魔法科高校の編輯人   作:霖霧露

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第十四話 さわれぬ清流

2095年8月7日

 

 今日の競技は新人戦、クラウド・ボールとアイス・ピラーズ・ブレイク。クラウド・ボールには特に親しい人が居ないため、アイス・ピラーズ・ブレイクを自身に一切非のない観戦妨害を憂慮して深雪と雫の試合のみの観戦に留めるつもりだ。明智(あけち)英美(えいみ)という原作でそこそこ登場していた気がする人も出場するが、俺は彼女との接点がないので特に見る必要も感じない。

 

 とりあえず、午前には雫の試合があるので達也抜きの達也一団と観戦に来ていた。達也が居ない理由はもう一人の選手のエンジニアとして選手控室に詰めているだけである。

 

「あれは振動系の、何だ?」

 

 レオが雫の使っている魔法を推測しようとするが、見当がつかなかったらしい。

 

「共振破壊、正確に言うならそのアレンジだな。魔法の始点を地面に設定して、氷柱に共鳴させてから周波数を一気に上げて破壊。始点が地面だから氷柱に対する情報強化では防ぎきれなかったわけだ」

 

 この場に達也が居ないので説明役を俺が代行する。各々が「へぇ」とか「すごい」とか感想を述べていく。それで、説明していた雫の試合は自陣側を2柱ほど崩されたが、その内に敵陣側の氷柱を雫が全て砕いて見せた。

 

◇◇◇

 

 午後。深雪が出場する一回戦最後の試合。原作では摩利の怪我によりミラージ・バット本戦の代役としてその名を公表されるため、その実力を見ようとする観客が押し寄せただろうが、それを回避した今の観客席は空席がまばらにある。見る人が少ないからと言って、達也が見ている試合で手を抜く深雪ではないだろうが。

 

「い、『氷炎地獄(インフェルノ)』!?」

 

 初手から放たれるその強力な振動系魔法にほのかが驚愕を言葉で表し、他の面子も表情に出ている。

 

「自陣側の氷柱の熱エネルギーを奪い、奪った分の熱エネルギーで敵陣の氷柱を熱する。魔法師Aランク試験で課題にされるような高難度魔法を、スペックが制限された試合用CADでよくやるよな」

 

 俺が説明している間にも、無情に相手の氷柱が融かされていく。相手は懸命に深雪の氷柱を崩そうと試みるが、現状深雪の魔法が作用しているために干渉力で劣る相手は魔法が発動できない。最後に深雪が弱った氷柱を砕き、試合は深雪の圧勝で終わる。

 

◇◇◇

 

 一高生が一挙に会する夕食。だが、明確に明暗が分かれたグループが存在する。明は一年生女子、暗は一年生男子だ。何故かと言えば、二つの競技が完全終了、二つが予選終了となる中で女子の方が多数入賞・予選通過。しかし、男子は俺と森崎しか入賞しておらず、それ以外は予選通過すらしていない。

 

「どうしてこんなことに……」

 

 森崎はその事態を深刻に受けとめて暗い顔をしていた。他の男子面子も似たようなものである。

 

「予選の時点で有力者に当たってたみたいだからな。運がなかったとしか言いようがない」

 

 俺はいちおう森崎に慰めの言葉をかける。事実、クラウド・ボールの選手はトップ3に負けていた。実力はあるのだが相手が悪かったのだ。

 

「司波君を譲ってくれてありがとうございますってね!」

 

 女子の方からそんな声が聞こえてきて、森崎は苦虫を噛み潰す。

 

「ほら、森崎さん。そんなんじゃ美味しい食事もまずくなる。今日は飲んで忘れよう」

 

「酒の席みたいに言うな!未成年しか居ないこの場にアルコールなんてあるか!」

 

 最初の頃は会うたびに噛みつくような彼だったが、今では随分と弄って楽しい知人となっていた。

 

「あとお前は食い過ぎだ!何皿目だ!」

 

