日本人がゾッとするアメリカ超監視社会の現実 データを集める警察を市民はチェックできるか

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警察の制服に取り付けられた「ボタン型カメラ」。警察に撮影されていることには気がつかない超小型カメラだ。マースさんによるオンライン講演時の動画から(撮影:大矢英代)

データベース「監視の地図」を見ると、ボディーカメラを導入している警察署は全米各地で1348カ所に上る。顔認識機能は368カ所で導入されている。

車のナンバープレート認識カメラを導入している警察署は586カ所だ。信号に取り付けられた固定式のカメラだけでなく、パトカーにもカメラが装着されている。街の安全を守るためにパトロールしているように見えるパトカーが、実は走りながら人々のデータを集めているというわけだ。

そうやって得たデータは巨大なデータバンクに集められ、人々が過去にどこに行ったか、誰を訪ねたかなどの情報が容易に割り出されているという。

マースさんは言う。

「問題は、憲法で保護されている自由と個人のプライバシーが侵害されているということだけではありません。大量に収集、保管された私たちの個人データが盗まれたり、リークされたりしたらどうしますか。もし、政府や警察内部の人間が、この監視システムを悪用したらどうなりますか。自分もその周りの人たちも故意に攻撃される可能性があるのです」

データベース制作者は大学生たち

ハイテク機器で市民を監視する警察を市民の力で監視する。このウェブサイト「監視の地図」を実際に制作したのは、アメリカの大学生たちだった。では、どのような方法で制作が可能になったのだろうか。マースさんは次のように言う。

「警察の監視システムに関する情報は、実はインターネット上にあふれています。この問題を追っているジャーナリストたちが全米各地にいて、すでにたくさんの記事が公開されているし、警察も新しいツールの導入時にプレスリリースを出している。地域の警察署のフェイスブックにも情報が公開されています。それらを集めました」

マースさんらEFFとタッグを組んだのは、ネバダ大学リノ校ジャーナリズムスクールだ。学生200人のほか、教授やジャーナリスト、研究者ら300人がボランティアとしてデータベース制作に参加した。その手段は「目からうろこ」とも言える。

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