強くなるためのトレーニング方法・有用なwebサイトについてご紹介します。
「レートが~になったから、これをやろう」というのではなく、どのレーティングでも手広く下記項目を少しずつ積み上げていくと順調に実力が伸びていきます。
ブランダー(悪手)をしない意識付け
初心者~初級者のうちは、意図せずタダで駒を取られてしまったり、逆にタダで取れる駒を取り逃したりしがちです。どうすれば防げるでしょうか?
チェックリストを使う
次の4つのことを動きごとに確認するように意識付けしましょう。
<ブランダーチェックリスト>
1:自分のキングの安全を確認する
2:相手のキングをチェック・メイトできないか確認する
3:自分の駒が安全か確認する
4:相手の駒を取れないか確認する
チェスの原則の理解
チェスには守るべき原則があり、それに従うことが好手につながります。
このブログで「チェスには守るべき原則」について紹介しています。
数が多いので1日に数個ずつだけでも知っていくと理にかなった差し回しができるようになります。
関連記事:【チェス】勝つために守るべき原則・セオリー【Principles of chess】
タクティクス(中盤)のトレーニング
タクティクス問題とは?

将棋なら詰将棋のようなものです。
与えられた盤面で自分が駒得をしたり、チェックメイトにする手順を見つける問題のことです。
様々な問題があり、自分が想像もつかなかった解答と出会えます。
タクティクス問題を解くと、レベルの高い攻めをする基礎が固まっていきます。
私は「これは使える!」と感じた問題についてエクセルにスクリーンショットを貼り付けて、コメント付きでまとめるようにしています。
どこでトレーニングができる?
Chess.com
簡単な問題から難しい問題までレーティングが設定されているので、自分の実力に合わせてトレーニングできます。
フリーアカウントは1日5個までのパズル可能。
メンバーシップを購入するとパズルは無制限にできます。
<簡単な問題について>
「レーティング0-500の簡単な問題を100連続正解できるまでで解く。
それができたら次は500-1000の問題を同様に100連続で正解できるまで解く。」という練習法があります。
簡単な問題を解き続けることでパターン認識力が強化されます。
このやり方は海外の上級者(レート2,200あたりの方)が推奨していました。
私自身始めたころは簡単な問題も悩んでいましたが、このやり方を続けることで確実に素早く解答できるようになりました。非常におすすめの練習方法です。
・リンク先で練習できます
Custom puzzlesでは問題のレートを設定できるので、簡単な問題をたくさん解くのに適しています。
Puzzle rushでは制限時間内に何問解けるかチャレンジでき、解答の速さをチェックできます。
Puzzle rushをたまにやってみると過去の成績と比べることで成長が実感できるので、モチベーションの維持に役立ちます。
<難しい問題について>
また、難しい問題は先を読み切る計算能力を向上させます。
レートが変動するパズルで上を目指してみましょう。
100区切りのレート達成でAwardがもらえるのが私は好きなので、結構ハマりました。

Lichess
こちらは完全無料でタクティクスをやり放題です。
下ページの左上のタクティクス問題から完全ランダムな題材に挑戦できます。
chess.comと比較した場合、同じレーティングならこちらの方が若干難しい気がします。
https://lichess.org/training

特定のテーマに絞って問題をやりたい場合はこちら。
自分の弱点を集中的にトレーニングできます。
私は将棋から入ったのでフォークをたくさんやってナイトの特殊な動きのパターン認識力をあげました。
https://lichess.org/training/themes

さらに、特定のテクニックをまとめて練習できるPracticeもあります。
進捗が表示されるので自分がどれだけできたか確認もしやすいです。
一回解いてクリアになっても、実践で瞬時にパターン認識できるように何度も解きましょう。
チェックメイトパターンを知っているかいないかで、攻め方のアイデアを思いつけるか変わってくるので重要です。
https://lichess.org/practice

365chess.com
こちらではオープニングに近いトレーニングができます。
選んだ手は何人が選んでいるか、その場合の勝率がどれくらいかを見ることができ、勝てる手を選ぶトレーニングになります。
序盤の実力レベルアップに繋がります。
考えられる選択肢が広く、明らかな駒得が考えられたりする場面ではないので結構難し目です。
しかし、正解できないからと悩む必要はありません。
正解を見て、どういう意図があって指されているのか考えること自体が大切です。
こちらで練習できます。

下の画像のように選んだ手がハイライトされます。
例えばO-Oのキャスリングでは「白の勝率が46.3%、黒の勝率が41.5%」であるとわかります。

色々と書きましたが1日に解くタクティクス問題が少なかったとしても、取り組んだものについて1問だけでも「なるほど」と理解できればそれでOKです。
昨日の自分よりは確実に一歩実力がアップしているはずです。
オープニング(序盤)の理解・トレーニング
チェスのオープニングを学ぶことで序盤からスタートダッシュを決められます。
このブログでは序盤で有利な形になれるよう、オープニングの流れを紹介していますので、ご覧ください。
関連記事:【チェス定跡】オープニング一覧と個人的おすすめ
関連記事:Scotch gambit/スコッチ・ギャンビット
関連記事:Caro-Kann Defense/カロ・カン・ディフェンス
関連記事:開始直後のクイーン攻撃、どう守る?(vs Wayward Queen Attack)
などなど・・・
どこでトレーニングができる?
オープニングを大まかに覚えたら、早速試しましょう。
chess.comでCPU相手に、任意のオープニングの局面が出来上がった状態で練習ができます。
対人で使う前に試したい場合おすすめ。CPUのレベルも変えられます。
↓ここです。

