広告主の住所に直撃取材すると…

こうした間にも、次々とネット上に現れるニセ広告。
その広告主は一体誰なのか…

喜入キャスター:
「Googleには、広告の広告主を調べる機能があります。例えば、森永卓郎さんになりすまして投資を勧めるこちらの広告では、広告主の欄に、英語で会社名が書かれています。そして会社の立地は、香港とあります。別の広告の広告主は、アメリカになっています」

さまざまな国や地域から、日本の有名人を使い、投資を勧めようとするニセ広告。
中には、韓国語やタイ語で、投資を勧めるものも…

news23が、広告主15社を調べると、香港が12社と、最も多いことがわかりました。

そこで、直接取材するため、私たちは香港に向かいました。

登記情報をもとに住所を調べると、2つの広告主と、3つの広告主が同じ住所であることがわかりました。

松井智史 記者(北京支局)
「池上彰さんの写真を、勝手に使った広告を出していた会社の住所にあるビルです。かなり大きなビルで、この中に、広告主のA社が入っているようです」

香港の中心街にある高層ビル。その中に、広告主のA社が入っているということで担当者を訪ねると…

松井記者
「Aという会社が、同じフロアにあるはずなんですが?」

A社の担当者
「私たちは、A社に、秘書サービスを提供しています。A社は、この住所を登記上の登録住所として利用しているのだと思います。登録住所はここですが、営業している場所はここではありません」

広告主となっているA社の、“登記上の住所登録”と、“秘書の代行”をしているだけで、「情報は何も教えられない」と話す担当者。

他の広告主の会社の住所を訪ねても…

B社の担当者
「ここは、B社の登録オフィスです。会社の登録をしているだけの“秘書の会社”です」

“秘書の会社”とはどういうことなのか…

ネット広告に詳しい専門家は、中国企業が、香港の秘書会社を利用している可能性が高いと話します。

クロスワーク株式会社 笠井北斗 氏
「日本で言う、いわゆるバーチャルオフィスに似ていると思います。中国では、事実上Googleの利用が禁止されていますので、香港に作ったバーチャルオフィスを経由して、秘書会社を、バリアのような壁になってもらう、あくまで仲介をしているだけみたいな形で窓口対応をしてもらう、という役割で使っているものと私は考えています」