魔法科高校の編輯人   作:霖霧露

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※先週更新すべきだったのをド忘れしました。申し訳ありません。筆者の奇病、『月の初日が日曜日だとカウントできない病』が発症しただけなので、リアルで何かあった訳ではないので、ご安心ください。


第九十八話 大捕り物・前編

2097年2月19日

 

 深雪たちが反魔法主義者に囲まれた事件。俺が反魔法主義者たちを伸したために暴行未遂となったが、第一高の女子生徒が狙われた事実は変わらない。その事実を受け止め、第一高の校長はすぐに休校へと舵を切った。既に反魔法主義者による暴行事件が起こった第二高もそれに倣い今日から休校。また、第三から第九までの魔法科高校も、当事者ではないため今日からとは行かないが、足並みは揃えようと明日から休校となる。期間は23日まで。

 それで俺は暇になってしまう、なんて事はなかった。

 

〈十六夜、敵を捉えた〉

 

 朝食後に受けた達也からの一報。それにより、俺は今日が忙しくなる事を予期したのだった。

 

 

 

「全く、驚いたよ。逃げ果せていた敵を捉えたなんて。達也の言葉じゃなければ頭を疑うところだった」

 

「そうだろうな。詳細は今から説明する」

 

 達也からの一報を受け、今日中に片を付けようと関係各所に連絡を入れた後、達也には俺の家で待機する事を命じた。

 現在はその達也とダイニングでティータイムである。ついでに、ジードを捉えた方法について、講釈を願っている。まぁ、原作知識を思い出したのでだいたい分かっているが。

 

 ジードを捉えた方法についての講釈を噛み砕くと、以下のようになる。

 『エレメンタル・サイト』を、深雪に割いていた分のリソースを使ってジードの個人情報体(エイドス)を補足。

 そのジードのエイドスに、目印となるサイオン弾を撃ち込む。

 以後、『エレメンタル・サイト』でそのサイオン弾を感知できるため、サイオン弾が消失するまで、少なくとも48時間は追跡が可能である。

 このサイオン弾を撃ち込んで目印にする発想は、周公瑾に打ち込まれていた名倉三郎の血と、昨日見た精霊魔法の起点とする刻印から。

 さらに、目印となるサイオン弾はパラサイト対策で習得していたのを転用したモノである。

 という事らしい。小難しい理論についての理解は諦めた。俺の頭では無理だ。

 

「ま、なんにせよだ。ジードを追跡できるようになったのは僥倖。だが、四葉だけでさっさと片を付けるって訳には行かない」

 

「ああ。今回の目標は魔法師排斥運動を煽った魔法師の捕縛。そして、その事の公表し、世間から納得を得る事。七草、十文字、一条にはもちろん、警察の方にも証人になってもらうべきだろう」

 

「そういう事だな」

 

 四葉だけでジードを仕留めるのは簡単だが、ジードを魔法師排斥運動の下手人だと、世間に晒さねばならない。だからこそ、他の十師族だけではなく、公的組織にもジードが下手人であると証言してもらわなければならないのだ。

 今こうして達也と暢気にお茶をしているのは、その段取りを整えるまでの余暇。具体的に言うと、呼び寄せた克人と真由美、後一条が俺の家に訪れるまで持っている。

 

「ところで、ここでの待機を命じたのは俺だが。深雪を1人にして大丈夫か?」

 

「大丈夫だ。護衛に文弥と亜夜子が付いた。ついでに、昨日の精霊魔法師に関する調査結果も聞いた」

 

 克人たちはまだだろうと、俺は達也との雑談を続ける。雑談というには、少し物騒な話題になったかもしれないが。

 

「件の魔法師、殺されたんだっけか」

 

「俺がエイドスを追った時に、だな。第三者に殺された。おそらくはその第三者がジードだ。確証はないが、黒羽に死体を確認してもらい、素性も洗った。件の魔法師は150年前に大陸から帰化した一族だったようだ。大陸の古式魔法師だったジードと何かしらの縁があってもおかしくはない」

