久しぶりにアンプをつくってみようかな?の巻き 2020.9.27
オーディオネタとしてこんなものはどう?という一通のメールと回路図を頂きました。
SOULNOTEの無帰還アンプの回路図とのことです。
構成としては、差動増幅+電圧増幅+電力増幅というオーソドックスな形になっています。
差動増幅はいわゆるダイヤモンド回路というやつですね。FETが定電流のために用いられています。
その出力は電圧増幅段で電圧増幅されます。ここで出力電圧のオフセットを加えるためにLEDが用いられています。
LEDなら1個で2~3Vの電圧をかさ上げすることができますので、結構便利です。
ただ、個人的にはLEDを電圧降下用につかうには、ちょっと注意が必要かな~と思っています。
というのも、半導体というのは可逆的な性質を結構もつので、LEDは外来光がくると、それ自体が
起電力を生み出してしまうのではということです。すなわち外来光がノイズ源にもなりうるということです。
そのため、LEDを電圧降下に使うなら遮光すべきかな~と思っています。
まあ、LEDが光ることで動作確認にもなりますし、見た目も楽しいですから、どちらをとるかでしょうね。
そして電圧増幅したあとに電力増幅段になりますが、なんと4段のダーリントンになっています。
これは電圧増幅段への影響を軽減するためにあるようです。
そういえば
同様の回路構成はディスクリアンプ基板のA2基板で作ったような気がするので、探してみました。
こちらはパワーアンプではないので、電力増幅段が1段のみです。また、差動増幅回路にも定電流化のためのFETはつかっていなくて、
単純に抵抗のみで電流を調整しています。
大きく異なるのはこちらは、負帰還をかけることを前提としたつくりになっています。
以前に作ったA2基板と回路構成的には同じです。
http://www.easyaudiokit.com/bekkan/manual/RenewDiscreteAmpManaual.pdf
無帰還アンプ’(NON-NFB)と帰還アンプ(NFB)とどちらが音がいいの?
色々なホームページでみなさんの持論が展開されていて、みていて面白いです。
これについては個人的には、作り手あるいは使い手の思いで結論が変わると思っています。
すなわち、出力の情報が入力に戻されるのは許せないと思っている人にとっては、多少の特性の劣化は関係なくNON-NFBの方が音がいいと感じるでしょう。
反対に、ドップリとNFBをかけてでも低歪にしたほうがよいと思っている人にとっては、NFBアンプの方が音がいいと感じるでしょう。
いづれにしても、「音がよい」というのは定性的な物言いなので、物理的な特性以上のパラメータが影響因子に大きく働くことでしょう。
真空管vsトランジスタアンプ、CDvsアナログの構図に似ている気もします。
どちらの主張もオーディオとしては興味があるので、どちらもフレーフレーです(笑。
思い出したように・・・
そういえば、ダイヤモンド回路をつかったパワーアンプって作ったことがないな~と思い出して、この回路を使ったディスクリパワーアンプを
一度作ってみようという気になってしまいました。
でも、作るにもNON-NFBだと定数の設計も微妙そうなので、できるだけオキラクなものががいいといことでNFBタイプのものにします。
また、あまり多種類の部品や定数が必要なアンプは部品の調達だけでオキラクでなくってしまいますから、できるだけ部品点数や種類が少なくなるような
アンプを作ってみましょう。
A2アンプをベースにパワーアンプを書いてみましょう!
まずは、A2アンプをベースにできるだけ簡単なパワーアンプを書いてみました。
単純に、電力増幅段をMOSFETにしただけです。SPICEをかけてみましたが、特性的にも問題はなさそうです。
このくらいなら、部品点数も少ないですしすぐに作れそうです。
まずはA2アンプをベースにして超簡単なパワーアンプの回路を書いてみました。
特性としても問題ないでしょう。
ブレッドボードで組んでみましょう
まずは動作確認も含めて、ブレッドボードで組んで見ました。
ブレッドボードはいつもはディジタル回路の検討用につかうので横向きにしてつかいます。
それに対してアンプなどのアナログ回路の場合は、上下ラインが電源ラインになっていると、回路図と合致するので
縦向けの方が勝手がいいのです。でも、いつもと違う配置なので、なんとなく感が狂います。
そのため部品点数は少ないのですが、結構時間がかかってしまいました。
ブレッドボードでまずは簡単に組んでみました。縦向きなので、いつもと配線の勝手が異なります。
まずは正弦波の入力を入れて動作確認です。ここでは回路定数としてゲインは11倍(帰還抵抗は10kと1kΩを使用して分圧)
としています。また出力段のパワーMOSFETはIRF620/9620をつかっています。
最初は20kHz程度の信号を入れましたが、問題なく綺麗は波形で増幅できているようですね。
20kHzの信号も綺麗に増幅できます(下:入力、上:出力)
どのくらいの電圧出力が得られるか?
