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一緒に埋めて行こうねって

 

「渡したいものがあるから、良いかな?」

 

その時の表情も口ぶりも何もかも覚えてる。

 

いつもとは違う緊張感を覚えながら、

狭い階段を抜けて、ふたりで屋上に出た。

心地よい夜風、壁面にはカラフルなアート。

まだ羽織るものがあっ方が良かったかな、

なんて思いながら、彼の言葉を待った。

 

「お土産の代わりに、これ」

渡されたのは、フォトブックだった。

中には花の写真、おそらくフィルムだ。

 

その花の咲く季節に思い出す。

2枚目以降、がらんとあいたページ。

 

一緒に埋めていこうね、って、

言われなかったし、言えなかった。

 

互いのやさしさだったと片付けるのは、

単純すぎる気もしてまだ整理はつかない。

JUGEMテーマ:自分のこと

at 21:57, philo, つぶやき

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