これから来る「若者の街」
では、渋谷が「若者の街」でなくなった今、これから若者が集まる街はあるのだろうか。
データ的な裏付けはないが、最近の調査を通して「若者の街」の空気感を感じられるのが、「下北沢」だ。渋谷・新宿からのアクセスもよい下北沢に、若者が流れているのかもしれない。
先の10代女性は、「座れる場所」が多いことから、「下北沢なら何もしなくても楽しめる」と語っていた。下北沢も大規模な再開発が行われたが、確かに街を歩いてみると、座れるスペースが多いことに気が付く。
また、路地裏の雑多な魅力が残っていることもあって、「若者の街」に必要なのは、こうした「混沌」なのかもしれないとも思わされる。
ただ、下北沢の魅力の本質や、本当の意味で「若者の街」になっていくのか/いるのかは、まだ見えてこない。そもそも、コロナ禍とオンライン社会の進展で、「街に出ない」選択肢も広がりつつある。YouTubeやSNSで、家にいても十分楽しめる、という人も増えている。
そんな中で、若者が集う街はどこになるのか。はたまた、「若者の街」という概念自体が成り立たなくなるのか。今後も筆者は、インタビューやフィールドワークを続けた調査を続けていきたい。
筆者は、東京の都市に関するインタビューを続けている。もし、調査にご協力いただける方がいれば、ぜひimprotanigashira@gmail.comまでご一報いただきたい。