パワーMOSFETはゲートのON電圧が高いので、電源電圧に対してどの程度の出力が得られるかは
注意が必要なところです。そこで、電源電圧を24V程度として動作させたところ、最大振幅は17V程度
ということになりました。およそ電源電圧からー7Vになります。結構、大きいです。
8Ω負荷で10W程度の出力を得ようとしたら、電源電圧は25V程度が必要になるということになります。
まあ、10Wもあれば近所迷惑間違いなしですが・・・。
電源電圧は正負約24Vとしています。
最大振幅は約17V程度です。電源電圧から-7Vくらいになりました。
ちょっと歪みが・・・・
20kHz程度の周波数ではわからなかったのですが、100kHz程度にあげてやると
出力波形に少し歪みがでています。バイアス電流が低かったのかな?と思いましたが、
なんせ、パワトラを電圧増幅段で直接ドライブしているのは不味かったのかもしれません。
電流で動作するバイポーラのと異なり、FETは基本は電圧で動作するので、ドライブのための
電流は基本的には必要ないのですが、それはあくまでも直流の話であり、交流になるとFETのゲート容量に
結構電流が流れ込みます。とくに、高周波数になるとバイポーラ以上に電流が必要になってくる
場合もあるので、やはり電流増幅のためにもう1段入れた方がいいでしょう。
100kHzの信号だとすこし歪みが見えます(下:入力、上:出力)
少し見直し
電力増幅段を2段にして、MOSFETの駆動力を上げることにしました。
オキラクにしようと思っていますが、なんかだんだんと回路が複雑になってきました。
やっぱりこのくらいの規模の回路になっちゃうのかな~
さて、確認のためブレッドボードに追加の素子を実装です。
MOSFETのドライブのためのトランジスタを追加しました。
100kHzでの信号もクリアになりました。
やっぱりこうなっちゃう?
本格的に作ろうかと思うと、スピーカ出力には位相補償回路もほしいし、差動増幅と電圧増幅段には
電圧の安定化回路もほしいし・・・・となってしまいます。結局、最終的な回路はこんな感じになりそうです。
すべてを実装する必要はありませんが、なんやかんやつけたくなってしまいます。
最終的にはこんな感じになるのかな~。
パターンを描いてみましょう! 2020.9.29
描きながら、実際にはあまり使わないコンデンサやインダクタなどは省略してやりました。
ということで、部品も少なくなったので、標準サイズの基板には割りとゆったりと配置ができました。
入力段については、通常のTO-92パッケージ以外にもDUALのトランジスタ(SMDタイプ)も実装できるようにしてみました。
秋月で容易に手に入りますからね。
割とゆったりと部品が配置できます。
入力段はDUALのトランジスタが使えるようなパターンにしてみました。
あとは基板シルクに部品番号を振って、GND配線を行えば完成です。
あ、配線チェックもしなくっちゃ!