 森崎は俺の大食いに八つ当たり気味に激怒する。俺は超人であるために、常人より基礎代謝が高いのか燃費が悪い。いや、高い身体能力を考慮すれば燃費が良いと言えるかもしれないが。普段は高カロリーな物ばかり食べて量を少なく見せているが、バイキングでそんな俺の食事事情を考慮しているわけもなく、俺は量でエネルギーを補充しなくてはいけない。なのでわざわざ取り替えた皿の枚数など数えてるはずがない。

 

「食べたパンの枚数なんて数えないだろう?」

 

「一食の枚数くらい覚えとけ!たく……」

 

 不思議な漫才をしていれば多少男子も笑って明るくなる者が表れる。森崎も俺とのやり取りで少し気がまぎれたのか、その後は達也への賛辞が聞こえてくる度に機嫌を悪くしつつも、食堂を出ていくことはなく他の男子を激励していた。

 

◇◇◇

 

2095年8月8日

 

 今日行われる競技はアイス・ピラーズ・ブレイクとバトル・ボード。前者には深雪と雫が、後者にはほのかが出場している。試合時間もいくつか被っているので、エンジニアとしての務めがある達也を抜きにした達也一団は、A組面子がアイス・ピラーズ・ブレイクを、F組面子がバトル・ボードを観戦するようだ。俺としてはA組面子に交じりたかったのだが、深雪や雫以外の女子が合流するらしく、その人たちとあまり交流のない俺は居づらい。だからといって一人で観戦に行けば四葉の悪名(謎の力)が働いて俺の周りが空席となる。しかし、生中継で済ますのも友人たちに悪い。俺は仕方なく一高本部のモニターで観戦することにした。むしろ両方見られて良いかもしれない。

 

「……大変そうだな」

 

「ええ、まぁ……」

 

 三巨頭の代役として本部に詰めていた服部に上記の事情を話せば同情されるが是非もない。その後は服部も観戦に集中していて互いに会話はなく、ただ三人が何の心配もなく勝ち進む姿を見ていた。

 

「アイス・ピラーズ・ブレイクもトップ3独占とは……。「一年女子が優秀」なんて言葉では済まされないな」

 

「ある意味で服部先輩の英断のおかげですね。彼女たちの実力を過小評価するつもりはありませんが、達也がエンジニアとして支援していなければここまでの結果は出せなかったでしょう」

 

 一年生であり実力不確かな達也がエンジニアとして加われたのは服部の推薦あってのことだと聞き及んでいるし原作でもそうであった。

 

「司波が推薦に足る実力があると判断したまでだ。一年だろうと二科生だろうと、実力があるのならば我が校の優勝に貢献して貰わなければならない」

 

 実力主義は相変わらずだが、一科至上主義はだいぶ鳴りを潜めたようだ。

 

「ただ、これほどとは思っていなかったがな……」

 

「まぁ、そうですよね……」

 

 服部は今後の彼の扱いをどうしたものかと悩んでいるようで頭を抱えている。先輩方の予想を軽々上回って困らせるような達也には、まさに「さすおに」という言葉が相応しい。いや、その言葉の発生源こそ彼なのだから相応しいも何もないが。

 

◇◇◇

 

 午後。行われるのは一高が決勝リーグを独占したため本人たちが希望した深雪と雫の対戦のみとなったアイス・ピラーズ・ブレイクとほのかが三高選手と一騎打ちするバトル・ボード。

 

「四葉もこちらで観戦するのか」

 

「ええ、アイス・ピラーズ・ブレイクもバトル・ボードも見たいので」

 

 午前はアイス・ピラーズ・ブレイク新人戦男子の部を見に行っていた克人が、全員予選落ちして午後の試合がないため一高本部に詰めていた。いちおう、服部の姿も見える。

 俺も一高本部に留まり、ここから観戦する。観客席に行かなかったのは午前と似たような理由と、雫が負けることを原作知識で知っているための後ろめたさ故だ。結局俺は雫に深雪対策のアドバイスを一つもしていない。俺自身が深雪とアイス・ピラーズ・ブレイクで戦って勝つ方法が思い浮かばないのだから、他人にその方法を伝授できるはずがないのだが、応援の一言くらいかけられただろう。それでも俺は、何もしなかった。

 

「北山雫と司波深雪は対戦するようだな」

 

