
ドナルド・トランプ前米大統領が不倫相手への「口止め料」について業務記録に虚偽記載をしたとされる事件の裁判が行われているニューヨーク市内の裁判所の外で19日、男性が自分の体に火をつけた。
警察によると、男性は自分に液体をかけた後、陰謀論の書かれたパンフレットを空中に投げ捨てたという。
男性の動機は不明で、警察が現場に駆けつけた。
トランプ氏は陪審員の選任に出席するため、警備を付けて建物内にいたが、事件の最中に退席した。
補欠陪審員の選考を終えたばかりのこの裁判は、19日午後に再開された。冒頭陳述は22日に開始される予定。
捜査当局は記者会見で、現地時間午後1時30分に、男性が自らに火をつけたという通報を受けたと述べた。
複数の目撃者によると、何も言わずに自分に火をつけたようだと捜査当局は話している。
警察はこの男性を、先週フロリダ州の自宅からニューヨークに到着したマクスウェル・アザレロ氏(37)と特定。ニューヨーク市警察のジェフリー・マドレー署長によると、アザレロ氏は公園を「せわしなく動き回り」、その後、可燃性の液体とパンフレットをかばんから取り出したという。
パンフレットは「プロパガンダに基づく」もので、「陰謀論」に関するものだったと、マドリー署長は付け加えた。
アザレロ氏は病院に搬送されたが、重体だという。また、ニューヨーク市警の警官3人と裁判所係官1人が消火活動を手伝い、軽傷を負った。
調べによると、同氏はニューヨークでの犯罪歴はなく、フロリダ州の家族は同氏がニューヨークへ向かったことを知らなかったという。
当局は今後、裁判所の外の警備を見直すとしている。
(英語記事 Man sets himself on fire outside Trump's Manhattan hush money trial)