話は戻って無帰還アンプを調べてみましょう! 2020.9.29
さて、話の最初は無帰還のアンプの回路図から入りましたが、作ろうとしたのは結局のところ負帰還有りのアンプでした。
折角なので、回路図もありますので、一度 無帰還アンプも動かして見ましょう。といってもまずはSPICE上なので、お金はかかりません(笑。
まずは入り口だけシミュレート
さて、まずは回路図には定数が入っていないので、適当に与えてSPICEで動かしてみました。
最初からフル回路図にするとややこしいので、最初は入力+電圧増幅段のみでシミュレートです。
SPICEの部品の中でどれがLEDかよくわからなかったことももり、LEDについてはダイオードを4個直列つないだものとしています。
先にも述べましたが、LEDは光をうけると起電力を発生する恐れもあるので、普通のダイオードの方がいいかな~という気もします。
さて、適当な定数を入れて10倍程度のアンプにしてみました。定数は下図の通りですが、
帰還アンプのときの回路図とは定数のバランスが大きくことなります。これは当然で、帰還アンプでは
できるだけゲインを上げるような設計になりますが、無帰還ではこの部分でゲインを決めないといけないからです。
ここでの定数の注意点としては、R2が負荷抵抗になりますが、これもゲインの設定に重要なところです。
しかし、この値が47kΩとあるように、この回路自体の出力インピーダンスは低くはありません。むしろ高いくらいです。
そのため、この電圧増幅段に接続するアンプはできるだけ感度の高いフォロアーにしなければなりません。
これで、約10倍の無帰還のアンプになります。R2は負荷抵抗になりますが、結構値が大きいことに注意です。
1Vの入力を入れています。出力は約12Vなのでゲインは21dBくらいかな。
周波数特性は結構良好です。100kHzくらいまでフラットに伸びています。
次にフォロアー(電力増幅段)も追加
さて、先の回路図に電力増幅段(フォロアー)を追加しました。電圧増幅段への負荷を軽くするため、最初の回路図の通りにトランジスタは4段にしています。
下の定数で、ほぼバイアス電流20mA程度での動作になります。
バイアス電圧はQ11~Q14で得ているのですが、4個接続するとバイアス電流が大きすぎるので、3個にしました。1個は短絡させています。
また、この回路では電力増幅段は前後で2分割されており、両者がコンデンサでカップリングされています。これはDCオフセットを取り除くための
ようですが、それはそれで問題があります。これは後述です。
特性ですが、電圧増幅段にフォロアがついているだけですので、周波数帯域はほとんどかわりません。ただし、コンデンサで結合しているので
低周波数領域がすこしダウンします。1uFだと、すこし減衰が大きいので2.2uFくらいがいいでしょう。もっと大きく、たとえば10uF程度にすれば、
かなり低周波までフラットになりますが、コンデンサが大きくなるのと、良質なものはかなり高価になります。
あんちょこにつくるならフィルタではなくバイポーラの電解コンデンサがいいかもしれませんね。
全体の回路図です。
カップリングコンデンサ1uFだと、すこし低周波でのダウンが大きいです。
カップリングコンデンサ2.2uFだと10Hzで-2dBなので、このくらいでいいでしょう。
カップリングコンデンサの長短は
カップリングコンデンサを入れることで、入力段のオフセットが伝達されずに済むという長所があります。
さらに、トランジスタの動作電圧の変更もできる長所があります。上図の定数の場合は、カップリングコンデンサの
手前では正負信号間の電位差は1.9Vでしたが、コンデンサを介して接続することで次段での電位差を大きく
変更することができます。ここでは2.5Vに拡大することができています。通常は段数を重ねると、この電圧は
低下する一方なので、最初の段階で大きな電位差を設けておかないと終段のトランジスタを駆動することができません。
その点、コンデンサを追加することで電圧がシフトできます。
コンデンサでのカップリングで正負信号間の電位差も変更ができます。
じゃあ、いいことばかりかといえばそうではありません。オフセットキャンセルができるというメリットを裏返せば、
終段で発生するオフセットが残ってしまいます。すなわち、せっかく入力段にオフセットキャンセル回路をいれても、
それが役に立ちません。まあ、役にたたないというのは言い過ぎで、入力段での動作点を適正にするには役立ってはいます。
ただし、アンプ全体のオフセットを調整するには、不足するということになります。
ということで、実用的にするには終段部分でもオフセットを調整出来るようにしておく必要があります。
そのために、一部の抵抗に可変抵抗を追加しました。
終段のオフセットキャンセルのために調整用の抵抗を加えました。
バイアス調整回路はオーソドックスなほうがいいかな?
もとの回路図ではバイアス調整の電圧発生にはトランジスタ4個が用いられていますが、SPICEだと4個は多するので、
3個にしました。ガンガンにバイアス電流を流すつもりなら4個でもいいかもしれませんが、私は省エネ派なので~(笑。
だいたい、アンプを作ったときはバイアス電流は20mA程度狙っています。トランジスタがほんのり暖かくなる程度です。
というのも、すこしでも電流が流れればAB級としては十分です。
またトランジスタ4個とVRでは調整できる範囲が狭いです。電圧を減らすにはトランジスタも減らす必要があるし、
増やすにはトランジスタを追加する必要があります。バイアス調整用にはオーソドックスな下図のような回路の方が
やりやすいのでは?と思ったりです。
バイアス調整用はオーソドックスな回路の方がいいかもです。
まあ、ここはトランジスタ4個+VRのパターンを描いておけば、適当に部品配置を変更すればトランジスタ+VR+抵抗2個の実装に
変更できるでしょう。いわゆる裏技でしょうか・・・。
終段はシングルか、パラか?
