人事担当者の発言って、定期的に炎上しますよね。
たしかに全部本音だし、正論なんですよ。採ってはいけない人を見極めることは採用において重要だし、待遇ばかりにこだわる人よりも、仕事のやりがいを重視し、組織のミッション・ビジョンを共通言語として目標を共に追える人のほうが仕事をしやすいことは間違いありません。そして、たしかに労働者の権利は強いですから、採用において慎重になってしまう気持ちもよく分かります。(さすがに家賃からライフスタイルを想像するに至っては共感できませんが…)。
問題なのは、意見や主張の正誤ではなく、「顔出し」「実名出し」「社名出し」でそのような投稿をおこなった場合、どのように受け取られ、どんな反応が返ってくるかを予測できていなかったビジネスセンス、リスクマネジメント力の欠如でしょう。
これらの意見はあくまで個人の価値観として、自分の心のうちで留めておくべきでしたね。また、匿名アカウントの発言であればまったく話題にもならなかったでしょうが、実名と社名を明らかにし、共に働く仲間を採用したいという前提で発信している以上、これらの発言が「所属組織の見解」とみなされ、当該企業のレピュテーション低下に繋がることは避けられません。
・「採ってはいけない人を見極める」人事がいる会社に落ちた人は「人格否定された!」と感じ、会社自体に対してネガティブなイメージを抱いてしまうかもしれないし、
・「待遇にこだわりのある人とは働きたくない」人事の会社は、「ベンチャーの立場を免罪符に、低水準の報酬で高度な仕事ぶりを求める『やりがい搾取』を公然と宣言する会社」のように見えるリスクを負いますし、
・「労働者守られ過ぎていませんか?」「法律がチャレンジしたい人の足引っ張ってません?!」と人事部長が発言するような会社は、求職者に「遵法意識が低いのかな…?」「意に沿わないことがあったらアッサリ切られちゃうのかな…?」と警戒されてしまいますからね。
またスタートアップ企業の場合、同質の価値観を持った人が集まりやすく、多少過激な表現であっても賛同や称賛を得やすい環境にあるため、「それを公式な立場で発言するのはまずいのでは?」などと指摘できる人が周囲にいなかった可能性もあります。
普段いくら崇高な理念を掲げている企業であっても、一担当者のネット上における不用意な発言によって、ポジティブイメージは一瞬で瓦解し、不名誉な評判と記憶を残すことになります。定期的に発生する炎上事案は単なる対岸の火事ではなく、この機に自らの言動を振り返って対策を徹底し、企業価値を向上させるチャンスとして頂きたいですね。
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