 

「なるほど。周公瑾に依らない手駒だったって事か」

 

 呪いや遠隔での精霊魔法とやり合っていた古式魔法師、その1人であるジードの事だ。達也の『エレメンタル・サイト』がその手の魔法と勘違いし、魔法の起点にされていると思しき件の魔法師を殺し、そうして敵の遠隔魔法を防ごうとしたのだろう。実際、達也は死の情報を読む事によるダメージを避けるため、『エレメンタル・サイト』を中断せざるを得なかった。

 

「……追加情報っていうか文弥たちとあった時点で聞かされてるだろうが。ジードは魔法師の死体を2つ程確保したらしい」

 

「そうらしいな。その死体の素性は洗えなかったというのも聞き及んでいる」

 

「死体自体が操られて痕跡を消したとするなら、面倒になるよ。四葉お抱えの追跡専門家が痕跡を追えなかった事になるからね」

 

 四葉本家からもたらされた情報を共有ないし再確認し合う。ジードが手に入れてしまった戦力について、達也と共に俺は顔をしかめた。達也も、十中八九手練れが敵に渡ったものと考えたのだろう。その考えは正解で、原作においては千葉寿和の死体がジードの手に渡っている。

 エリカから寿和の行方不明は聞いていないが、ジードの捜索に寿和が動いていた事については聞いている。原作通り、その捜索の最中に寿和は敵の魔の手にかかっているだろう。

 

 そんな敵の戦力補強に難しい顔をしていたところ、緊張感が解れてしまいそうな呼び鈴が響く。

 

〈十六夜くん、来たわよ〉

 

 インターホンのモニターに映ったのは真由美。彼女が達也を除いての一番乗りとなったが、玄関を開ければ彼女の姿だけでなく、遠目に一条のバイクや克人を乗せた車を望む事になった。

 そうして都合良く、俺が呼び寄せた者全員の集合を果たすのである。

 

「学業の最中、お呼びしてしまって申し訳ありません」

 

 ダイニングに皆の腰を落ち着けさせてから、俺はまず謝罪を口にした。

 

「問題ない。学業を疎かにするつもりはないが、今は急を要する案件があるからな」

 

「大学なんて最終的に単位を取れれば大丈夫だから」

 

「三高の校長には許可を一応取った。仕方ないとばかりに肩を竦めてたが、ちゃんと理解はしてくれたよ」

 

 ぶっちゃけ形だけの謝罪に、克人・真由美・一条はそれでも誠心誠意の言葉を返してくる。揃いも揃って大真面目な事だ。

 

「ありがとうございます。それでは、あまり話を伸ばしてもいられないので、さっそく本題の方を。……四葉の隠し玉を使い、ジードの捕捉に成功しました。追跡も可能な状態です」

 

 克人らの厚意に甘えつつ、謝罪もそこそこに本題を切り出した。そうすれば、克人らは分かりやすく瞠目する。

 

「再度念押ししますが、使ったのは隠し玉です。四葉でもおいそれと使える手ではなかったのですが、さすがに業を煮やした、という事でしょう」

 

 念のため、ジードの捕捉が達也の力によるモノではないように言い繕っておく。また、そう何度も使える手ではないようにも語っておく。実際、深雪に回しているリソースも使ってのモノであるから、その部分については間違っていないだろう。

 

「……何にせよ、敵を完全に捉えたんだな。なら、今夜にも仕掛けるのか」

 

「はい、そう考えています。ですが、懸念事項と、それに付随して皆さんにお願いしたい事があります」

 

 一条は他家の秘密を探るような事をせずに、話の先をさっさと促してくれた。俺はその促しに乗って、一条たちが耳を傾けるような話の切り出しをする。

 

「以前お伝えしました、ジードの目撃情報を追って四葉単独で動き、ジードを逃したという件についてなのですが。その時、どうにもUSNA軍からの妨害を受けたようなのです」

 

「USNA軍だって!?」

 

