見出し画像

フリーランス向いてないや、と思って。


会社を辞めた数年前から、わたしはべったり家にいる。仕事の合間に主婦業をしたり、逆にほとんど主婦になってその合間に仕事をしてみたり。人に職業を聞かれればフリーランスと答えてきた。すごいと褒めてくれる人や、いいなあと羨ましがってくれる人や、大変そうと心配してくれる人がいた。

わたしは個人で働くことに、とても向いていると思っていた。自由が好きで、人に余計な気を遣い過ぎて勝手に疲弊する性格だから、ひとりで仕事をすればとてものびのびと働けるような気がしたし、実際それはそうだった。

しかしひとつ、誤算があった…。

それはわたしに、「所属欲求」があったことだ

フリーランスに向いているのはどんな人かともし質問されたら、わたしはひとつに「所属欲求が低い人」を挙げると思う。所属先がない、一緒に働く仲間がいないことが、こんなにもわたしという人間の足元をぐらつかせるとは。フリーランスになる前は思い至らなかったけれど、考えてみれば幼稚園に通っていた頃から何かに所属していない状況は一度もなかったのだ。それが心地よいものだったかどうかはさておき、学校やチームや会社の一員であることによって満たされていた部分が、わたしには少なからずあったのだと思う

おそらくその感じ方は人によって差が大きくて、思い返せば仕事で付き合いのあったフリーの人たちは、「自分は組織なんて無理!ひとりがいい!」と言い切る人が多かった。わたしは、「組織は疲れる、ひとりが楽、でも同僚は好きだったし、組織人に向いてないこともなかった」ぐらいの感じなので、ふとしたときにさみしさがこみ上げてきたりする。そういえばマズローさんの欲求五段階でも、「社会的欲求(所属と愛情の欲求)」は自己実現の欲求よりも下にあったなぁ…なんて思い出す。

ひとり、めっちゃ向いてる!と疑わずにしばらくやってきたけど、向いてない部分もあるなと気づいてしまった、というのが今のわたしである。

そこで今、ちょっと所属を持ちたいと思って動いている。ちょっと、というのが重要で、がっつり社員に戻るようなつもりはない。ちょっと組織のメンバーとして、ちょっと行ける場所があって、ちょっと仕事する。一方で自分ひとりの仕事ものんびり育てていく。そんな風にできたらベストかもしれない。仕事内容は変えないけれど、働き方を見直してみてもいいかなと。とりあえず試しにやってみようかと。

白か黒か、0か100か、向いてるか向いてないかじゃなくて、向いてる部分も向いてない部分も、いい部分もつらい部分もあって、いいとこどりしながらやっていけたらいいなあ。


わたしはさみしがり屋だった、みたいです。


おわり

この記事が参加している募集

仕事について話そう

仕事のコツ

with 日本経済新聞

いただいたサポートは、なにかたのしい経験に変えて、記事を書くことに使います!

ピックアップされています

たくさんスキをいただいた記事

  • 42本

【みんフォト】イラストを使っていただいたnote

  • 3,736本

コメント

望月
あめさん
コメントありがとうございます😊
さみしがりや仲間、みーっけ☺️✨
そうなんですよね、個人の仕事で人と話すことはあってもそれは所属と違ってさみしかったり。わたしは業務委託の仕事だと取引先を仲間だと思えず、お客さんという感じが強くてさみしいです🥺
のんびりいきましょう🌸ありがとうございます😊
溝川みかl食のインタビューライター
望月さん、所属欲求、めちゃくちゃわかります~!!組織苦手だけど同僚的な仲間はほしい、というなんともわがままな気持ちが本音です。。。今はフルリモートでパート+フリーでライターをしているのですが、どこにも所属しないのさみしいかも、と思って完全フリーランスに振り切れずにいます…🥺
望月
溝川さん
コメントありがとうございます〜😊わかっていただけてうれしい&安心しました❣️
そうなんです、仲間は欲しいし好きなんです😂わがままですよね、でもわがままでもいいかななんて思ってます☺️
パート&フリーすてきです🫶完全フリーランスは、本当にひとりが好きな人でないと続かないなと痛感しております🥺
Takayoshi Higuchi
フリー仲間ですね!大変興味深く読ませて頂きました。フォローさせてください!働き方が大きく変わって来たのでフリーの形も変わって来たなと感じます。実際フリーは繋がりの中で動くべきなのに、孤独で辞めるフリーも多いですからね、、、
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。
くだらないことを大げさに、深刻なことを軽やかに書きたい。30代。書いたりする仕事をしてきました。地味で話のスケールが小さく、登場人物はほとんど自分と夫のみです。
フリーランス向いてないや、と思って。|望月