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2024年3月13日(水)の放送内容

フィリピン大統領 民主化記念日を中止

MANILA RALLY PROTESTS SCRAPPING OF PEOPLE POWER HOLIDAY

2024年2月25日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

Sunday marks the 38th anniversary of the People Power movement that ousted President Ferdinand Marcos.再生解説
日曜日は38回目の記念日です、「ピープルパワー」運動の、フェルディナンド・マルコス大統領を失脚させた。
解説
現職のマルコス大統領の父である故フェルディナンド・マルコス元大統領は1965年に大統領に当選、全国で道路や発電所など大規模なインフラ整備を進め、経済発展を主導しました。一方で1972年には、共産主義を抑え込むためとして戒厳令を出して独裁体制を敷き、多くの無実の市民が逮捕されて警察や軍による拷問などで命を落としました。さらに大統領とその取り巻きに権力が集中した結果、汚職がまん延するなどしました。
このSunday「日曜日」は2月25日です。1986年の2月25日、故マルコス大統領は、街頭に繰り出した大勢の国民の抗議によって失脚し、政権が崩壊しました。フィリピンでは、この日は「ピープルパワー」と呼ばれる民主化運動の記念日として、これまで毎年、国の祝日とされていました。
mark the Xth anniversary of ...は「~のX周年を記念する、(ある日付などが)~のX回目の記念日である、~のX周年にあたる」という言い回しです。
oustは「(人を地位などから)追い出す、失脚させる」です。
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But protesters in Manila are accusing the Philippine government of trying to cover up the history of the dictatorship.再生解説
しかしマニラで抗議活動を行っている人々は非難しています、フィリピン政府を、その独裁体制の歴史を隠蔽しようとしていると。
解説
Manila「マニラ」はフィリピンの首都です。
accuse A of ...ingは「Aが~していると非難する、訴える」です。ここでは、フィリピン政府がかつての独裁体制(dictatorship)の歴史を隠蔽しようとしているとして人々が抗議、非難をしていると述べています。
形容詞Philippineは「フィリピン(諸島)の」です。一方でFilipinoは形容詞としては「フィリピン人の」を意味し、名詞としては「フィリピン人」(女性の場合はFilipinaとも)や「フィリピノ語(あるいはタガログ語)」を意味します。
cover upは「(不正や都合の悪いことなどを)包み隠す、もみ消す、隠蔽する」という意味で、名詞でもcover-up「隠蔽、もみ消し、ごまかし」としてよく使われる言葉です。
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February 25 had been a national holiday, but the current president, Ferdinand Marcos Jr., dropped the holiday this year in a presidential proclamation.再生解説
2月25日は(それまで)国民の祝日とされてきました、しかし現在の大統領であるフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏はとりやめました、その祝日を今年は、大統領令で。
解説
Ferdinand Marcos Jr.は、故マルコス元大統領の長男で、2022年にフィリピン大統領となったフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領のことです。
ここでのdropは「(事や行為を)やめる、中断する」という意味で、他にも「(訴訟などを)取り下げる、(話題などを)やめにする、(企画などを)ボツにする」などの意味で用いられます。例えば、The charges against him were dropped.「彼に対する容疑は取り下げられた」や、Can we drop the subject?「この話題はもうやめにしませんか?」のように使えます。
presidential proclamationは「大統領による宣言、布告、大統領令」です。
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Civic groups held a rally in Manila on Sunday. They criticized the decision to scrap the holiday, calling it an attempt to revise history.再生解説
市民団体は集会を開きました、マニラで日曜日に。彼ら(参加者)は非難しました、その祝日を中止する決定を、それを歴史を書き換えようとする試みだと呼んで。
解説
rallyは「(大規模)集会、(決起・抗議)集会」です。ここでは「ピープルパワー」を祝日とはしないと決めたことに対する抗議集会(protest rally)を指していますが、誰かを支持する人々の集まりなどにも使われる言葉です。
ここでのscrapは動詞で「(計画などを)中止する、断念する」という意味です。前のセンテンスのdropの言いかえとなっています。
reviseは「修正する、変更する、改訂する」ですが、revise historyは「(自らに都合の悪い)歴史を修正する、書き換える」といったニュアンスで使われます。revisionismやrevisionistなら、既存の価値観や体制などを修正・変更しようとする「修正主義、修正主義者」などと訳されます。
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(18-year-old high school student)
“It's sad because the government are trying to revision or ... to destroy our history.”再生解説
「悲しいです、なぜなら政府がやろうとしているのは、修正…または破壊する行為です、私たちの歴史を。」
解説
集会に参加した18歳の高校生の言葉です。
ここでのrevisionは前のセンテンスのreviseの名詞形です。文法的には ... trying to reviseと動詞形にすべきですが、インタビューの話し言葉であり、意味は十分に通じます。このrevise (revision)とdestroyは、どちらもour historyにかかっています。
この文ではthe government are ...となっています。単数を受けているので、the government isとなるところですが、イギリス英語ではgovernmentを単数形のisではなく複数形のareで受けることもあります。
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Organizers showed videos of the pro-democracy movement, and people mourned the victims of the dictatorship.再生解説
(集会の)主催者は上映しました、民主化運動の映像を、そして人々は追悼しました、独裁体制の犠牲者を。
解説
ここでのorganizersは、rallyの「主催者」を指しています。
動詞のshowは「見せる」ですが、ここでは「(映像などを)上映、放映する、流す」というニュアンスで使われています。
the pro-democracy movementは「民主化運動」で、ニュースの冒頭に出てきたPeople Power movementのことを指しています。
集会の会場では、当時の映像が紹介されたほか、参加者が独裁政権時代に犠牲となった人たちを追悼するなどして、民主化運動の意義を強調していました。
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(フィリピンでは)日曜日(2月25日)はフェルディナンド・マルコス大統領を追放した「ピープルパワー」運動から38年目の記念日ですが、(首都)マニラでは、政府が独裁体制の歴史を隠蔽しようとしていると抗議する声が上がっています。
(フィリピンでは)これまで2月25日は国民の祝日でした。ところが、現在のフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は今年、この祝日を取りやめるという大統領令を出しました。これに対して市民団体は日曜日(2月25日)、マニラで集会を開き、その祝日を取りやめる決定は歴史を書き換えようとする試みだと非難しました。
集会に参加した18歳の高校性は「政府が私たちの歴史を修正…あるいは壊そうとしているようで悲しいです」と話していました。
集会の主催者らは(当時の)民主化運動の映像を上映し、参加者は独裁体制の犠牲となった人たちを追悼しました。
講師 米山明日香の写真
Listening Point
★質問コーナー