「ど、どうしてアメリカがテロリスト追跡の妨害なんて!」

 

「まさか、テロリストはUSNA政府関係者なのか……?」

 

 以前は伏せていた情報を明かせば、一条・真由美・克人は分かりやすく動揺しだした。傍から聞けば本当に訳が分からない話なのだから仕方がない。

 

「今のところ確証がないのですが、ジードが自爆テロに使った携行ミサイルが、もしかしたらUSNAから卸された物だったのかもしれません」

 

「USNAがテロリストと手を組んでいる、という事になるか……」

 

「協力関係ではなく、あくまで今回だけ利害が一致した、という事も考えられます。USNA側も、単純に日本への敵意でなくて、魔法師排斥運動の目を日本へ逸らす事を目的にしているのかもしれません」

 

 克人が最悪のケースを考えているので、俺はその可能性が低い事を一応仄めかしておく。ここで十文字家とUSNAが完全に敵対するなんて事になったら、今後リーナが味方になる時に面倒を引き起こしかねない。まぁ、リーナが味方になるとは確定していないのだが。

 

「協力にせよ、利害の一致にせよ、捕縛を妨害されるのは確定だよな。どうするんだ、四葉」

 

「もちろん、妨害を前提に全力で取り組みます。ですが、USNA軍が切り札を切ってきたら、ジード捕縛を諦めます」

 

「諦めるって、どういう事!?それじゃあ魔法師排斥運動は活性化するばかりよ!?」

 

 一条は当然、克人も俺のギブアップには顔を険しくしたが、特に大きな反応をしたのは真由美だった。ジード捕縛が昨今の反魔法師世情へ対抗する手段であるのは真由美も察しているようだ。その手段を潔く投げ捨てるという俺の判断に、そんな彼女が頷けるはずもなかった。

 

「十六夜、彼女が出てきても問題ない。対策は練ってある」

 

「達也。前にも言ったと思うが、俺はUSNAを敵に回したくない。それに、その対策はまだ取っておくべきだ」

 

「だが―――」

 

「何か考えがある。そうだろう?」

 

 達也がリーナと敵対してでもジード捕縛を遂行しようと意固地になっているところ、克人が冷静に割って入る。偏に、俺が代替案を事前準備していると信じて。当然、俺はその期待に応える。

 

「ええ、もちろん考えがあります。USNAを味方に仕立て上げる案を」

 

 皆が固唾を飲む。そんな事が可能なのかと、静かにその案の詳細を待った。

 

「まず、一条さん、克人さん、真由美さんには、USNA軍が精鋭の女性兵士を出兵させていると認識してください。俺と達也が組んで手加減ができない程度の強さだという想定で」

 

 強さの想定が桁違いなためか、一条たちは困惑していた。しかし、そう想定しないと話が進まないだろうと、彼らは困惑を滲ませたままで頷く。

 

「その彼女が出てきた時点で、ジード捕縛は十中八九失敗します。何故なら、俺の予想が正しければ、USNA軍はジードの逃走を手助けしたいのではなく、ジードを自分たちの手で処断したいからです」

 

「……は?それなら、俺たちと協力すれば良いだろ」

 

「その場合、日本にジードが持つ情報を抜かれる恐れがある。ジードに携行ミサイルを横流ししたという情報が」

 

 一条が言う通り、ただ自分たちの手で処断したいだけなら、別に日本と協力して、日本に情報を抜かれてからでも良い。しかし、そうできない訳が、携行ミサイルが意図してジードに卸されたかもしれないという事に詰まっている。

 

「携行ミサイルの卸元を有耶無耶にしたいのか」

 

「……もしや、卸元はUSNA政府の高官か?」

 

 克人と達也は、その詰まっているモノを目ざとく見抜いた。

 そう。USNAは魔法師排斥運動の目を日本へ逸らそうと、ジードに携行ミサイルを横流しした高官の存在を隠したいのである。

 

「どうにも、ね。確証を得たいんだけど、さすがに海の向こうとなると、四葉でも手が届きづらい」

 

