(犯人が遺留したヒップバッグからは、約1億4000万年前のものとみられるモナザイトが発見された。バッグの中から突如白亜紀が飛び出してきたかのような展開に、熟練の捜査員たちも狼狽の色を隠せなかったという。)
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■ 犯人の遺留品を見てみる
1. 服装(全体像)
(向かって左、ラグランの裾出し。現場に遺留されたラグランシャツには、裾部分まで返り血がついていたらしく、裾出しで着ていたことが推測されるという。こういう着方だから、「若いのでは?」とも見方もあると。向かって右は、同じく遺留されていたユニクロの黒ジャンパー<エアテック>を着たもの。これを羽織ると、年齢的には一気に上のほうまで幅が出る感じがするが・・・)
(祖師谷公園スケボー広場での集合写真---画像はイメージ。ラグラン裾出しで、若い印象、「スケートボーダー系?」と言われたりするのは、こういう系統をイメージしてのことかと。下は、ヒップバッグを着用して祖師谷の住宅地を歩くイメージ。こうなると、スケートボーダーというよりは空き巣という感じで、警察がいれば即職質だろうか。ズボンが不明というのが痛いところ)
(ラグラン裾出しで若そうだ、ともいわれたりする犯人だが・・・向かって左は、警視庁が公開している黒マネキンの首から上の部分を、事件前日の昼頃に吉祥寺の西友で凶器の柳刃包丁と同型のもの---関孫六・銀寿---を買っていた、身長170センチ前後、年齢30代とみられる黒ジャンパーの男の似顔絵とすげかえたもの。白黒の似顔絵部分が、その吉祥寺西友男。似顔絵は防犯カメラの映像をもとに描かれたとのこと。カメラの映像が公開されないのは、今のところ、「包丁を買っただけの人」ということで、公開は難しいということなのだろうか?
向かって右は、無精ひげの生えた吉祥寺西友男。特に違和感があるでもなく、見ようによってはどこかの監督さんという感じで、センスの良しあしは別として50代くらいまでなら普通にある格好に思える。やはり、ズボンが不明というのが痛いところ)
2. クラッシャーハットとラグランシャツ
遺留品のクラッシャーハットについては、
平成11年9月~平成12年11月の間、日本全国で3465個販売された。
販売価格1900円前後。
(シールタグから、平成11年9月21日以降に販売されたもの)
関東圏内の主な販売先は、
株式会社マルフル(M/X)、株式会社ユニーク、株式会社大三ブラック。
同クラッシャーハットについては、多くのサイトに「韓国製」とありますが、
警視庁の資料には「韓国製」の文字がないです。
韓国製であるのかどうか、
そして仮に韓国製だった場合、韓国でも購入可能だったものか、
それとも、製造国が韓国というだけで、販売は日本国内のみだったのか、
日本国内のみだったとして、関東圏以外ではどこで売られていたのか、
そのあたりの情報は、警視庁公開の資料の中には掲載されていないと。
ところで「クラッシャーハット」とは、
「自由に折りたためる柔らかい帽子の総称」とのことで、
「80~90年代の渋カジブームと共に 、カジュアルを好む若者を中心に、一大ブームを起こしたアイテム」(ネット談)
自由に折りたためる、という感じではないものの、
「わりと似た形の帽子」という意味では、1980年代にスケボーの世界でカリスマ的人気を誇り、ドラッカーノワールの愛用者でもあったというクリスチャン・ホソイ(日系)が、この種の帽子が好きらしく、現在のホソイさんのトレードマークになっている様子。
若いときはこんな感じだったらしいですが・・・
その当時の帽子被ってる写真も、少ないながら出てきました。
野球帽系ではなく、この系統の帽子が好みだったんでしょうか?
