誤解のないように一応コメントしますが、万博のデザインシステムの制作者として説明しますと、万博のロゴやミャクミャクの赤い目玉のような形状は「内蔵」ではなく「細胞」です。万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の「いのち」を細胞(セル)として、いのちの最小単位として表現されています。この「いのち」とは人間、生物、自然、そしてAIやバイオテクノロジーなど新しい技術によって生まれる「新しいいのち」も含めた多様ないのちを表現しています。詳細を知りたい方は万博のデザインシステムのコンセプトをご覧ください。
万博デザインシステムコンセプト
「いのちの循環」
大阪・関西万博のデザインシステムが表現しているのは、「はじまりも終わりもない時と、いのちの流れ」です。私たちの日々を彩る多様な生は、ひとつの中心をつくるのではなく、あるときはつながり、あるときは離ればなれになりながら、決して画一化されることのない「いのちの輝き」を教えてくれます。異なるものが融け合い、響き合うことで生まれる美しさは、私たちを新しい未来へと導いてくれるでしょう。
日本では古来より、あらゆるものに「いのち」が宿ると考えられてきました。人間や動物はもちろん、昆虫や石ころ、米粒、河原に落ちる一枚の葉まで。この世界観を現代に拡張するならば、AIやバイオ技術など、テクノロジーによって生み出される存在もまた、新しい「いのち」としてとらえることができます。私たちはいま、膨大な「いのち」に囲まれた世界の中で、個人としても、社会の一部としても存在しています。ひとつであると同時に、全てでもある。こうした考え方を表現するため、部分としても全体としても成立するようなデザインシステムを採択しました。
高度にネットワーク化した現代において、つながりは日々、強化されていきます。その一方で、過剰なつながりを拒絶するかのように、分断や対立も加速しています。紛争や格差といった人間同士の分断だけではなく、環境破壊や感染症など、人間と自然とが折り合えなくなる側面も増えています。また、肥大化する社会システムと人間との関係性も、危うい状態にあると言えるでしょう。
こうした緊張関係をほどく鍵は、循環にあると考えています。すべてにつながるのでもなく、すべてが隔てられているのでもない。出会ったり別れたりしながら変化し続けるいのち。そして、循環し続けるいのちがやがて融け合い、混沌の中から新たなものが生まれてくる。このデザインシステムが示すのは、自然中心でも、システム中心でも、人間中心でもなく、「いのち」が輝き循環する、生命中心の未来です。
詳しく知りたい方がいらっしゃいましたらこちらをご覧ください。
expo2025.or.jp/overview/desig
20.5万
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