減反とは 廃止後もコメ生産量の減少続く
きょうのことば
▼減反 コメの過剰生産を抑え、米価を維持するために国がコメの生産量を調整する制度。農林水産省によると、食生活の変化で1960年代半ばにコメが余り始めたことを受けて70年に始まり、2018年の廃止まで続いた。国が都道府県ごとの生産量を決めた上で、各地の農業協同組合などが農家ごとに生産量を割り当てていた。田んぼの面積を表す単位である「反」を減らすことから減反と呼ばれた。
政府は02年に消費者、市場重視の需要に即応したコメ作りを推進するとした米政策改革大綱を策定。07年に生産調整の決定主体を国から産地に移し、減反政策を実質的に止めた。しかし、この年の米価が前年から7%下落したことで反発が起きたため、すぐに生産調整の主体を国に戻した経緯がある。
減反政策が廃止され、農家は自主的な経営判断でコメを作れるようになったが、人口減少の影響もあり、飼料用を除くコメの生産量は右肩下がりだ。21年産は756万トンで、00年産の947万トンから20%減少した。農水省は減反政策をやめた後も主食用米の全国の生産量の目安を示している。コメから転作する農家に補助金を継続しており、主食用米の生産量を絞る仕組みを残している。
財政が悪化する中、危機対応や経済成長を名目に膨らむ歳出には無駄が潜んでいます。不透明な国費の使われ方を解剖します。