「彼女らにとって、互いに対戦する機会は少ないですからね。逃す手はなかったのでしょう」

 

「ふむ」

 

 克人も含め、本部に詰めている者達はほとんどアイス・ピラーズ・ブレイクのモニターを睨んでいた。両選手、司波達也という天才技術者の補助を受けた才女。予選でその力を見せつけた両者に、否が応でも注目が集まる。

 

 試合が始まった。深雪がインフェルノ、雫が共振破壊。ほぼ同時に放たれた二つの魔法は、また同時に対抗魔法が講じられる。しかし、共振破壊に対して振動を減速させて止めた深雪とインフェルノに対して情報強化でその場しのぎをする雫では対策に差がある。深雪はほぼ魔法自体を無力化しているが、雫は氷柱を融けづらくしただけにすぎず、このままではじり貧である。だからこそ、雫は打って出た。

 

「CAD同時使用に、フォノンメーザーだと……?」

 

 克人は汎用型CADを使いつつ特化型CADを取り出す雫に唖然としている。他からもざわつきが聞こえ出す。だが、ここまででは終わらない。いや、この先で()()()()()

 

「ニブルヘイム!?今観戦してるのは国際競技か何かか!?」

 

 深雪が発動した広域振動系魔法は、服部に声を上げることすら躊躇わせなかった。服部の言う通り、試合はもはや高校生のレベルではない。

 ニブルヘイムがフォノンメーザーを受けた氷柱の融解を止める。それだけに留まっていないことに雫は気付かず、ただ氷柱に情報強化をかける。ニブルヘイムによって生み出された液体窒素の霧が消え、氷柱にまとわりつく液体窒素を見てようやく気付いたようだが、もう遅かった。深雪がインフェルノでその液体窒素を熱し、気化して爆発的に膨張した窒素が雫の氷柱すべてを砕いた。

 

◇◇◇

 

「十六夜さん!」

 

 観戦後も一高本部に居続けると、バトル・ボードで優勝を収めたばかりのほのかが慌ただしく入ってくる。

 

「おや、ほのかさん。優勝おめでとう」

 

「そんなのはどうでも良くて、早く付いて来て下さい!」

 

 ほのかは椅子に腰を落ち着けている俺の腕を掴み、強引に引っ張り出そうとする。

 

「一体どうしたんだ、ほのかさん。そんなに急いだって、まだ夕食には早いよ?」

 

「十六夜さん!」

 

 全く動こうとしない俺に、彼女は出来る限り強く睨むが、今にも涙がこぼれそうな目では威圧感も何もない。俺は彼女がそうする理由も分かっているし、どこに連れて行こうとしているかも分かっている。だけども素知らぬ態度を貫く。

 

「雫は、今きっととても悔しい思いで部屋に閉じこもってます」

 

「あの試合の後なら、あり得なくもないね」

 

「だからっ、十六夜さんも一緒に雫を励ましてほしいんです!」

 

 彼女の必死な願いに、俺は肩をすくめる。

 

「どうして俺なんだ?男である俺よりも、明智さん、は療養中だから無理でも、同性の友人の方がいいんじゃないか?」

 

「十六夜さん、雫は「十六夜さんにアドバイスがもらえたからうまくいった」って言ってて、「十六夜さんのためにも頑張らなくちゃ」って」

 

「俺のおかげみたいになってて、なんとも厚かましいな。俺が出来たことなんて何もないよ。全て雫さんの実力と、達也の支援のおかげだろう」

 

「十六夜さんっ!」

 

 彼女の目に非難のそれすら混じり始めている。彼女が言いたいことは分かっている。だからこそ、これは彼女が折れるまでの時間稼ぎであり、そしてたぶん、無駄な抵抗だ。どう足掻いたって彼女の方が固い意志を持ち、俺の方は揺れ動いている。

 

「四葉」

 

 ほのかの声は本部内に響いている。その声を聞いている克人は、この場を傍観できなくなったらしい。

 

「お前は、弱っている友人を見捨てるような薄情者なのか?」

 

