ビジネス

2018.06.02

発達障害の子どもを支える「株式会社」の挑戦

発達障害サポータースクール

大阪市・大阪メトロ南森町駅から徒歩で3分。銀行や飲食店などが並ぶ商店街の賑わいを抜けた一角に、いま注目を集める学習塾がある。
 
発達障害や不登校、引きこもりの子どもたちを専門に預かり個別で指導する「あすはな先生」の教室だ。子どもたちを指導するのは、臨床心理士の資格を持つ専門家を中心に、大学や大学院などで心理学、福祉学、教育学などを学ぶ学生たち。

子どもたち一人一人に対して事前に臨床心理士がヒアリングを行い、発達上の特性や、障害、認知の特性を把握した上で個別の学習プログラムを組んでいくのが強みだ。
 
注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)など発達障害と診断され公的支援の対象になる子どもたちだけではなく、グレーゾーンと呼ばれる「やや不器用な子」や「集団生活が困難な子」など、公的支援の枠組みからこぼれ落ちてしまう子どもたちも入塾が可能で、我が子の生育に不安を抱える親たちの「駆け込み寺」的な存在として注目を集めるようになった。これまでに小・中学生を中心に約560人の子どもたちがここで学んだ。

塾を運営するのはクリップオン・リレーションズ。「あすに花咲くたねを育てる」をモットーに、大学で臨床心理学を学んだ上木誠吾さん(40)が12年前に起業した株式会社だ。仲間の臨床心理士たちとビルの一室で始めた学習塾も、今では大阪、兵庫の3教室に加え、東京での家庭教師サービスの提供や臨床心理士による相談室も開所し規模は拡大している。

膨らむニーズに対応するためには人材育成も欠かせないと、一昨年には「発達障害サポーター’sスクール」を開講。臨床心理士が一般の受講生に対して、発達障害などに関する基礎知識から専門的なノウハウまでを教育する仕組みを大阪や東京でスタートさせた。そこでは、「発達障害学習支援サポーター」という民間の資格を取得できる制度も整えている。

保育園で働く保育士から発達障害の子を持つ親まで様々なバックグラウンドを持つ人々が、知識と資格を求めこの講座に参加している。中には、沖縄の離島からわざわざ受講にきたという小学校の教諭もいた。有料の講座は毎回ほぼ満席で、これまでにのべ3000人以上が受講している。


「発達障害サポーター’sスクール」の講座は毎回満席だ

的確に捉えた潜在的ニーズ

上木さんが「あすはな先生」を立ち上げたのには2つ理由がある。1つ目は「グレーゾーン」の子どもたちへのサポートが不足していることに気がついたからだ。

そもそも、発達障害とは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と法律で規定されている。

政府の資料によると、特別支援学級在籍者数は、平成16年の9万851人から、平成26年には18万7100人へと増加。通級による指導を受けている児童生徒数も、平成16年の3万5757人から、平成26年の8万3750人へと増加傾向にあるというデータがある。いずれも、発達障害を持つ子どものニーズが増えているからだとされている。
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文=堀潤

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2024.03.28

コミュニケーションにおけるファッションロー。ビームス土井地 博が考える“法律と面白い未来”

▶︎「WHAT IS FASHION LAW?」

セレクトショップの草分けとして知られる「ビームス」。その顔役である執行役員 シニアクリエイティブディレクターの土井地 博さんは、長年PRに携わってきたコミュニケーションのプロフェッショナルだ。


ファッション業界の中心でキャリアを重ねた土井地さんにとって、ブランド側が求める情報発信も、それを上手に伝える手段や方法も、どちらも熟知するところ。

そこで今回は、経済産業省が発行する『ファッションローガイドブック2023』からコミュニケーションに関する「ファッションロー(ファッションビジネスに関連する法律)」をピックアップし、土井地さんがそれらとどう付き合ってきたかを尋ねた。

特設サイトからガイドブックをダウンロード!


後出し厳禁。二次使用は“最初に”合意を得る

土井地 博さんの拠点であるビームスの本社オフィスで取材を実施。聞き手はOCEANS統括編集長の原 亮太、解説は『ファッションローガイドブック2023』の編纂にも参加した海老澤美幸弁護士。

土井地 博さんの拠点であるビームスの本社オフィスで取材を実施。聞き手はOCEANS統括編集長の原 亮太、解説は『ファッションローガイドブック2023』の編纂にも参加した海老澤美幸弁護士。


まずは、広報や販促業務で外部クリエイターなどに仕事を依頼する際に気をつけること、というテーマで会話をスタート。

原:
ビームスだと、まさに土井地さんがそういったことをいちばん長くやられていたんじゃないですか?

土井地:
そうですね。23歳の時にPR担当を任せられて、15年以上そういう仕事に就いてました。当時のファッションメディアといえば雑誌がメインだったので、スタイリストやカメラマン、編集者と話をしながらクリエイティブを形作ることが主でしたが、インターネットの普及によって、成果物の二次使用についても意識するようになりましたね。

海老澤:
ファッションローの観点だと、クリエイターたちと仕事をするときには、口頭で内容を伝えるだけでなく、きちんと契約内容を書面で交わすことがトラブル回避のために重要です。

二次使用もポイントのひとつで、カタログ用に撮影した写真データを、別のECサイトやSNSなど色々なかたちで使ったりする場合、その点についてもきちんと許諾を取っておくことが欠かせません。

土井地:
その辺はチームでも必ず会話として出すようにしてますね。



海老澤:
そういったものが、スタッフの方との日々の会話で出てくるというのは素晴らしい環境ですね。

原:
プレーヤーだった時と管理者になった今とで、変わった部分はありますか?

