2026年に完成するエンタメの拠点
「もっとも、そうした福田氏の言動こそ、明確な理想やビジョンを打ち出し、そこに向けてかかわる人を牽引する“敏腕経営者らしいスタイル”だと彼を評価する声も少なくありません。ただ、課題は山積みです。光一さんが本気で危惧するのは新体制に移行した後で、後輩たちを誰が指導し、発掘・育成するのかということだといいます」(前出・芸能関係者)
今年で最後の公演となる『SHOCK』シリーズも、光一の本音では後輩に引き継ぎ、自身は演出としてかかわりたいという考えもあるという。
「これからは『自分が第一線でステージに立つことはない』と語る光一さんの発言には一抹の寂しさが漂っているものの、後輩たちの現状や行く末を憂う思いは本物です。光一さんが抱く懸念は、滝沢秀明氏が率いるTOBEに旧ジャニーズ事務所時代の優秀なスタッフが、次々と引き抜かれていることとも決して無縁ではないでしょう」(前出・芸能関係者)
ジュニアを育成する立場の井ノ原快彦(47才)や、コンサートの演出を手掛ける嵐の松本潤(40才)も歯止めのきかない人材の流出に頭を抱えていたそうだ。旧ジャニーズと無縁だった福田氏の社長就任をパフォーマンスとみる向きもあり、短期間で退任するという見方も根強い。もっとも、暗い話ばかりではないという。
「旧ジャニーズ事務所がテレビ朝日と共同で進めてきた『東京ドリームパーク』が2026年にも完成する予定で、スタートエンタがその計画を引き継ぐとみられているのです。東京・有明に設立される複合施設内に建てられる劇場では年間180公演が行われる予定で、年間400万人の来場が見込まれているのだとか。スタートエンタのタレントが活躍する新しい拠点になる可能性もあるといわれています」(前出・芸能関係者)
スタートエンタに尋ねると、福田氏が回答。光一の苦言については「タレントからこうした意見が出るということは自由な雰囲気になった証」とし、スタートエンタに長くとどまるつもりはないのではという指摘には、「社長業を引き受けたからには、中長期視点に立って経営にあたる」と早期退任説を真っ向から否定した。
「そもそも引き受け手がない中、福田さんは火中の栗を拾ったわけです。早期退任は誰にとってもメリットがない。タレントたちとしっかりと向き合い、スタートエンタの経営をできるだけ長く続けたいと考えているはず」(前出・芸能関係者)
6月にリリースされる新曲『WE ARE』は能登半島地震の被災者のために歌うチャリティーソング。
「つらい困難はあるけれど明るい明日や未来に向かって突き進もう」と75人の所属タレントが歌うメッセージには、“再出発”のために数々の困難を乗り越えようとしている彼ら自身への応援歌でもあるようだった。
※女性セブン2024年4月25日号