福岡で開幕 秋の高校野球九州大会 佐賀 有田工業 唐津商業
- 2023年10月27日
来年春のセンバツ高校野球につながる、秋の九州大会が、10月28日に福岡県で開幕します。佐賀からは、県大会優勝の有田工業と、準優勝の唐津商業が出場します。
有田工業は、県大会、5試合中3試合が2点差以内の接戦でした。決勝は、投手6人の継投で相手の追い上げを振り切り、62年ぶりの秋の優勝を果たしました。九州大会の初戦の相手は、宮崎の日南学園です。
唐津商業は、5試合中4試合で2ケタ安打を記録。コールド勝ちも2試合あり、集中打で複数得点をあげるなどして勝ち上がりました。九州大会初戦では、沖縄の興南と対戦します。
【“ミスのない戦い”を目指し県大会制覇】
2022年には、春夏連続の甲子園出場を果たした有田工業。ことしのチームには、その甲子園での戦いぶりを見て、進学を決めたという選手も多くいます。
チームを率いる梅崎信司(うめざき・しんじ)監督は、「投手陣で突出した選手はひとりもいないため、コントロール良く投げて守備に任せることが大切」と話します。県大会では、5試合で9失策と、安定した守備で失点を最小限に食い止めました。
攻撃では、チャンスを確実に生み出すために、主軸も含めて全員がバント練習を徹底。5試合で20の送りバントを決め、得点に結び付けました。
【チームの力を引き出す“信頼関係”】
梅崎監督は、チーム力を高めるには、選手と監督との適度な距離感とコミュニケーションが大切だといいます。
選手たちのことを、自分の子どもだったらという感覚で接しています。自分が年をとって子どもが生まれて育つ中で、本当に安心して任せられる指導者にならないといけないと考えるようになりました。日ごろからコミュニケーションをとり、信頼関係を築きながら指導しています。
すべての練習が終わったあとの監督室。帰宅前の選手たちが次々とやってきます。
選手たちが手にしているのは・・・けん玉。技が成功すると、梅崎監督とことばを交わします。
(選手)「お先に失礼します。」
(梅崎監督)「いまからみんなで自転車で帰ると? 気をつけて帰れよ、さよなら。」
けん玉は集中力を養うため。そして、ことばがけは、前向きな気持ちで次の練習に入るためです。
練習中は選手たちに厳しいことも言うし、叱ることもあるんですが、ただ嫌な気持ちのまま家には帰したくない。帰る時にはひとりの子どもとして接して、なるべくすっきりした気持ちで次の練習につなげようと。ちゃんと選手たちを見ているよっていうのを伝えたい。
【センバツに向けて】
センバツ高校野球の重要な選考資料となる、秋の九州大会。2年前の九州大会では、有田工業は準決勝まで勝ち進み、翌春のセンバツ出場を果たしました。ことしは、監督と選手たちが、どんなことばを交わしながらプレーするのか楽しみです。
センバツ出場が決まった場合、有田工業は、2022年以来、唐津商業は、1973年以来となります。ことしも、佐賀県勢の躍進を期待しています。選手の皆さん、頑張ってください!