土井地:
気を許している仲間との仕事では「なんでもいいですよ」と言ってもらっていたものが、ネットの普及もあって、10年後、20年後にもきちんと残る仕事をしようという意識に変わっていきました。

原:
『ファッションローガイドブック2023』を見ていただく方たちは、まさに10年後、20年後にも残る前提で、ブランドを起こしたり、クリエイティブを発揮することを志すはずなので、同じように意識を高く持っていられるかということが大事ですね。


▶︎外部クリエイターへの依頼の詳しい内容を動画でチェック!

特設サイトからガイドブックをダウンロード!

SNSに潜む罠。「リポスト」は著作権侵害になり得る


3人の会話は、SNSでのコミュニケーションを中心とした内容に。

原:
コミュニケーションというと、SNSやデジタルプラットフォームが欠かせないと思いますが、この辺りで注意すべきことはなんでしょうか?

海老澤:
たくさんありますが、まずは写真の使用ですよね。気になったCDのジャケットや雑誌の写真をSNSに投稿することは、著作権侵害になる可能性があります。

そのほか、例えば、インスタグラムのリポストにも注意が必要ですね。外部アプリの仕様にもよりますが、元の投稿をスクリーンショットするかたちでリポストすることは著作権侵害になる可能性がある行為なんです。



土井地:
なるほど、学びが多いですね。一般的に社会に出てきてからこういったことを学ぶきっかけはあまりないので、このガイドブックを見ながら、仲間内でそんな会話をするのもいいかもしれないですね。

原:
SNSをビジネスにしている方もいらっしゃいますが、最近、その辺りの法規制がアップデートしたとか。

海老澤:
ステルスマーケティング規制というのが2023年の10月からスタートしています。商品開発やプロモーションなどを担当する従業員が自社の商品の投稿をする場合や、会社から依頼を受けたインフルエンサーが商品の投稿をする場合は、きちんと会社のPRであることを伝えなければいけないということが大きな柱になります。

原:
「#PR」をつけて投稿すればそれはクリアできるんですよね?

海老澤:
「●●社からご提供いただきました」といった文章でも大丈夫ですよ。
 

▶︎SNSコミュニケーションの詳しい内容を動画でチェック!

特設サイトからガイドブックをダウンロード!


ボーダーレスな社会で行うコミュニケーションとは?


最後の話題は、日本という枠から飛び出したコミュニケーションのこと。

原:
日本を飛び出すというと、海外や最近ではデジタル領域など色々な形がありますが、まず海老澤先生から注意点を教えていただけますか。

海老澤:
まず海外とコミュニケーションをする場合には、契約へのスタンスが違うので注意が必要ですね。また、適用される法律の内容や税制なども各国で違う可能性があるので、気をつけておきたいポイントですね。

土井地:
ビームスが初めて海外出店をしたのが20年くらい前になりますが、今では多くの国に出店していて、海外への意識が高まりました。

法律だけじゃなく文化が違うので、相手のことを重んじて理解することが大前提だと考えています。お店のオープン時間が風水によって決められたりすることもあるんですよ。



海老澤:
土井地さんがおっしゃった通り、そもそも文化が違うので、日本では良かれと思った広告表現が実は海外ではNGだったということもありますよね。

土井地:
国によって法律や考え方が違うというのはありながらも、世界がつながっているじゃないですか。ひとつの船みたいな話なので、いろんな乗員がいたりすることを踏まえると、お互いに相手のことを理解することが大前提で、会話を高めたりすることが、もっと必要な時代になってきましたよね。

原:
ここまでは実態のあるもののボーダーを超えていく話でしたが、ビームスではメタバースでの取り組みなどは行われていますか?

土井地:
メタバース空間の中で店舗を出したり、イベントをやったりすることも増えています。ひとつの“国”というように考えてみると、いろんな意味で我々が想像し得ないコミュニケーションが広がると思うので、面白いことを消費者の方に伝えていきたいと思います。


▶︎ボーダーレスな社会の詳しい内容を動画でチェック!

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『ファッションローガイドブック2023』

ファッション分野の案件を取り扱う弁護士・弁理士が中心となって、経済産業省によって発行された『ファッションローガイドブック2023』。

ファッションビジネスを展開するにあたり、いつどのようなタイミングで、自分が被害者、あるいは加害者になるかもしれない。

そうならないためにも、『ファッションローガイドブック2023』を常に携え、迷った時にはページを開いてみてほしい。

そこにはきっと、あなたの悩みを解決する術が記されているはずだ。

[問い合わせ]
経済産業省 商務・サービスグループ
ファッション政策室 ファッション政策担当
bzl-fashion_policy@meti.go.jp


※本記事はライフスタイルメディアOCEANS(オーシャンズ)からの転載記事です。

Promoted by 経済産業省 | text by Yuji Kuramochi | photographs by Yuichi Sugita | edited by Yuji Kuramochi

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