アメリカの住宅建設地で違法
レースをやって逮捕された高
校生が、矯正施設に入る代わ
りに日本にいる駐日軍人の父
の元へ送られて保護観察とな
った。
だが、少年は東京の都立高校
に編入したが、そこは違法ド
リフトレースをする集団のい
る不良高校だった。
やがて主人公ショーンは西部
の町からメキシコまで逃げて
も同じだと言う在日日系外国
人にドリフトを習い、ドリフ
トレースに参加するのだった。
しょーもない内容の映画だが、
都内でも実際にロケをしてお
り、2006年当時の東京都三田
一丁目の様子が観られるのが
良い。
この辺りは映画『三丁目の夕
日』で出て来た舞台のそばだ。
あれは港区芝だが、すぐ隣り。
慶應義塾の北側の東西の密集
住宅街だ。
今でも戦後から昭和30年代
(1955~1965)のままの住宅
が建ち並ぶ。
今も路地裏に長屋が多い。
麻布十番駅そばでもあり、戸
建てだと狭い坪数でも4億円程
する地価の土地なのだが、今
も長屋や古い家屋が建っている。父が基地にあった古い車をい
じっている民家の家屋にて。
向かいの右の家などは昭和30
年頃の建築物だろう。私が生
まれた時に住んでいた目黒区
青葉台の家がこんな感じだっ
た。(2024年現在の今でも
リフォームされて建物は残っ
ている。先日、現地を母と訪
ねてみた。母は61年ぶりの
訪問だった。そして娘夫婦は
初めて私が生まれた時の場所
を訪れた)
ただ、この映画のロケ場所は
港区三田一丁目であり、今は
建物は存在しない。辺り一帯
は地上げされて大タワマンが
建っている。
しかし、それら周辺はまだ昭
和30年代の『三丁目の夕日』
に出て来たままの住宅街。
大都会の都心一等地のビルの
谷間に今でも多くの小さな民
家が密集して残っているエリ
アだ。
イタリア大使館、オーストラ
リア大使館の周辺。
ただ、予想だが、そうしたこ
の界隈の密集住宅街は今後地
上げされて、やはりタワマン
やインテリジェントビルが建
つのではなかろうか。
本作品ロケ地。東京都港区
三田一丁目9~10。2006年。
2024年現在。
1-9の住居表示は1-7に統合
されたようだ。
港区三田一丁目は東京ドーム
以上の広大な敷地の億ション
三田レジデンスも建設中で、
付近一帯はタワマン建設ラッ
シュだ。この画像左上の密集
住宅街も一帯がビル建設の為
にデベロッパーによりそのう
ち地上げされるように思える。
街で撮影された映画というのは
古い町並みが観られる点が楽し
める。記録映像のように。
本作は2006年時点の東京港区
の一画だが、存分に当時の様
子が映像に収められている。
ただ、日本の高校の実態とし
てはアメリカ人が作った映画
なので出鱈目。アメリカの高
校生たちのようなアメリカン
不良チックな連中ばかりが出
て来るし、日本人役のワル役
も全員外国人だ。暴力団の甥
が相手のワル役。
そして、それらが話す日本語
が明らかにカンペ棒読みのよ
うで日本語になっていない片
言日本語。「カウボーイのつ
もりか」とかも片言。
映画自体の造り込みとしては、
例によってアメリカ人による
アジア人ごっちゃまぜの安直
な作り。映画としてはドB級
だ。
だが、若者たちの走りの青春
グラフティとしては楽しめる。
日本人たちによる「ガイジン」
という外国人差別についても
少しだけえぐっている。その
差別によって苦しんでいる
子どもたちが日本にいる事も。
それらの過去をすべて払拭す
るのがドリフトで走る事だっ
た。走る事はそれらの全てが
消える。
バトル走行シーンではセナ足
も使ったりしている音響演出
もある。
これは多分ドリキン土屋の
テクニカルアドバイスかと
思う。
また、生活の様子として本物
の東京のど真ん中が写されて
いたのは充分オマケとして鑑
賞できる。
日本人の役者も何人か登場し
ている。
主人公ショーンの父の愛人役
として真木よう子が一瞬出て
いる。
ただし、見るからに娼婦感を
出していて台詞の無いシーン
でもなかなかよかった。
本物のドリキン土屋圭市が埠
頭で釣りをしているおっちゃ
んの役で出演している。
違法レースを見ながら、「カ
ウンターあてるのがおせえん
だよな」というセリフまで貰
ってる。
カメオ出演が多いところは結
構楽しめる。しょこたんが出
てたり。若き杉良太郎まで行
燈の透過写真として登場(合成
写真で新選組のコス)。
小ネタとしては、主人公が転
校初日にアフリカ系アメリカ
人の同級生から見せてもらっ
た自慢の車がダサさの象徴と
して大宮ナンバーだったのは
なかなか日本の実態が解って
ると思えた。これは日本人が
演出アドバイスしたのではな
かろうか。走り屋のナンバー
は多摩ナンバーだったりする
のもよく現実を解ってる。
個人的には主人公ショーン役
のルーカス・ブラックの顔や
表情が大昔の私の走りの相方
弁護士の若き日にそっくりで
笑った。
車に乗っていて検問を受ける
と「免許証」と言われる前に
警察官から「パスポート」と
か言われる人だった。
高校生役で19才の時(撮影時
期により18才)の北川景子が
出演しているが、この人は映
像でもかわいかった(笑
最終バトルの場は千葉県の鋸山
登山自動車道でロケ。実写とCG
の合成だ。
渋谷でのカーチェイスシーンは
渋谷の街の背景をロスでの実写
に合成した映像。
だが、このワインディングロー
ドでは実走行で撮影され、それ
が加工されて映像化された。
千葉県は走り所が結構ある。
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
(2006)日本版劇場公開予告編
The Fast and the Furious Tokyo
Drift Japan Trailer