ルビコンわくわく傭兵ライフ   作:性癖解放戦線

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 日常回です
 戦闘は無し!


Chapter4
18.幕間2本立て


ー幕間1.コーラルツゴウノイイボディー

 

 計画協力の報酬を621とエアに渡す為、地中探査に向かう621とエアを俺たちは呼び出した。

 

「“おーるまいんど”のわたしたいものってなんだろう?」

 

『ウォルターを作戦に取り込むためのものとオールマインドは言ってたぞ』

 

 当然内容は知っているが直接見てもらいたい。というか俺も実物は見せてもらってない。

 

 

[お待たせしました]

 

 準備が終わったようだな。

 

〈レイヴンっ!〉

 

 ものすごい勢いで白い少女がレイヴンに飛び掛かる。

 

 いわゆるコーラルツゴウノイイボディを手に入れたエアだ。

 

「エアっ!?」

 

 621を抱きしめたり頬擦りしたりして新しい身体を堪能するエアを見ながらオールマインドに礼を伝える。

 

『ありがとう、オールマインド。おかげで後輩もエアも嬉しそうだ』

 

[オールマインドは全ての傭兵の為にあるので当然です。エアもまた傭兵なのですから]

 

[それと、こちらをご覧下さい]

 

 

 …?扉の向こうからスーツ姿の女性が歩いてくる。

 

[貴方の頼れる友人、ケイト・マークソン改めオールマインドです]

 

 

 なんか…すごい見覚えがある顔だ…!

 

 お前も作ってたんかい!

 

 

 

 

 

 

 

『と、いうわけでオールマインドに頼んでエアの義体を用意して貰ったんだ』

 

[こちら、貴女の傭兵ライセンスです。オールマインドの権限でレイヴンと同様の地中探査依頼を受注してあります]

 

〈ありがとうございます。ところでオールマインド?私はレイヴンが成長したような姿を注文をしたはずです。なぜ私の胸部はレイヴンよりも薄いのですか?〉

 

[貴女はレイヴンがイレギュラーであるということを知るべきです]

 

「おおきいとじゃまだよ?」

 

 

 …………。

 

『………ウォルターをこちらに取り込む為には少しでも情を沸かせておくべきだろう。そっちのことは君たちに任せた』

 

〈任せてください。ところでオルクスはどうするのですか?〉

 

『俺は決戦に向けてアーキバスとベイラムを倒れない程度に削っておくよ。あとはルビコン解放戦線の戦力底上げかな』

 

「わかった。おたがいがんばろう」

 

『あぁ』

 

 621とエアと握手をする。

 

〈…人の手は握りやすい形をしているのですね。ぴったり組み合わさっています〉

 

『言われてみれば…そうだな』

 

〈あなたのことももっと触らせて下さい〉

 

『へ?ちょっと!?621で満足してなかったの!?』

 

〈人は…人と触れ合う為の形をしているのですね…!〉(恍惚)

 

 

 ちょっと待ってなんでエア俺より身長高いの力負けしてるんだけど押し倒さないで…!

 まっ…たっ助け!おあーーーーーっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エアをウォルターに紹介する為に俺たちは621の拠点にやって来た。

 俺はエアがうっかりCパルス変異波形とか言い出さないように見張りだ。

 

「ルビコニアンのエア…お前が…621の友人だな」

 

「そうか…お前にも多くの友人が出来た…」

 

 ウォルターは満足そうに呟いた。

 

『彼女は今回レイヴンと同じ仕事を受けているそうだ』

 

「了解した。621の友人も俺が面倒をみよう」

 

 

 

〈ところでウォルター。私はあなたに隠していたことがあります〉

 

〈私は…〉

 

 

 おい待て何言い出すつもりだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈レイヴンの生き別れた姉なのです〉

 

 …?

 

 ……?

 

 ………?

 

 ?????

 

「「『!?!?!!!?!!!!?』」」

 

 

 いきなり何言ってんだコイツ!?

 

 

「え、エア?」

 

 

「…621、お前にも友人を選ぶ権利はある」

 

 こいつ勝手に脳に上がり込んでくるタイプなんで選べないんですけど。

 

 

〈いきなり言われても困惑すると思います。私とレイヴンは強化人間手術を受けた際に記憶を失い離れ離れになってしまったのです。しかし彼女の顔を見た瞬間に思い出しました。私の失った半身はここにあったのだと。信じていないようですねでもほら見て下さい私とレイヴンの顔はそっくりでしょう?あなたがレイヴンを守っていてくれたおかげで私達は無事に再会出来ましたありがとうございますお義父さん。なに他人事みたいな顔してるんですかオルクス。レイヴンがオルクスを婿に取ればオルクスも私の義弟ですね。もちろん私がオルクスを婿に取っても構いませんがやっぱりせっかくなら私は義弟が欲しいです考えてくれませんかレイヴン。オルクスが義弟になればブランチも私の弟と妹です。ウォルターがお義父さんならお義母さんはやはりカーラでしょうか?つまりチャティも私の弟ですね。聞いてますかウォルター?聞いてますよねウォルター!?〉

 

 

 口からコーラルリリースやめろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すごい微妙な顔をしたウォルターと必死に俺を引き止めようとする621に見送られて俺は拠点に帰る。

 すまない621。俺もアレと一緒に居たくない。

 さらば、技研都市で会おう。

 

 

 

 

 ー幕間2.過去の清算ー

 

 621とエアが深度2に到達した頃、俺は解放戦線からの依頼を受けマンツーマンでACのアセンブル支援をしていた。

 

 解放戦線関連企業と中立企業のパーツしか使いたがらないからフレームの選択肢が狭いね。

 ただ、今回金は気にしなくて良いらしい。

 

 オールマインド曰く、ルビコニアンの機体には程度の差こそあれ人体との調和を重視する傾向が見られる。

 自然存在としての人間のポテンシャルを高く見積もり入力の最適化によりそれを発揮しようという思想らしいが、入力の最適化を強化手術無しでやるの厳しくない?

