京田選手について。※鬼長文
若くして目覚ましい活躍を見せ、獲得した新人王。
スピード感が溢れる中でもかゆいところに手が届く守備。
基礎的な身体能力だけでなく、基礎基本の徹底に裏打ちされた技術によってもたらされる スーパープレーの数々。
敵ながら眩しくてたまらなかった。
いつぞやの侍ジャパンの試合だったか源田選手と二遊間を組んでいたのを覚えている。
なんて贅沢なんだろう。
なんて素晴らしい光景なんだろう。
この先が楽しみだと心から思った。
中日ドラゴンズの誇る正遊撃手。
これだけの選手、
ともに戦うことを願ってもそれはなかなか難しい。
指をくわえてよだれを垂らして見ていることしかできない。
せめてベイスターズとの試合以外で活躍してくれたらいい。
そう思っていた。
まさに 青天の霹靂のトレード。
これほどの遊撃手とともに戦えるなんて これほど贅沢なことはないと喜びに震えたのを覚えている。
昨年は移籍1年目。
課題とされていた出塁率に重きをおき、打席の中で自分がヒットを打つことよりもチームのために何ができるかということを一番に考えていたように思う。
引きつけてボールを長く見て逆方向に。
必死にチームのピースとして貢献しようと、自分自身を進化させようという気持ちが伝わってきた。
昨年のスターナイトの大活躍は記憶に新しい。
気持ちが現れたタイムリー内野安打に、
守備でのスーパープレーの数々。
現地観戦した自分にとって最高の思い出になった。
ヒーローインタビューでは独特のコメント。
ブーイングに物怖じせずチームメイトと笑い合う姿。
そういった姿もまた魅力的であり、ベイスターズの中でまた一つ強烈な個性として輝いていた。
2年目の今季は本当に苦しかったと思う。
かつてのような前でさばいて力強く打球を飛ばすスタイルを前面に押し出し、
オープン戦からホームランを放つ など 状態も上向いていた。
今年はよりやってくれる、
そう思っていた。
だが、プロ野球選手の世界は厳しい。
野球人たるもの、
ポジションは自ら掴むもの。
そして一度掴んだら絶対に離してはいけないもの。
ルーキー 石上選手の獅子奮迅の活躍や、
昨年後半に台頭してきた 林選手の出色の働き。
出場機会はどうしても限られてしまった。
首脳陣も難しかったと思う。
京田選手のプレーを見ていれば 使いたいに決まっているが、
使いたい選手が多すぎた。
一塁や三塁に取り組んませていたのは、
守備固めとしての起用という意図以外にも、京田選手を何とかチームで活かしたい、ゲームの中で起用したいという思いがあったからではないだろうか。
オープン戦の中では一塁や三塁の起用が多かった。
遊撃手として長く勝負してきた京田選手にとっては一塁や三塁の経験を積むのが何よりの優先事項だったのだろう。
逆に言えば…
遊撃守備は間違いなくトップクラス。
揺らぐことのない確固たる信頼があるからこそ、他のポジションが優先され起用機会が限られていたんじゃないかなとも 思った。
シーズンは長く、
チームにとっても 個人にとっても必ず 難しい時期がやってくる。
チームが最下位に沈み、苦戦する選手が出てきた中で、
ついに今日…
奇しくも自身30歳の誕生日。
京田選手の出番がやってきた。
嫌なムードとチームの迷いをを断ち切った、右中間一閃のタイムリー 三塁打。
魂でもぎ取ったヘッドスライディングの内野安打。
そして何よりやっぱり守備。
慣れ親しんだ遊撃のポジションで躍動した。
捕球から送球に移るまでに全く無駄がなく、他の選手より半テンポ以上速く見えてしまうほど。
それでいてなんとなく一つ 二つ間がある。
走者の動きを冷静に見て挟んだり、
ベースカバーのタイミングをきちんと見てトスを送り込んだり、
丁寧と言うかひとつ周りを見て余裕を持たせて確実にやっているように見える。
特筆したいのが他のポストで触れた併殺時のトス。
結構な距離がある中でライナー性の速いトスを、ベストのタイミングでベストポジションに配球。
石川選手が 併殺にとった時のトスはグラブで握ってない感じで、当ててポイっとやってる印象。
あのコンマ何秒のロスを取り除いたことによって余裕が生まれいとも簡単に併殺を完成させた。ものすごいプレーだった。
これが本物の併殺網。
吸い込まれたらもう助からない。
京田選手の打球への入り方や捕球、グラブトスは、若い遊撃手にとって本当に勉強になるだろう。自分のような末端の野球人も真似はできないが非常に興奮してしまう。
ベイスターズの重要無形文化財と言いたいぐらいだ。
30歳の誕生日を最高の活躍で自ら盛大に祝った。
今日の活躍で 京田選手もまた、
自分の価値を自分で証明した。
これぞプロであり、これぞ野球人。
彼の今後から目が離せない。
京田選手、
改めてお誕生日おめでとう!
ナイスプレーでした!!
#baystars
#京田陽太
8.6万
件の表示71