「じゃあ、どうするんだ?脅すにしろ晒すにしろ、確証は必要だろう」

 

「いいや、その必要はないよ」

 

 達也が随分と物騒な発想をしている事に、他3人は苦い顔をした。だが、俺の発言で安堵したようなそれに変わる。きっと、脅迫はしないものと勘違いしたのかもしれない。

 残念ながら、全くの真逆だ。

 

「確証なんて必要ない。隠し事に当たりは付いていると、さも確証を得ているような顔をすれば良いのさ。『こっちの言う事聞かなかったら、分かってるんだろうな』ってね」

 

 俺が脅迫の路線を提示した。達也以外は俺のまさかの姿勢に息を呑んでいる。その案に前向きな取り組みはできない克人たち。彼らは意見を述べる事もできず、この案に対する議論は俺と達也だけで擦る事となる。

 

「しかし、確証がない事を読まれたらどうする」

 

「それはそれで問題ない。横流しの事を探りつつ、テロリスト逃亡幇助の事実を公表すれば良い。USNAとの関係は悪くなってしまうけど、こっちの味方になる気がないなら、切り捨てるのも止む無しだ」

 

 達也はしっかり問題点を述べ、俺はちゃんと改善案を返す。その改善案について少しばかり思案してから、達也は次の議題を切る。

 

「最初の脅しが通った場合は?どういう条件をUSNAに呑ませる?」

 

「USNAもジードを追っていて、過程で俺たちと協力関係を結んでいた事にしてもらう。ジードの身柄を確保する事はできないだろうが、ジードが今回の黒幕だった事とそのジードが死亡した事の証拠は世間に公表できるはずだ」

 

「……大きな問題はなさそうだな。分かった、それで行こう」

 

 そうして、議論に積極的だった達也の賛同は得られた。後は、克人と真由美の賛同だ。

 

「皆さんは?何か問題点はありますか?」

 

「……いや、問題ない。最善ではないだろうが、最善に執着しては最悪の結果を引き起こしかねん。それに、四葉へ指揮を任せたのは俺だ。乱心でもしてない限り、反発する気はない」

 

「……私の方も。考えれば考える程、その案しかないように思えるわ。USNAと痛み分けになるけど、そこで折れなきゃ泥沼よね」

 

「……仕方ない。もう賛成多数だし、それしかないんだろう?」

 

 克人・真由美・一条は大手を振っての賛同とは行かないようだが、反対はしなかった。これがこの状況での最善手だというのが分かっているのだ。彼らに大局を見る目がある証拠だろう。

 

「捕縛には全力で望み、USNA軍が切り札を切ってきたら諦めて、USNA軍を脅迫する、という事だけど。具体的に、私たちに何をして欲しいの?お願いがあると言ってたけど」

 

「お願いは、ですね。真由美さんはお願いが多くて申し訳ないのですが。1つは、USNA軍が妨害している事を弘一さんにも報告して、弘一さんの方からもUSNA軍が妨害する動機について調査するよう、進言してください」

 

 四葉以外からもUSNA軍へ圧をかける手が欲しいので、俺は弘一にその手になってもらいたい。それが1つ目のお願いだ。

 

「進言しなくても、たぬ……父なら勝手にやりそうだけど……」

 

「それと、USNA軍との交渉が穏便に済んだ後、俺がUSNA軍への調査を止めていただくよう話を付けに行くというのも、事前に伝えておいてください」

 

「……まぁ、四葉が止めに入らなきゃ、そのままUSNAの弱みを掴もうとして調査を続けるでしょうからね。了解したわ、父にはそう伝えておきます」

 

 未だ父への不評が解消されていない面を覗かせる真由美。とりあえず、お願いは聞いてくれたので流す。この期に及んで、弘一を弁護する意味もないだろう。

 

「もう1つは、今夜のジード捕縛に警察も協力してくれるように渡りを付けてほしい、というモノなんですが……」

 

