新人職員訓示における職業差別を批判され、当然の辞職表明に追いこまれた川勝平太氏について、平田氏と同等視する「bella GERBERA@umenohanakirei」氏のツイートが注目をあつめていた。
ほんと何度も何度も言うように、皆んなが苦しいコロナ禍で、平田オリザの「製造業はまた再開すればいい。我々の演劇は絶えたら終わる。我々のほうが貴重なんだから支援したまえ」が大炎上した理由と一緒なんよな、川勝知事の舌禍。たぶん身内の飲み会とかで優越感たっぷりに
沢山読んでいただきありがとうございます。うちは家計が製造業で成り立ってるので特に個人的に恨みが深いwゆえの発言だったのですが、思ったより皆さんの恨みも買っていたようで…やはり普段の意識や言い方は大事だなあと痛感しています。通知は切りますが、どうぞ恨みつらみを吐いてって下さい
しかし当時に批判の根拠とされた記事で平田氏の実際の発言を確認したところ、製造業に支援が不要という内容ではないことは明らかだった。
演劇への支援を求める平田オリザ氏のインタビューについて、いくつかの代表的な批判を見ると、むしろ多くの反発は不当なものという印象を受けた - 法華狼の日記
私たちはそうはいかない。製造業の支援とは違うスタイルの支援が必要になってきている。
上記の文章から、製造業に支援が不要という主張を読みとるのは、いくらなんでも読解力に欠けていると思わざるをえない。
製造業が支援されることを前提として、それとは異なる支援を求めていると一意に解釈するべきだろう。
「スタイル」と表現していることから、求めている違いが多寡ではないことも読みとれる。
平田氏は観光業なども演劇界と同じ再開への支援だけでは回復できない問題があることを指摘していた。あくまで国民みんなたが大変な状況をしのいだ「次の段階」として演劇界の支援をもとめていた。
そもそも平田氏が語った「製造業はまた再開すればいい」という製造業の支援スタイルは、あくまで当時の安倍政権がうちだしたものだった。その支援スタイルに問題があるなら、信じた平田氏よりも政府を先に批判するべきだろう。
たとえば「下々の皆さん」*1のように実際に庶民をみくだすような発言をした同じ政治家でもある麻生氏は連想しないのだろうかと思ったが、「bella GERBERA@umenohanakirei」氏は嫌悪感をもたないようだ。
麻生さんは結局のところ憎めないのよね。以前、歴代の総理の直筆の色紙を壁に飾ってる古い酒造を尋ねた事あるんだけど、麻生さんの字は目をみはるくらい秀麗だった。次はアベちゃん。一番「親しみを感じる」字は野田さんだったわね
でも茂木さんのコート、「あら仕立て良いじゃない?」と思った後にシュッとして麻生太郎の写真になった途端「すいませんした!別格でした!」と秒で土下座になるから、やっぱり年季って大事なのね
むしろ事実上の特権階級として麻生家が存在することや、それを背景にした文化的な資産を、麻生氏を高評価する理由にしているようにすら読める。
このことは、近年の日本の保守的な政治家では珍しく川勝氏の差別発言がきちんと問題視されたり、当時から現在まで平田氏の表現が誤読されていることが、差別そのものへの批判意識が理由ではないことをうかがわせる。