭に同情の目が飛んでくる。止めて!そんな目で見ないで!!

 ・・・と言うよりなんでこんないらんとこで目立ってんの俺。ぼっちは注目されすぎると死ぬんだからな!?

 

「八幡さん、そんなあだ名で呼ばれてたなんて聞いていませんが・・・?」

 

「い、いや小学生の頃の話だからな?あるだろ、誰かをつるし上げて遊ぶ奴。比企谷菌とか。」

 

「ヒキガエル、比企谷菌・・・。」

 

 あれーなんか寒いなー。あれ、さっきまで飲んでたマッカン凍ってるじゃん。どうりで寒いわけだ。

 ・・・やべえ地雷踏んだか?

 

「落ち着け深雪。八幡が氷像になるぞ!」

 

「は!?申し訳ありません・・・!!」

 

 渡辺先輩、ヤバかったって顔してますが、地雷撒いたのあんたですよ。

 

「・・・八幡くんの過去についてはともかくとして、今後そんな事を言える人は減るでしょう。ある意味これもやっかみの類なのでしょうから、深雪さんもあんまり気にしすぎない方が良いと思いますよ?」

 

「・・・八幡さんの実力が認められたと思っておきます。」

 

 さて、そろそろ本題に入るか。俺は達也に一瞬目配せして話し始めた。

 

「俺の評価はまぁ、この際どうでも良いんですが問題はどっちかって言うと俺や達也を狙い撃ちで狙ってた連中です。達也の方は逃げられてますし全容が掴めてないとか言ってましたよね?」

 

「調査はしているが、比企谷が捕まえた連中から出て来るのはやっかみとか実力試しばかりでな・・・。

 達也君を襲った件については知らぬ存ぜぬと言った具合だ。これと言った共通点も見つからなくてな。これ以上の調査は難しいと言わざる得ない。」

 

 最悪魔法を使うことも考えたが、つつけば勝手にボロを出してくれそうだな?

 

「そうなんですか。俺を直接攻撃してきた奴らは"同じリストバンド"してたからてっきり同じ部活か何かなのかと思ってました。」

 

 先輩達の表情が少し固くなったな。まぁ、中条先輩が分かりやすすぎて一目瞭然なんだが。

 

「・・・同じリストバンドをしてたの?気がつかなかったわ。

 部活自体はバラバラで共通点がなかったものだから見落としてたわね。」

 

「なんだ、八幡も見たのか?なら間違いなさそうですね。

 会長。当校にテロリストの関係者が紛れ込んでいるかもしれません。」

 

 「はわっ!?」と叫んだのは一人だけ。他は驚きを隠せてないという表情で達也に注目が集まっている。

 

「・・・テロリストとは流石に穏やかじゃないな?何か確証があるような口振りだが?」

 

「先程も言ったとおり見たんですよ。赤と青の縁取りをしたリストバンド。

 あれは反魔法国際政治団体『ブランシュ』の構成員が身につけている物だったと思うのですが?」

 

 実名が出て来て会長は話の流れを理解したらしい。

 恨みがましく俺達を見つつ達也の発言修正した。

 

「・・・正確にはブランシュの下部組織である『エガリテ』の構成員のシンボルマークね。

 それより何故この事を知っているの?情報規制されているのに。」

 

「噂の出所を全部塞ぐのは無理ですよ。」

 

 反魔法国際政治団体『ブランシュ』

 魔法を持つものと持たざる物の政治的格差を改善するべく現代の行政システムに反対する政治集団である。魔法その物を否定するのではなく魔法を持つものと持たない物の収入格差の点から優遇されているというと主張の元、差別撤廃を理念として掲げた組織だが、中身はほぼほぼテロリストだ。

 こういった政治団体は概ね他国がその国に対する間接攻撃の手段として使うのが一般的でありブランシュのバックには大亜連合が居ると言う話もある。

 

「こういった事をあまり隠すのは得策じゃないのですが、事実情報規制されている。

 会長を批判するつもりはありませんが、政府のやり方は拙劣としか言えません。」

 

 

 

 

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~真由美side~

 

 

 

 

 正直達也君の意見は正しい。現在進行形で隠す側にいる人間としてはまさしく"痛いところを突かれた"といった印象だった。今回に至っては何故か達也君達を攻撃するような流れを見せている以上彼らは直接的な被害者。正直学園を預かる立場としては良心が痛い。

 

「達也君の言うとおりよ。

 魔法師を目の敵にする集団がいるのは事実なんだから、彼らが如何に理不尽な存在であるのか、そこまで含めて正しい情報を行き渡らせることに努める方が、その存在をまるごと隠してしまうのより効果的な対策がとれるのに……。

 私たちは彼らと正面から対決することを避けてーーいえ、逃げてしまっている。」

 

 そしてその被害を受けているのが目の前の二人なのだ。達也君の強い弁も納得するしかない。本来ならもっと怒っても不思議はないくらいですもの。

 

「それは仕方ないでしょう。」

 

 え・・・?

 

「この学校は国立の施設ですからね。会長の立場ならば国の方針に縛られるのは仕方ない事です。」

 

「・・・慰めてくれるの?」

 

 いきなりだったからびっくりしてしまったけれど、フォローしてくれるのね。本来は怒りを受け止めるべき立場だったのに大人ね・・・。

 

「自分で追い込んで自分でフォローするとは。これはこれはジゴロの手口だね。

 真由美もすっかり籠絡されてしまったようだ。」

 

 へ、は、ろ、籠絡!?

 

「ちょ、ちょっと摩利、変なこと言わないで!」

 

「顔が赤いぞ?真由美」

 

「摩利!」

 

 などと摩利とわたわたしてる間に達也君達は時間を理由に逃げていった。(真由美的にはそう判断した)この件については放課後摩利とじっくり話し合うとして、さっきの会話を思い返して頭にあった既視感の正体に気がつく。

 警戒していたのに気がついたら術中にハマってる感じ。不必要な話までズラされて結果として必要な部分は全部達成される感じ。その狸の手法を私はよく知っている。

 あの狸親父みたいに転がされてる・・・。しかも、これをデザインしたの達也君じゃなくては八幡くんよね・・・。

 後半全くと言っていい程会話に参加していなかったにも関わらず、初手のみで会話全体の流れを作って後処理を全部他人に押し付けている何食わぬ顔で去っていった彼。とんだ狸じゃない。

 

 この後真由美は八幡の策略が何処まで及んでいたのか、そもそも達也も事前に打ち合わせ済みでこの話になったのかも含めて翻弄され授業課題に身が入らず、放課後の生徒会室へ向かうのが遅れたなどの逆恨みで真由美の”絶対に復讐するリスト”に名前が刻まれたりしたが、その反撃に八幡が相対するのは少し先のことである。

 




 さてさて、そろそろ本格的に本編進めるぞーー!(←フラグ)

 ・・・いや、オリジン部分の入るとこ限界があるからきっと前に進むハズなんだ、きっとめいびぃ・・・。

 九校戦とかネタいっぱいだからそこまで行けば加速するんだそう信じてる。(それ、単純に分量増えるだけ?はっはーなんの事やら・・・)

 と言うわけで今後いろいろごちゃごちゃするかもしれませんが不明点などの質問突っ込みお待ちしております。

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