80~90年代のスケボーマガジンでも見れば、
当時のホソイさんの帽子の嗜好=スケーター達に与えたであろう影響が、見えるかもしれません。
ただ、スケボーとかドラッカーノワールとかから、ついホソイさんに目を向けがちになるのですが、
ホソイさんの帽子は、いわゆる柔らかい素材で折りたたみ自由の「クラッシャーハット」というわけでもなさそうなので、ここから直ちに、世田谷事件の犯人への影響に結び付けるのは無理があると思われ、ホソイさんの帽子の嗜好については、あくまで、頭の片隅に留め置く程度にするのがいいのかな、という気もします。
一方、遺留品のラグランシャツについて、
販売期間は、平成12年8月~12月までの間。
事件発生が平成12年12月30日だから、このラグランは、事件当時まだ新しかったといえるかと。
ただし、洗濯を繰り返されたような色落ちは見られたとのこと。
北は北海道、西は兵庫まで売られていた。
同じ店舗で遺留品と同型のクラッシャーハットも買えたとのこと。
ラグランについての詳細は以下の図で。
3. マフラー、ドラッカーノワール、2枚の黒ハンカチ
マフラーについて、
アクリル100%、緑色ベースで、
赤・オレンジ・濃い緑のチェック模様が入っている。
小さいタイプのマフラーで、長さ約130cm、縦30センチ。
機械編みの低価格の商品とみられており、100円ショップでも売られている可能性のあるもの。
このマフラーについては、昨年(2016年)末に発表があり、
それによると、いまだにその製造元がわかっていない、とのこと。
(2016年の夏以降、マフラーについて改めて調べているという)
インターネットがこれほど発達しているのだから、
もっと、各国のユーザーに向けて、
「同じのを持ってませんか?」
「これを作った工場を知りませんか?」
ということを、SNSでマフラーの詳細を添えて発信し続けてみれば、とも思うが、
現状では、情報募集は日本国内におけるビラまきや、
警視庁のサイト内(PDF)だけにとどまっている(ように見える)。
率直に言って、あれでは、事件に関心のある人しか見ないだろうとは思います。
マフラーのセンスについて、
ファッションに疎い私には、ダサいとかイケてるとかはよくわからず、
「普通に見える」としか言えませんが、
安っぽいと言われれば、確かにそうかなと。
また、若い感じと言われればそんな気もしてくるし、
年配の方でも普通に身に着けている柄とも思えると。
ドラッカーノワールについて、
1982年に、フランスの「ギ・ラロッシュ」から発売された香水。
価格は、30ml入りボトルで約3000円。
警視庁の資料によると、「昭和57年頃から日本国内で販売」とあるが、
おそらく、1982年(昭和57年)、ギ・ラロッシュからの発売と時を同じくして、日本でも販売が開始された、ということかなと。
(2013年からは、ネイマールがイメージキャラクターに)
商品説明によると、
「ドラッカーノアールとは、黒い海賊船という意味。都会の夜を縦横無尽に航海し、貴方の為に危険な魅力を演出します。この香りを自然に身に着けられる貴方こそ、真の魅力を湛えた男と言えるでしょう。スパイシーで危なげな香りは男性だけでなく、女性にもファンが多いフレグランスです。」
話が脱線してしまうのですが、
クチコミに興味深いものが多かったので引用してみると、
http://www.cosme.net/product/product_id/271443/reviews
「むか~し、華原朋美がお気に入りだって言ってたのを思い出して購入してみました。おウチでつけてみてビックリ(笑)!! なんかおじさんっぽいぞ・・・ス、スパイシー系なのかな? ちょっと私にはお外につけて出かける勇気はないかも・・・ただでさえショックだったのに、さっき帰ってきただんな様にさえ『校長先生のにおい』って笑われた(泣)。たぶんもう使うことはないかも。」
「イギリスにいた頃、イギリス人のボーイフレンドが愛用していた、思い出の香りです。ドラッカーは当時日本でつけている人が少なくて、日本のボーイフレンドにお土産としてプレゼントするととても喜んでくれました。」
