こんにちは。
古生物部屋のSayakaです。
今回の記事は茨城県立自然博物館。
感想が泉のように湧き出る博物館だったので、まとめ切れるかわかりませんが、記録として残しておきます。
普段と違う博物館めぐり
訪問したのは2024年3月26日。
この日は珍しく母も一緒でした。
道中ではどんな順番でまわるか考えていたものの、結局は館内でそれぞれ別行動に。
結果的にはそれがとても良いまわり方でした😊
茨城県立自然博物館の展示・感動ポイント
ここからは個人戦?というか、いつものように観たいように観ます。
松花江マンモス
これはすごい。
SNSなどの写真で見るのとは迫力が段違い。
標本を直に観る大切さに気づかせてくれる展示です。
入り口から「これでもか!!」というほどに惹きつけられました。
一つ目の展示なのに30分以上も眺めてしまいました。
松花江マンモスは史上最大級のマンモスとあって骨格からしてもがっしりとしているのがわかります。
ヌオエロサウルス
松花江マンモスの次は、またしても巨大な骨格。
ヌオエロサウルスです。
2階から観るとヌオエロサウルスの頸椎から頭骨にかけては見上げる感じ。目線少し下げると脊椎骨が良く見えます。
絶妙な距離が素晴らしい✨
ちなみに1階からはメタセコイアとともに大きさを実感できます。
こんなのが目の前を通り過ぎていったらもう、ジュラシックパークですよ😆
三葉虫展示
第2展示室の三葉虫が良いですね。
腹側が観られる実物化石は私が訪問したことのある博物館では展示がなかったように思います。
感動した標本のひとつがアサフスなのですが、ピンと伸びた眼があるお馴染みの展示の隣に腹側の展示がされているので一度で二度美味しい状態です😊
他にはブルメイステリアの実物化石も。
アサフスと離れたところに展示されていたので見逃しそうにもなりましたが、その見た目のインパクトがあまりにも荒々しく流石は大型の三葉虫。
たくさんの棘を背側に備えた姿は、防御力も高そう。
棘の硬度はどのくらいなんだろう?と想像したりします。
ただ、個人的には三葉虫はかなり面白いと思っていますが、この展示通路は「気持ち悪い」という悲観的な声が聞こえてくるのがちょっとショック。
古生代の生物は一般的には受けが悪いのかな…?
恐竜展示
トリケラトプスの頭骨
ジャケットが残されているトリケラトプスの頭骨がありました。
頭骨の下にはビニールや包帯類などがあって、その外側には厚めの石膏の層が見えますね。
ジャケットを作る工程や発掘の様子に思いを馳せることができます。
ランベオサウルス
ランベオサウルスの全身骨格があるのですね!
これもなかなか観る機会がないので嬉しいです😊
豊橋ではハドロサウルス類の系統展示があり、ランベオサウルスはその中で頭骨が展示されていました。
全身骨格として観察できるのはプロポーションが想像しやすくなるのが良いところ。
ブラック・ビューティ
実物を観たことはありませんが、デスポーズのイメージが強いです。
それなのでこれを見た瞬間は「ブラック・ビューティなん!?」と思いました。
すごくびっくり!
日本で観られるのが驚きでした✨
デスポーズじゃないと気付けないとは…
先入観って結構あるんだなぁ。
ティランノサウルスvsトリケラトプス
唸り声をあげる動刻模型。
ティランノサウルスは羽毛ありの復元になっているのですね。
動きが細かくて、子供のほうを振り返るのもこだわりが見えます。
(手前にはトリケラトプスがいますが、ティランノサウルスに寄り過ぎたので写ってません。)
デイノニクスの復元模型
羽毛なし、羽毛ありの2つの復元が並びます。
途中で一瞬だけ合流した母は復元の変遷に驚きながらも興味津々で観てました。
デイノニクスも羽毛があるとふっくらしていてかわいい。
興味の入り口としてもこの展示、良いのかも。
シーラカンスの謎
『自然のしくみ』の一画にあった、シーラカンスの展示。
ここにあったものに衝撃を受けました。
シーラカンスの卵です。
初めて見ました。
思わず二度見です。
日本のシーラカンス学術調査隊が捕獲したシーラカンスから摘出されたものらしいです。
梅干しみたいな形をしているんですね。
「へ〜!!」「ほ〜!!」
ずっとそんな感じでした笑
トピックスコーナー
化石などの展示物の他にはトピックスコーナーにあった「友好関係にある博物館」が目に留まりました。
ここに食いつく人がどのくらい居るのかわかりませんが、博物館そのもののことが知れるような展示も見ていて面白かったです。
海外の博物館との繋がりが多いんだなぁ。
