汗臭くなるのは、綿かポリエステルか?その1
汗臭くなりやすい服って何ですか?
たまにこんな質問をネット上で見かけます。
綿100%がいい、という人から、最近の機能性の高いスポーツ用に開発されたポリエステルのほうがいい、いろんな意見があるようです。
本当に汗臭くなる服ってどっちなんでしょうか?
まず、ひとつ覚えておいていただかなければいけないのは、服が臭う、というわけではない、ということ。
服も臭うものがありますが、服ではなく、体からにおいが発生していることもあるんです。
においの原因が、服にあるのか?体からなのか?ここの違いをはっきりさせないといけないようです。
というのも、服と体では、まったく原因が違うんですよ。
おのずと、綿かポリエステルか?という質問の答えも変わってきてしまうんですね。
汗臭くなるのが服の場合。
においの原因は雑菌の繁殖です。
Tシャツに汗がついて臭うようになります。
汗と、水分と、体温、この三つがそろうと急激に雑菌が繁殖してしまい、匂いが出てしまうんですね。
このケースの場合、綿製品が臭うんですよ。
どうしてか?
綿製品は、汗をよく吸収します。
しかし、反面、吸収した水分を発散させるのは苦手なんです。
つまり、いつまでも、濡れていて繁殖しやすい条件を作ってしまうんですよね。
また、いつまでも濡れているということは、実は体への負担が大きいんです。
シャツが重く感じる、濡れたままにしているとあせもが出来る、こういう経験皆さんあると思います。
スポーツ系でポリエステルの製品が多く作られるのは、綿製品の苦手とする、発散生が高いから。
ポリエステルは、そもそも吸湿性が悪いんですね。
反面、よく乾くので、いつまでもさらっと着ていられるとスポーツ用品に使われるんです。
ここまで読んでいると、ポリエステルのほうがいいじゃないか。と思います。
でも、ポリエステルの服でも、臭うことはあるんですよ。
これは綿とはまた違った現象なのですが、ポリエステルに吸湿性を高めた、機能性の高い服が売られています。
あれが、臭うんです。
どうしてか?
原因はその服の構造にあるんですね。
もともと吸湿性のないポリエステルにどうやって吸湿性を高めたか?というと、繊維に鍵穴を作っちゃったんですね。
すると、その鍵穴に、水分が入っていくんです。
昔、科学の教科書で読んだ方もいらっしゃると思います。
毛細管現象、という現象を利用して、汗を吸収させているんですね。
しかし、本当に吸収させているのではなく、鍵穴に入る分だけ吸い上げているだけで、繊維が本当に吸湿しているわけではないんです。
鍵穴以上の汗をかいてしまうと、吸収しきれなくなり、べたべたした肌触りになってしまうデメリットがあります。
やっと、ここでにおいの本題。
鍵穴のあるポリエステル、その鍵穴に、汗の汚れが残ってしまうんですよね。
それが、原因で雑菌が繁殖してしまうんですよ。
ですから、このような服の場合、洗ったばかりの服なのに、着たらすぐ臭いがしてしまうんです。
・・・・・・・・・、思い当たるでしょう?
綿でもポリエステルでも、臭いが出ることがあることは分かりました。
では、何の対策も出来ないのか?というと、対策はあるんですね。
それは、よく洗うこと。
綿にも汚れが残っていると、より繁殖しやすくなるので、綺麗に洗うことが大事になってきます。
漂白剤を入れて殺菌するとかね。
ポリエステルのケースも、よく洗って、鍵穴から汚れをかき出す必要があります。
意外と家庭では難しい作業かもしれませんね。
水ではなくお湯で洗うといいと思います。
服が臭うときはこんなことが考えられます。
かいた汗で臭うケースと、汚れが残っていて、臭うケース。
で、問題は服がにおいの発生源ではないケースですね。
続きは明日に。
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