「痛い。そして、薄い。安い。この香り好きと言う女性は一言、落としやすい。そして私自身、好きです!イェイ!! (中略)おやじ臭いと囁かれておりますが、やはりおやじにしか無理なのです。この清潔さは! 個人的にR55指定にして頂きたい。(中略) 下品な印象があるのは、やはり流行して
・過去の香り
・ヤンキー、水商売、ギャル男といった社会マイノリティが愛した品
・上が集まる場所で香った場所の香り(夜遊び場)
・好きだからという理由で纏う女性がいた(どう考えても女性には不向き。萎えます。)
・スパイシーセクシー肉食男子≠男らしいが時代錯誤。
が原因でしょう。」
「華原朋美さん愛用とのことで昔嗅いでみましたが・・・よく朋ちゃんがつけていたな、と(苦笑) レザーの洋服とか葉巻とかが似合いそうな、似てる香りが思いつかないような渋くて苦い香りです。似合いそうなタレントさんは中尾彬さんとか津川雅彦さんとかでしょうか。EXILEのHIROさんでもちょっと背伸びしてるくらいのイメージです。」
「16歳、初めて主人と出会った時に主人がドラッカーをつけてました。もう、めちゃカッコイイし、この匂いにも更に惹かれ、こちらから猛アタック(笑) 当時、スケーターだった主人にはとても似合ってたし、男らしい匂いでたくましい体にはコレだ!!って感じだったかなぁ~ 朝つけて夜まで香る優れものだから、学校帰りに会ってもまだ香り男子校だったカレを更に引き立てるというか・・・とにかく大好きな匂いで私たちには思い出の香りですね。」(1996年に16歳だった女性によるクチコミ)
「アジアで、この香りの男性をあまりみませんが、もし香ってきたら、気付かれないようにそっと顔を確かめたくなります。男性用フレグランスできっとこれからも一番好きな香り。リネン類もきっと良い香りがしそうな、清潔感ある男性の香りです。その人の持つフェロモンと混ざって、香りにあたたかみが出るからよいのか・・・体臭の少ない日本の人には不向きなのかな・・本当に、まとっている方を見ません。香ってくるとついついどんな方かと気になるのです。」
「10代の頃に流行ったみたいです。(中略)水商売の先輩が纏ってた香水です。香りも夜を思わせます。カッコイイ香りです。甘みがなく、スパイシー。女性には好き嫌い分かれますね。(中略)外人顔で生活臭ゼロの男性に似合いますかね。」(1996年に19歳だった女性によるクチコミ)
(アマゾンレビューから抜粋)
とにかくクチコミでは、男っぽい、男くさい、ともすればはおっさんくさい、
外国人の匂い、校長先生の匂い、昔流行った、遊びなれた大人の男系・・・などといった評価が目につくものの、海外ではいくつかの賞も受賞し、香水の殿堂入りも果たしているロングセラー商品。
その名については、
「黒い(スカンジナビアの)海賊船という意味」
ということがよく言われるが、
ウィキペディアなどによると、「ドラッカー(Drakkar)」とは細長く喫水(きっすい)が浅いタイプの---ロングシップとかドラゴンシップとか呼ばれる---バイキングの船を指し、
これは、戦闘以外にも、交易の足として用いられたとのことで、その意味では必ずしも「海賊船」というわけでもないのでは、と・・・。
「バイキング = 海賊」というイメージから、「ドラッカー = 海賊船」ということになったのだろうか。
(ドラッカーの一例)
主に80年代~90年代前半に活躍していたカリスマスケートボーダー、クリスチャン・ホソイ(現50)も、この香水を愛用していたとのことで、
スケーターの間で人気があった、との話もよく聞かれると。
ちなみに、ホソイの父親はハワイ出身の日系(アジア人)で、母親は白人。
(上ホソイ母、下ホソイ父)
(ホソイ父 = アイヴァン・ホソイは、音楽や絵の才能があったという。息子クリスチャンのスケボーデッキのデザインは、父アイヴァンの手による)
一方、そのDNA型から、
「父親がアジア人、母の系統に白人がいる、おそらくはハーフ(かクォーター)ではないか?」
との噂もささやかれる、世田谷事件の犯人。
もし犯人が、父アジア×母白人のハーフであり、なおかつ、スケートボーダーでもあった場合、
自分と同じ人種的配合を持ち、カリスマスケートボーダーでもあるクリスチャン・ホソイに憧れ、