「俺がそうしない程度で折れてしまうほど、雫さんは弱い人ではありません。それに、今励ましに行かないことが、彼女の為にもなります」

 

「四葉、『彼女の為』なんて嘘で逃げるな」

 

「……ッ」

 

 俺は、克人の言葉で歯噛みする。そうだ、これは『彼女の為』などではない。これ以上、不用意に近づくことを恐れた、『俺の為』だ。

 

()()()()。どのような結果に成ろうと、それは『お前の為』に成る」

 

「……分かりました。様子を見に行くだけはしましょう」

 

 克人に俺の恐れを理解され、逃げ道も反論の言葉も無くなった。

 

「十六夜さん……っ!」

 

「ほのかさん、雫さんの様子を見に行きはする。だが、俺は彼女に何もしてやれないよ?」

 

 言葉一つで変われるようなら、そもそもこんな卑屈な男にはなっていない。背中を押され、彼女の前に出たとして、それでも俺は立ち止まるだろう。如何にリライト能力で身体を書き換えられようと、心までは書き換えられない。俺の心は、未だ無能で親不孝の罪人だ。

 

「それでも良いんです。行きましょう」

 

 ほのかに手を取られて歩き出す。

 

(ああ、やはり。俺は背中を押され、手を引かれなくちゃ前に進めない、愚か者なんだな……)

 

 愚か者は己を笑う。道化に成れればどれほど楽かと、己の枷を見て嗤う。己がはめたそれに、「誰がはめたんだっけかな」と嘲りながら。

 

◇◇◇

 

 九校戦メンバーが寝泊まりする宿舎、雫とほのかに割り当てられた一室の前で、ほのかは決心をしてからドアをノックする。

 

「雫、入るね」

 

 閉じこもっているとほのかが予想した雫は、しかし扉の鍵は閉めずにただ佇んでいた。

 

「ほのかと、十六夜さん……」

 

雫は表情こそいつもと差異がほとんどないが、纏う雰囲気と声のトーンが明らかに暗い。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 雫は何も言わずに俺を見つめ、俺も見つめ返すだけで言葉が出てこない。ほのかもこの空気の中では押し黙るしかなかったようだ。

 

「……ごめんなさい」

 

 静寂に耐えられなくなったのは雫であり、涙の雫もこらえきれずポロポロと零れている。

 

「アドバイスをもらったのに、あんな酷い試合をしてごめんなさい……」

 

 心が苦しい。彼女を泣かせているのは俺だ。ならば、その涙を拭うのも俺の―――

 

(そんな権利が、お前にあるとでも?)

 

 脳裏に声が響く。この声は、自己嫌悪と自己愛に満ちた俺の声だ。

 

(ああ、分かっている。俺にそんな権利はない)

 

 俺は転生者だ。この世界にとって本来居ない者、イレギュラーである。そんな部外者に、過干渉は許されない。

 

(お前は罪人だ。そんなお前に、誰かを支える権利があるとでも?)

 

 俺は罪人だ。前世で無能をさらした親不孝者、愚か者である。そんな虚け者に、誰かを支える権利はない。

 

(だが、罪人だからこそ、背中を押してくれた克人と手を引いてくれたほのかの厚意を無下にするなんて罪は重ねられない。彼女を傷つけた罪は償わなければならない)

 

 俺は自身に免罪符を偽造する。せめて彼女に、一言贈る権利を得るために。

 

「……頑張ったな、雫さん」

 

 俺は心から彼女を称賛し、心から笑顔を浮かべた。

 

「っ!うん、私、頑張った、よ……」

 

 涙こそ流れているものの、彼女も笑顔を返す。

 

「雫……」

 

「……ありがとう、ほのか、十六夜さん。もう大丈夫」

 

 雫は自分の手で涙を拭い、残るは笑顔だけとなった。心なしか、いつもより清々しく見える。

 

「さて、じゃあお祝いとしてケーキでも奢ろう。夕食前だが、甘いものは別腹だろう?」

 

「十六夜さんなら夕食後も別腹で食べられそう」

 

「ふふ、確かに」

 

「……」

 

 二人が笑ってくれるのは喜ばしいことだが。バイキングで目撃されている大食漢により定着してしまった俺の大食いキャラはどうすれば払拭できるだろうか。

 