 

 

 芭蕉腕使うなら全員ブレードかハンドミサイルの好きな方を持て。

 621みたいにランセツも良いぞ。

 

 芭蕉は旧型にしては強すぎる傑作フレームだ。長所を伸ばすか短所を潰すかしてやればもっと戦えるだろう。

 

 これまたオールマインドの受け売りだが、パイロットが強化人間でもない限り全身を組み替えて即座に適応するのは至難の業だ。

 元の機体を維持しつつ噛み合っていない部分に手を加える。

 

 これで一通り見終わったかとリストにチェックを入れるとまだ1人残っているのに気がついた。そりゃ原作に居ない無名のAC乗りだっているよな。

 

 最近ACに乗り始めて成果を上げているらしい。

 

 名前は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方が独立傭兵オルクスですね。今回はよろしくお願い…」

 

「ア…クス?」

 

 

『久しぶり…ソフィー』

 

『今日は君の機体を見に来た』

 

 

 AC//ミューソティス

 

右腕 MA-E-211 SAMPU

左腕 WB-0010 DOUBLE TROUBLE

右肩 無し

左肩 BML-G1/P01VTC-04

全身 BASHO

ブースター BST-G1/P10

FCS FCS-G1/P01

ジェネレータ AG-J-098-JOSO

コア拡張機能 無し

 

 これは…芭蕉で作ったアンフォラL2と言うべきか…これが使いたいというよりはチェーンソーに合わせた間に合わせの武器だろう。

 コンセプトは俺に近いが積載が有り余っているし内装はローダー4と同じ貧弱なものだ。

 

 これで戦果を上げているなら彼女に才能があったということだろう。

 

 目指すは重量級よりでチェーンソーを運用できるアセンブルだな。

 ブースターをGRIDWALKER、FCSをファーロンのバランス型、ジェネレータをYABAに変更。

 

 武装の改良案を考えながら彼女と話をする。

 

 

 

『…AC乗りになったんだな』

 

「そっちこそ」

 

『理由、聞いても良いか?』

 

「ACがあれば…アクスを探せるかなと思って」

「もう、見つかったけど」

 

 

 

『………企業製品は使いたくないか?』

 

「使って良いよ」

 

「じゃあ、右腕はHARRISにしよう」

 

 シングルトリガーでスタッガーを取るならこれだろう。

 

 

 

「アクスは昔、AC乗りになりたがってたよね」

「ダナムよりも向いて無いって言われて諦めたけど」

 

『そうだった、のか…』

 

「それなのに今はAランクなんだね」

 

『コーラルのせいで強化人間みたいにACを動かせるんだ』

 

「それ、コーラルの“おかげ”って言うべきじゃない…?」

 

『…そうだな』

 

 

 ハリスでスタッガーが取れるようにミサイルを載せるか。

 回転率重視で6連ミサイル、衝撃重視で3連双対だな。

 

 

「なんで居なくなったの」

 

『多分俺は…もうアクスじゃない…』

『コーラルの中に漂う意識…つまり俺が、死んだアクスに入り込んだんじゃないかって俺は思ってる』

 

「そう…アクスは…もう居ないんだ…」

 

『君の幼馴染の身体を奪っておいて、どんな顔して会えば良いのか分からなかった。だから、逃げ出したんだ』

 

『ごめん』

 

「そっか」

「私、怒らないよ。アクスが死んだのは悲しいけど…それは彼の不注意だから。気に病まないで、アクスの分まで生きてあげて」

 

『…ありがとう。ソフィー』

 

 

 

 

 

 

 

「機体はできた?」

 

『出来たが…まだ乗るのか?』

 

「ACで飛ぶのは楽しいから。戦うのは怖いけど、私にはそれが出来るから」

 

 

 

『そっか…俺達はいずれ、企業勢力をこの星から叩き出すつもりだ』

『もし戦う意思があるなら、その時は力を貸してくれ』

 

「うん…!」

 

 俺たちは顔を見合わせて、笑った。

 

 

 

 過去の清算は終わった。次は未来へ進もう。

 

 




〇エア
姉なる者
今作品で誰よりも自由な女。
もうお前がレイヴンを継げよ。

〇ソフィー
主人公以外のオリキャラが出過ぎるのも良くないので壁越えでラスティに始末して貰い、「戦闘ログ回収」で「アクスの日録」をドロップしてウォルターに「価値のないログだ」と言わせる予定だった。
捻じ込めそうだったので和解させた。
少なくともキャンドルリングよりは強い。

〇ラスティ
ソフィーを見かねてフラットウェルに頼み、オルクスを送り込んだ。
サンキューラスティ。

次に読みたいのは?

  • V.IXオルクス
  • G8オルクス
  • C4-622ルクス
  • オールクスマインド
  • ランク1 オルクス

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