無帰還アンプの短所の一つとしてダンピングファクターを大きくしにくいところがあります。すなわち終段のエミッタ抵抗に依存してしまいます。
ですので、ダンピングファクターを大きくするには、エミッタ抵抗を下げる必要があります。下げるといっても、入手を考えると0.1Ω程度が下限
ですし、それ以上下げたら今度はトランジスタの熱暴走が抑えられるかどうかも心配です。個人的にはエミッタ抵抗は低くて0.22Ωないしは
0.47Ω程度かな~と思っています。ただ、この値だと無帰還アンプだと4Ω負荷でダンピングファクターは10程度とちょっと心もとないです。
まあ、真空管アンプと同程度と思えばいいわけですが・・・・・。
ということでエミッタ抵抗を実質的に下げるのにはトランジスタのパラ化になります。ただ、パワーを得るためにトランジスタをパラにするのなら
ともかく、ダンピングファクターを上げるためだけにパラにするのは、ちょっと勿体ない気がします。あ、考えればオーディオ自体が普通に
勿体ないことの塊りだから、いいっか(笑。
とはいえ、2パラくらいがいいかな~。
基板を描いてみましょう! 2020.9.30
部品点数がすこし多いので大きめの基板をつかうことも考えましたが、基板サイズは統一しておいたほうがあとあと便利なことが多いので
今回も標準サイズとしました。そのため、すこし使用する部品を限定することにしました。
限定する部品はエミッタ抵抗です。金属皮膜などをつかうとかなり大きなサイズになりますが、ここでは下記の金属板抵抗にサイズを
あわせました。この抵抗はオーディオ用としては定番のものですし、秋月で購入可能です。
エミッタ抵抗はこの形状にしました。
さて、一気に部品を搭載です。一番時間がかかるのは部品の配置です。できるだけ対称性を保ち、また部品間隔に粗密があまり生じないように考えるのですが、
まあ、なかなか完全に対称にするのは難しいですね。入力のカップリングコンデンサが偏ってしまいました。もうちょと基板が大きければ良かったのですが・・・・・。
部品の配置ができれば、あとは配線です。配線は、アナログ回路ということもあり比較的余裕をもってできます。ディジタルだと配線数が多いので、どの隙間を通そうか
結構悩むときがあります。
しかしながら、このパターン描きなんかは高価な基板CADだと自動でできるんですよね。でないと、パソコンのボードなんかは手で配線なんかできませんからね。
オーディオ用の基板はビール片手に酔っ払い運転です。 そのため、ミスが連発するのですが(笑。
とりあえず部品配置と配線が完了しました。あと部品番号振りとGND配線のみです。
基板アートワークの仕上げにかかりましょう!
順序としては
①部品番号振り(基板上で部品表でできるだけ同じ値の部品が続くように)
②回路図の部品番号修正
③配線チェック
④GND配線(半自動)
という感じで進めます。本来は最初に回路図を書けば、基板CADでできる作業も多いのですが、使っているCADやSPICEとの連携が取れないので
ほぼ手動です。ああ~、これが結構面倒です。
さて、このあたりで基板のコードネームをつけましょう。
PA-A2 (A2型のパワーアンプ。ダイアモンド入力回路)
ネーミングは安直です。
まずは基板上で部品番号を振りました。あれ?R19が重複してる・・・・。
回路図の部品番号を振りなおしました。これも面倒だあ~。もうちょっと煮詰まったら、好きに変更できようにSPICEデータも公開しましょう。
あ、しまった・・・・
バイアス調整用のVR位置を間違えました。基本的なことですが、しばらくアンプを作っていなかったからつい調整が簡単なほうに入れてしまいました。
上の回路図ではVR3はQ7のBC間(ベースとコレクタ間)に入っていますが、これはベースとエミッタ間に入れておかなければなりません。
でないと、VR3の接点が不良になった場合に、最悪アンプが燃えます(笑。
まあ、そこまでVRの信頼性に懸念をもつ必要はないかもしれませんが・・・・、そういえば火災保険の更新手続きやったかな~???
