大学院生のころ、私が日本の古典を読んでいると注意する先生がいました。「そんなものは引退した老人が読むものだ」と言うのです。日本人が日本の古典を読んでいいのは引退後だという、謎の人生設計を主張する先生でした。
この先生は、「ヨーロッパにはラテン語や古代ギリシャ語による重厚な古典があるのに、日本には何もない」と言っていました。それを新聞のインタビューでも堂々と語っていたので、さすがにマズいと思って私は、ラテン語に該当するのは漢文で、古代ギリシャ語に該当するのがサンスクリットじゃないんですかと何度も言いました。でも全然聞き入れてもらえませんでした。それなのにこの先生は思想の大家みたいなポジションでした。
最近は大家のポジションでこういうことを堂々と言う人はさすがにいなくなりましたね。
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