◇◇◇

 

 雫とほのかにケーキを奢るとなれば、最寄りのティーラウンジに行くわけであり、そこを利用する九校戦メンバーも少なくないともなれば、そこで達也と深雪に出くわすのは当然の帰結と言える。そして、今まさに互いを視認してしまって、空白の時間が発生している。

 

「ほのか、優勝おめでとう」

 

「おめでとう」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 深雪はこの空白を切り崩すべく口火を切るが、本人も表情が固く、ほのかは気まずそうである。

 

「そうだ、丁度いいから深雪にもケーキを奢ろう」

 

 もうお互い無視できる状態ではなくなったので、三人のわだかまりも解くべく同席させてしまった方が良いと俺は考えた。

 

「ケーキ?」

 

「ああ、ほのかさんと雫さんのお祝いにケーキを奢る約束をしてな。ついでに深雪の優勝も一緒に祝ってしまおうとね。構わないか?」

 

「ええ」「うん」「はい」「ああ」

 

 全員を見回して問えば、異論を唱える者はいなかった。それから達也らと同席し、ケーキセットを四つ注文する。

 

「お前も食べるのか」

 

「目の前で食べてるの見てたら食べたくなるだろう?」

 

「いや……」

 

 達也からの同意は得られず、他3人はそのやり取りでくすっと笑う。達也のコーヒーは奢らないことにした。

 

「えーと、まぁとりあえず。言うのが遅れたが、深雪は優勝おめでとう。それと改めて、ほのかさんは優勝、雫さんは準優勝おめでとう」

 

「「「ありがとう(ございます)」」」

 

 話題を切り替えてそれぞれ祝えば、それぞれから感謝の言葉が返ってくる。

 

「優勝できたのは、達也さんのおかげです」

 

「私も、達也さんのおかげであそこまでいけた」

 

「ほのかの方は作戦を提案しただけだがな。雫の方は、無茶な計画を立ててしまってすまなかったと思っている」

 

 確かに、あの練習期間でCAD同時使用とフォノンメーザーを習得するのは無茶だっただろう。それを可能としたのが雫の才能と努力だったが、時間の少なさが低い練度として表れてしまった。

 

「達也さんは悪くないよ。時間が足りなかったのは確かだけど、達也さんのあの作戦と十六夜さんのアドバイスがなければ一矢すら報いられなかったから」

 

「まぁ、お兄様だけでなく十六夜も雫に肩入れしてたの?」

 

 深雪は不機嫌に俺と達也を見つめる。

 

「肩入れしてたって程じゃ。ただ、CAD同時使用の助言をしただけだ」

 

「俺も、二人に最善を尽くした結果だ」

 

「もう、この二人は友愛や兄弟愛がないのかしら」

 

「……」「……」

 

 顔を背ける深雪に、そろって苦い顔をする俺と達也。それを笑う雫とほのか。もうこの集団に、わだかまりの欠片もなかった。




微妙に進展している森崎との仲:モノリス・コードの練習の際、十六夜がしっかりメンバーと協力し、協調を示したために「あの悪名高い『四葉』の直系」という認識からかけ離れていたことからその偏見を改め、かつ十六夜がその高い戦闘能力を見せたために、「実力がある謙虚な人間」という認識になった。それでも、競い合う相手という意識が強いためか、友人と言える程友好的ではない。が、その意識の為か、森崎自身を微妙に成長させることとなった。

超人の大食い:高い身体能力の一因である非常に優秀な筋肉はそれだけエネルギーが必要となる。そのため、カロリーが高い物を食べるか、たくさん食べるかしなければならない。逆に言うと、食べた物はほぼ全てエネルギーとして消費されるから、いくら食べても太らないわけでもある。

自己嫌悪と自己愛:「『我は影。真なる我!』『俺はお前で、お前は誰だ』……なんてな」

十六夜の大食いキャラ:多分夏季休業終了してしばらくすれば払拭されるが、今度は高カロリーな物ばかり詰まった弁当が話題になるだろう。

閲覧、感謝いたします。

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