『自然のしくみ』(ジオラマ展示)
以前、群馬県立自然史博物館で興味深いことを聞きました。
「群馬県立自然史博物館の展示には茨城県立自然博物館を参考に作られたものがある。」
それがいったいどの展示なのか、確認するのも茨城に来た目的のひとつでした。
ジオラマ展示がまさにそれ。
群馬のBコーナーのブナ林の面影がありました。
キャプションの雰囲気もかなり近いものがあり、群馬にいるような落ち着ける空間でした😊
『ディスカバリープレイス』(引き出し展示)
『ディスカバリープレイス』も群馬県立自然史博物館と似たものがありました。
引き出しの中に標本が収納されているのは群馬でいうところのCコーナー、ダーウィンの部屋ですね。
来館者の興味で自由に観られるのは茨城のここから着想を得ているんですかね。
(引き出しの存在に気づかずに素通りしてしまう人が居るのもちょっと似てたり…😅)
観られる展示は観るのが吉ですね✨
レストラン
ずっと展示を観ていたい気持ちがありましたが、遅めのお昼をいただくことにします。
恐竜カレーです。
美味しいカレーでしたが、おもちゃがついてきたのが気になる。
もしや、子供向けメニューだった?💦
企画展『恐竜VS哺乳類』も観ずにここまできてしまって、時間もピンチです。
この後すぐに企画展示室に向かいました。
第89回企画展『恐竜vs哺乳類』
いよいよ企画展です。
イラストがとにかくかわいい。
ツク之助さんのイラストが拝めるから茨城まで行ったと言ってもあながち間違いではないと思う。
それでもやっぱり標本の展示にも十二分に力が入ってます。
タールピット岩塊
最初にこれを挙げると「そこ!?」となるかもしれませんが、タールピット岩塊が個人的には興味深いと感じた展示のひとつでした。
タールで足をとられた生き物の化石が堆積し、多産することをつい最近知ったので、タイムリーだったのです。
岩塊には骨らしきものが多く見えています。
大型動物が抜け出せないタールの池…
深さ、粘性はいかほどなのでしょうか。
もがく動物の姿を想像するとその一帯は恐ろしい場所でもあったんだろうなと思います。
フィセテルラの頭骨
鯨類なのですね。
初めて名前を聞きました。
歯の生え方がすごいです。
ブラマテリウムの頭骨
これは…!
キリンの研究をされている郡司芽久先生の講演会で登場したブラマテリウムです。
(講演会は2023年11月、群馬県立自然史博物館で謹聴しました。)
ここで化石が観られるとは。
コリトサウルス
ほ〜。
常設展示にはランベオサウルスがいて、企画展ではコリトサウルスですか。
ランベオサウルス亜科を一度に楽しめるつくりになっていました😊
これは常設展示と企画展を行き来したくなります。
実際、行き来しました。
そして、コリトサウルスの尾椎に筋状の組織があるのをここで知りました。
グッズ
図録はどこの博物館・企画展でもマストアイテム。マグネットも購入しました。
かわいすぎる🥰
そんなこんなで閉館間際。
最後はヌオエロサウルスと松花江マンモスを再び見上げて博物館をあとにしました。
全体を通して
茨城県立自然博物館。
また一つすごい博物館に出会えました。
『地球の生いたち』だけでも充足感が満ち満ちています。
そこに今回は企画展が『恐竜vs哺乳類』ということで、化石が目一杯堪能できました。
観られなかった展示室もありますが、残念という思いよりも観たいものに対して存分に時間を割くことができたのが大きい。
次に行くときは晴れているときに筑波山を見ながら行けたらなぁと思います。
帰路にて
母と合流し博物館をあとにすると意外なことがありました。
母の感想が止まらなかったのです。
博物館で展示物の文章をじっくり読んだのが初めてだったようで、「生命の誕生・進化、多種多様な生き物や化石に触れていろいろなことを知った。」と言っていました。
そして、感動しっぱなしだったらしく、他の博物館に行ってみたくなったとも。
とても嬉しい言葉です😊
普段は博物館に興味を示さない母をここまで変えるとは思ってもいませんでした。
まとめ
博物館めぐりを趣味とする私個人の感想としても茨城県立自然博物館は素晴らしい場所でした。
さらに、今回はそれだけではなくて母のような人にとってもかなり刺激のある体験ができる博物館だということをその様子からも実感しました。
朝から夜まで過密スケジュールではありましたが、良い一日になりました😊
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