- ハバナ症候群の調査のため派遣されたCIAの医師が、自らの病気について語った。
- この医師は匿名で、キューバ滞在中にかかったハバナ症候群について、CNNに話した。
- 専門家は症候群の原因を特定していないが、有力な説では電磁波が関係している。
自らが調査を行っていたハバナ症候群と呼ばれる症状が自分にも現れたと一人の医師が証言した。
CIAの医師、ポール・アンドリュー(仮名)は、海外のアメリカ政府関係者に影響を与えている謎の症状について調査するためにキューバのハバナに派遣された最初の専門家だった。
それから5年が経ち、彼は依然として謎の病気と同じ症状に悩まされていることが、2022年9月25日公開された特別報道番組で紹介された。
2016年後半に初めて報告された場所にちなんでハバナ症候群と名付けられたこの症状は、公式には「原因不明の健康事案(AHIs)」と呼ばれている。
2017年以来、アメリカの政府機関職員や外交官などの間で、数百件のAHIsが報告されている。
この症候群の明確な原因は不明で、専門家は現在では集団精神病や鳴き声の大きなコオロギ、音響による攻撃といった初期の仮説を否定している。
早朝に耳の痛みで目が覚めた
アンドリューは自分自身に症状が現れ始めたとき、信じられない思いだったとCNNに語った。
彼は、任務中のある朝5時、吐き気と激しい頭痛とともに、右耳に鋭い痛みを感じて目を覚ました。ハバナ症候群の患者が報告していた、カチカチという音や低いノイズも聞いたと報告している。
当時、音響兵器のようなものが関連する可能性が有力な説だったため、彼は影響を和らげようとヘッドフォンを装着したという。
1時間後、症状は良くならず、部屋を出ることにした。彼はとても混乱していて、荷物をバッグに詰めることやドアを開けることにも苦労したという。バランス感覚にも影響を及ぼしていたのだ。
それから5年が経ち、アンドリューは依然としてバランス感覚と視力に問題があるという。ハイキングやジョギングで吐き気を催し、頭を左右に向けるとくらくらすると、CNNに話した。
医師は、バランスと体の位置を教える内耳の一部である前庭器官に損傷を見つけた。
「やりたいと思ったあらゆることができない。大きなストレスを感じる」と彼は話している。
電磁波の影響か
いわゆるハバナ症候群は、アメリカで近年、症例が多く報告されるようになり、注目されている。
ジョー・バイデン大統領は2021年、2つの委員会にハバナ症候群の調査を命じ、被害者のために2021年のアメリカ国防費予算に3000万ドルを計上した。
全米科学技術医学アカデミー(NASEM)の2020年の報告書によると、AHIsの症状には下記がある。
- 突然大きな音が、多くの場合、一方向から聞こえる
- 頭がぐらぐらするような、強い圧力を感じる
- 耳や頭の痛み
- 耳鳴り、難聴、めまい、歩行障害、視力障害を起こす場合もある
長期的には物忘れや不眠、頭痛を経験する患者もいる。
専門家は信ぴょう性のある原因を探求しているが、この症状を引き起こす原因は依然として謎のままだ。
NASEMや国家情報長官室の報告で支持された有力な説は、パルス状の電磁エネルギーまたはマイクロ波がこの症状を引き起こす可能性があるというものだ。
しかし、すべての専門家がこの説に同意しているわけではない。
「その証拠は、体の外側にあるだろう」とロスアラモス国立研究所を引退した科学者であるシェリル・ローファー(Cheryl Rofer)は、以前Insiderに語っている。
「本当に悲惨なものなら、熱傷のようなものだ」
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)
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