「うーーん……、ちょっと難しいわね。ジードが犯人だって証拠が四葉の証言しかない以上、警察は動かないと思うのだけど……」

 

「正規の手続きに則れないのは百も承知です。ですから、どうにか七草の手で動かしてほしいんです」

 

 関東圏において警察にも太いパイプを持つ七草家。司法機関を動かすに足る物的証拠がないとなると、そのパイプは是非とも活用したい。

 

「頼ってくれるのは嬉しいのだけど……。正直、そういうのは千葉家の方が向いているわ。千葉エリカさんとはお友達でしょう?」

 

「テロリスト捕縛に七草家ではなく千葉家の手を借りた、という事にしてしまって良いなら、俺もエリカさんを頼りますが」

 

「……ごめんなさい、七草家でどうにかします」

 

 別にエリカの手を借りてしまっても四葉としては問題ない。ここで問題になるのは七草家の面子である。千葉家より七草家が劣っているという風聞は、十師族としての面子がある七草家にとって、酷く冷たい風となるかもしれないのだ。

 七草家が十師族間で信頼を失っているという事は真由美にとって与り知らない話だが、それを抜きにしても、真由美はその風聞を看過できなかった。狸親父はともかくとして、我が家は守りたい。そんな長女らしい思いがあるのだろう。

 

「最後に、捕縛作戦の編成について。これは克人さんと一条さんへのお願いにもなりますね。当たり前ですが、この捕縛作戦は七草グループと十文字グループの合同で行いましょう」

 

 2つに分けていた捜索グループを一旦1つにまとめる事。山場であるから、グループ分けを最初に申し出ていた克人も、皆と同じように頷いていた。

 

「追い立てる役は七草家に任せたいと思っています。大人数で連携して囲い込んでいくのは、七草が一番適任でしょう。先回りの役は四葉で請け負います。相手は港から船での脱出を狙ってくるでしょう。どの港を目的地にされても即応できる少数精鋭として、俺と達也が適任です。そして、相手の目的地が確定したところで応援に向かう後詰役は、一条さんと十文字家に任せようと思います。一条家の『爆裂』と十文字家の『ファランクス』を合わせれば、余程のイレギュラーがなければ対応できるでしょう」

 

 俺はそれぞれの適性分析を添えながら、人員の配置場所を提案する。そうすれば、適切な人員配置と認められたようで、各々の肯定する態度を受け取った。

 これで会議は終わり、個々人の準備に取り掛かるべく、皆が席を立とうとする。その時である。

 

「あの、大人(ターレン)……。私めの配置は……?」

 

「……お前は留守番だ」

 

 周妃に自身の配置を聞かれるが、俺は正直、彼女何処に配置しようか悩んでいた。だから、一瞬考え、自身の頭をつつくような、悩んだフリをした。丁度妙案が浮かんだのだが、これはジョーカーとして伏せておきたかった。故に、周妃にテレパシーを使うよう、悩んだフリで合図したのだ。

 

「そんな!大人(ターレン)、絶対にお役に立ちます!」(他に聞かせられないような命令でも喜んで!)

 

 合図はちゃんと伝わったようで、周妃の思念が伝わってきた。

 

「すまないが、俺はお前がジードと繋がっている可能性を捨てきれていない。それに、そうでなかったとしても、お前が姿を晒せばジードが勝手に裏切り者扱いして狙ってくる事も考えられる。だから、お前は俺の家で大人しくしていろ」(安心しろ、汚れ仕事じゃない。おまけに、この仕事を達成できたら、以前の約束はちゃんと守る。だからこの仕事に集中しろよ?)

 

「……分かりました。……この周妃、大人(ターレン)の杞憂を晴らしましょう」

 

 周妃は俺の表の指示に悔やむようにして俯きながら、小さく右手でガッツポーズして、裏の指示を聞き届けたのだった。




ジードが確保した2体の死体:寿和と、警察だった彼の部下である稲垣という人物のそれである。原作と変わりはない。

 閲覧、感謝します。

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