韓国総選挙、野党が過半数確保の見通し 現地報道
【ソウル=甲原潤之介】韓国総選挙(一院制の国会議員選)は10日午後6時、投票を締め切った。即日開票が始まる見通しだ。公共放送KBSなど報道各社の出口調査では最大野党「共に民主党」が過半数を上回る勢いで、与党「国民の力」は苦戦している。
韓国の総選挙は4年に1回で、5年に1回の大統領選と別に実施される。今回の総選挙は3年の任期を残す尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「中間評価」との位置づけが強い。...
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)- 木村幹神戸大学大学院国際協力研究科 教授ひとこと解説
出口調査の結果通りなら、「国民の力」は二大政党の一角を占める保守政党としては、1990年の民主自由党結党以来、最低の議席数。「歴史的惨敗」と言ってよい数字です。とはいえ、これにより大統領が政権を失う訳ではありません。次の焦点は敗れた与党が、果たして尹錫悦政権を支え続けるべく団結し続ける事ができるか。仮に、与党もまた大統領と距離を置く事になれば、政権は国会での足掛かりを完全に失い「レイムダック化」する事になります。逆に、敗北にも拘わらず、与党が大統領支持で再度まとまり、大統領に近い現党首の韓東勲等が主導権を維持するなら、尹錫悦政権はある程度指導力を維持できる。与党内部での主導権争いに注目です。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新) - 峯岸博日本経済新聞社 上級論説委員・編集委員ひとこと解説
まだ出口調査の数字ですが、足元では与党の失速が際だっていました。日本ではあまり話題になっていないものの大きな転換点となったのが、昨年7月の豪雨による行方不明者の捜索中に若い海兵隊が死亡した事件で、疑惑の被疑者である軍人出身の前国防相を豪州大使に任命しひそかに出国させた尹錫悦大統領の人事でした。世論の猛反発を招いたのです。徴兵制があり誰もが平等であるはずの軍隊をめぐる「特別扱い」は韓国で教育の不正と並んで国民感情を刺激するからです。尹氏を目の敵にする曺国(チョグク)元法相の大人気とも相まって、総選挙の対決構図が「尹政権の審判」に再び戻ってしまったのは、人気の高い党首を担いだ与党には誤算でした。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)
Think! の投稿を読む
有料登録すると続きをお読みいただけます。無料登録でも記事消費(一定数限定)をすることで閲覧できます。