香水はドラッカーノワールを愛用していた・・・というのは、ありうる気がすると。
しかしその一方で、4人を殺害し、しかもどうやら家中をひっくり返して、
糞尿も流さず逃げたらしい、この事件の荒っぽさから、
「犯人は本当に、普段から香水を身にまとうような人間だったのだろうか?」
という疑いが抜けない自分としては、別の可能性も・・・、
つまり事件当日、ハンカチにこの香水をプッシュしたのは、家に押し入った犯人ではなく、別人だったとか、
あるいは事件の何ヶ月か前に、犯人が祖師谷公園スケボー広場で置き引きしたバッグに、たまたまドラッカーノワールが入っており、それを、犯人が捨てずに使用していたとか、
そういった変則的な経緯で香水が使用された(または犯人の手元に渡った)・・・という可能性も、頭の隅に置いてはおきたいと。
(祖師谷公園スケボー広場における、荷物の管理状況。ストリートビューで確認できるが、奥に見える3人のスケーターは、みな自分のボードを手元・足元に持っており、赤枠内の二つのボードの主はどこかへ行っているのか、ストリートビューではその姿が確認できない。それとも、赤枠内のボードも奥の3人の誰かのものなのだろうか。いずれにしても、置き引きがあっても不思議ではない状況かと)
映画の一分野に「フィルムノワール」というのがあるらしく、
これは、「虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画を指した総称」とのこと。
フィルムノワールも、制作される国ごとに、「香港ノワール」「韓国ノワール」とかの分野があるらしいと。
(それぞれの「ノワール」の歴史がどれくらい古いかはよくわかりません。)
「そういうフィルムノワール好きの犯人だから、香水はドラッカーノワールを選んだのだろう」
と言いたいわけではないのですが、
何気に「ノワール」からこんな話に。
黒ハンカチについては、
株式会社良品計画の「無印良品」で、1995年(平成7)~2000年(平成12)の間に販売されていたもの。
綿製、黒色無地、縦横45cmの正方形(対角線の長さが約63.6cm)、
価格は1枚300円。
やはり、皆が皆、持っているような感じのハンカチではなく、
特別捜査本部の野間警部@ポリスチャンネル世田谷事件動画によると、
「いままで何人もの対象者に当たっているのですが、このような黒色無地のハンカチを持っているという方は非常に少ない状況です」
とすると、犯人としては何らかのこだわりを持って黒ハンカチを持っていたのか。
特に、黒といえばノワールだから、ドラッカーノワールの件も含めて、黒へのこだわりがあったのかと思えなくもないですが、
しかしその一方で、帽子(灰色)や、ラグラン(薄灰+薄紫)、マフラー(緑)、スニーカー(白)、ヒップバッグ(深緑)の色などから、特に黒へのこだわりがあった感じでもないのかなと。
やはり犯罪時に黒覆面として使用するためだったとか、
刃物の滑り止め(+覆面)として、血を浴びることを想定して黒をチョイスしていたとか、
いろいろと想像してはみますが、よくわかりません。
そもそも、この黒ハンカチが犯人所有(こだわりの品)だったかも定かではなく、例えば、
「犯人の親が、葬式用かなにかで夫婦2人分を購入して、タンスにしまっていたものを、犯人が犯行のために無断借用したものだった」
という可能性もあるのかなと。
遺留されていた現物には、洗濯されたりアイロンをかけられた形跡があったらしく、
ここから、「犯人は、親など、身の回りの世話をしてくれる人と同居している人物か?(生活感あり)」という見方も。
ただこれについても、その黒ハンカチを洗濯したり、アイロンをかけたりしたのが犯人やその身内だったとは限らず、
例えば、「犯人がどこかで盗んだバッグに、たまたま2枚の黒ハンカチが入っており、それを捨てずに使っていた」とか(洗濯やアイロンは前オーナーの可能性)、
あるいは、「共犯など別人が、犯行のために2人分(2枚)を用意したものだった」とか(洗濯やアイロンは共犯かその身内の可能性)、
そのあたりについても、考える余地はあるのかなと。
(黒ハンカチについて、警視庁資料より)