ちょっと避けたほうがいいかな~。 |
やっぱりこちらが精神的に安心するかな~。 |
VRの接点不良が生じると、一気にバイアス電圧が上昇して、 終段のトランジスタに過電流が流れます。 ただしVRの回転に比例してバイアス電圧の調整ができます。 |
VRの接点不良が生じると、バイアス電圧が減少するので 安全側です。 ただし、VRの回転に対してバイアス電圧は直線では変化しません。 |
さて、配線チェックも終わったので、あとはGNDを描いて完成です。
PA-A2基板のアートワークが完成しました。
白黒のほうが見やすいかもしれません。
回路部もすこし変更です。
PA-A2N(A2型の無帰還タイプ) 2020.10.1
こちらも出来上がりました。
PA-A2Nの回路図です。バイアス電圧の発生回路はトランジスタをつかっていますが、トランジスタを4個並べるパターンも描いてあります。
基板の製作はDAC4499を再リリース(10月中旬)したころになるかなあ~?
その前に、色々とチェックしておきたいところもあります。
おもむろに再開! 2021.3.13
思い出したように再開です。なぜ、半年も放置することになったかと言えば、あまり確かな記憶がないのですがおそらくは旭化成の工場の火災が
原因の1つだったと思います。アンプと関係ないのでは?と突っ込まれそうですが、旭化成のDACの入手が難しくなってしまって、それに伴って
色々なDACのイメージングもストップしてしまいました。なんせ、基板パターンまで書いても素子が入手できなければ仕方ないですからね。
で、基板をつくるモチベーションが低くなってしまって、そのとばっちりがこのアンプ基板にも影響したという感じです。
でも、最近はROHMの新しいDACやJRCのあたしい電子ボリュームがでてきて、その基板も作ろうとしているので、それにあわせてこのアンプ基板も
つくろうと再開したわけです。
しかし、半年も経つとすっかり忘れてしまってます。さらに、その間にPCの入れ替えをおこなったこともあるので、SPICEの再インストールやライブラリに
設定など、結構やり直しをおこなうところがありました。
まずは復習から
無帰還アンプの回路図でSPICEを動かしてみましたが、うまく動きません。どうやら、単に清書しただけだったようで負電圧の電源フィルターの回路が間違っていました。
ということで、正しい回路図に修正です。ほとんど間違い探しです。
動く回路図に修正です。負電圧の電圧フィルターが間違っていました。正側をコピペしたのが不味かったようです。
忘れているな~
パターンを確認している途中で、バイアス電流のための電圧発生回路(図ではQ8近辺)にいくつかのジャンパー設定があります。
なんでアンプなんかに、ジャンパー設定必要なんだろう?と思いましたが、どうやらバイアス電圧を発生させる方法は2種類あって、
トランジスタを4個直列に並べて電圧をかさ上げする方法と、1個のトランジスタと可変抵抗器で電圧をかさ上げする方法が選択
できるようにしていたようです。もう、完全に忘れていますね。
で、パターンを確認していてオフセットの調整をもうすこし細かくできるようにR21を2本の抵抗に分割(R21a+R21b)に変更しました。
たとえば10kΩを固定抵抗と半固定抵抗で表そうとすると、9.1kΩ+VR1kΩの組み合わせになってしまいますが、調整範囲が
-9%~+1%とかなり非対称になります。かといって、9.1kΩ+VR2kΩにすると調整範囲が粗くなります。
そこで、R21を分割することで
R21=10kΩ+47Ω
R23=10kΩ+100Ω(VR3)
としてやれば、調整範囲は-0.5%~+0.5%とすることができます。もっとも抵抗の誤差1%を考えると、これは難しいので
R21=10kΩ+100Ω
R23=10kΩ+200Ω(VR3)
くらいにして、調整範囲を±1%にしたほうが現実的でしょう。
ということで、すこしパターンを修正です。
すこしパターンを修正しました。
もう一度、見直してこれで製作にかかりましょう。
#すこし長くなってきたので、後編に行きましょう.
(後編につづく)