エンドゲーム(終盤)のトレーニング
エンドゲームとは盤上に駒が少なくなった中盤以降を言います。
実力が拮抗しているとエンドゲームに入りやすくなりますので対策が必要です。
初心者であっても非常に簡単なものから触れてみることをおすすめします。
lichess.com
ルークエンドゲーム、
ビショップエンドゲーム、
ポーンエンドゲーム、
ナイトエンドゲーム、
クイーンエンドゲーム 等々で練習できます。
時間がないときはルークエンドゲームだけやりましょう。一番発生頻度が高いためです。
上記は好手含む数手のみの問題なので、より実践的なエンドゲームトレーニング (チェックメイトまで)も必要です。
上記エンドゲームを解答後、下記画像の◎(AIと対局する)でSTOCKFISHと対局することができます。
エンドゲームになると「どのポーンを動かしたいいんだろう???」と迷う状態になりがちです。
好手を指した後もチェックメイトまで持っていけるかが重要なので、チェックメイトまでたまに練習してみるのもおすすめです。

chess365
下の画像のように複数種類のピースが含まれるエンドゲームの練習ができます。
こちらです。

Chess Endgame Training
特定の駒の組み合わせのエンドゲームの練習問題が大量にあります。
正解すると緑になるので、達成度の確認ができるところがGOOD。
こちらです。


一日数問やるだけでも積み重ねで実力がつきます。
マスの位置を判別するトレーニング
チェスの盤面8×8の座標をすぐ特定できるように練習することは棋譜を読み解くのに役立ちます。
chess.comやLichessではマスの名前から場所を当てるトレーニングができます。
chess.com:https://www.chess.com/vision
Lichess:https://lichess.org/training/coordinate

Stockfish Lv8 (最高レベルのCPU)と対局する
容赦のないStochfish Lv8 (最高レベル)と対局して、自分がどこで間違えたのかを振り返ることも上達に繋がります。
Lichessのホーム画面右下の「AIと対局する」で戦えます。
対局後に「棋譜解析」をすることで悪手を振り返ることができます。
chess.comと違って無料で何度も解析できるところもGOOD。
人間同士でGMレベルと対局できる機会は実力が相当ないとできないことなので、これで代用しましょう。
対人戦ではないので負荷は確実に低く、取り組みやすいトレーニング方法だと思います。
「何手でチェックメイトされるまで耐えられるか」という楽しみ方もできます。
耐久の記録が伸びれば、それだけ正しい手を指せているということになり実力向上の確認もできます。

持ち時間が長いルールで対局をする
チェスのブリッツ(5分程度の持ち時間の対局)は、スピード感があって楽しいですが実力アップには向きません。
初心者のうちは時間に追われて「根拠はないが、この手で!」と感覚にまかせて手を選んでしまうことがよくあります。
これでは悪いクセがつくだけになってしまいます。
チェスの実力をつけるためには、少なくともラピッド(15分+10秒追加ルール)でプレイしましょう。
上達するためには長い持ち時間を使って相手の動きの狙いを考えたり、できるだけ深く手を読もうとすることが大切です。
自分の対局を振り返る
自分の勝ち負け関係なく、対局を振り返りましょう。
Chess.comでは1日1局がフリーで解析できます。何が原因で敗勢になったのか、チェス解析エンジンで一目で特定できます。
(Lichessではフリーで何度も解析できるので、こちらもおすすめ。)
たとえ1手だけの見直しでも、「このときはこうすればよかったのか」と理解することで同じ間違いをしなくなります。
今後の同じ場面で局面を改善できるようになり、勝ちにつながっていきます。
「1日改善0個と vs 1日改善1個」では、1年にすると365個の差となります。
実力がどれほど違ってくるか想像できますね!
chess.comの例:
グラフで優勢・敗勢を示してくれ、ポイントとなるところには色が付きます。
(無課金なら1日1回、有料メンバーシップなら無制限)
chess.comではより詳細に「Best move・excellent move ・good move」と悪手以外も分類してくれるメリットがあります。
よりよい手を見つける手助けになるので重宝しています。

Lichessの例:
こちらもコンピューター解析ができます。
グラフで示されます。こちらは無料で1日40回まで可能。
(変更が入るかもしれないので、詳細はこちらでご確認ください。https://lichess.org/features)
chess.comとは違って好手の分類をしてくれないところは短所と言えそうです。

初心者のうちは何からやればいい?
トレーニング方法が複数あって何からやればよいかわからない場合は、上で紹介した「タクティクス問題」を解くようにしましょう。
タクティクス問題に含まれるピンやフォークなど、局面を一気に有利にするテクニックを身につけられます。
タクティクス問題は攻撃だけでなく守りにも役立ちます。
対局もするようになったら「ブランダー(悪手)をしない意識付け」のチェックリストも使ってみてください。
新しく良いサイトがあれば今後も追記していきます!