リスナーの方からご質問をいただきました。「実際の場面での単語の選び方が難しい。カジュアルな場面での単語のチョイスや構文の使い方、翻ってフォーマルな場面での使い分けが難しいです。どうしたら良いですか?」

まず、話し言葉に限ると、使う言葉を意識して場面で大きく変える必要はないように思います。というのも、使い分けを意識しすぎると言葉が出てこなくなる可能性が高いからです。
また、これはどの言語でも共通することだと思いますが、外国語を話す人がカジュアルな場面で丁寧な言葉で話していても、悪い印象を持たれないものです。むしろ、私は好意的な印象を持ちます。

また、間違っていても堂々と話す姿勢が重要です。
今回のニュースの中でも、フィリピンの高校生が英語を話しています。確かに文法的な間違いはありますが、堂々と話している姿勢はとても高く評価できます。
“It's sad because the government are trying to revision or ... to destroy our history.”

このように、どのような場面であっても、シンプルな構文を使って分かりやすく伝える工夫が大切で、それがスピーキング上達の第一歩でもあります。

とはいえ、国際会議のようなフォーマルな場面では、挨拶などで使用するフレーズや言葉はある程度決まっているので、そうしたものは、あらかじめセットフレーズとして押さえておくことも大切です。

例えば、「多くの方にこの会合に足をお運びいただき、非常にうれしく存じます」のように言う場面では、私はこのような表現を使います。
I am extremely delighted with the outstanding attendance at this meeting.

I am delighted with ...という表現のほかにも、I am privileged to express ...や、I am gratified with ...のような表現も使えます。

また、来賓の方を会議などで紹介するときには、I would like to extend an immense welcome to. ..といった表現が使えます。例えば、I would like to extend an immense welcome to the delegation from Australia.なら「オーストラリアの代表者を心より歓迎申し上げます」です。

フォーマルな場面で使う言葉は、セットフレーズとして、いくつか覚えておくとよいでしょう。一方、カジュアルな場面では、まずは使い分けを気にしすぎずに言葉を発してみましょう。
重要なのは、「伝えたいという意思」と、相手の言葉を「聞こうとする姿勢」です。
Today’s Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ知識を取り上げます!

★anniversaryは「記念日」だけでない?

英語学習者の中には、anniversaryは「記念日」だと思っている方も多いと思います。
例えば、「結婚3年目のお祝い」はthird wedding anniversaryと言えますが、今回のニュースのように、the 38th anniversary of the People Power movement「民主化運動の38回目の記念日」のようにも使います。
anniversaryはまた、「もうすぐ祖父の1周忌です」という場合にも使う単語です。英語で「祖父の1周忌」は、the first anniversary of my grandfather's deathと言います。

なぜこのような幅広い意味で使われるのかというと、もともとanniversaryはラテン語で、anni「毎年」vers「回る」ary「関係するもの」、つまり「毎年回ってくるもの、毎年訪れるもの」だからです。
毎年訪れることならば、それが明るい話題でもそうでない場合でも「記念すべき、思い出すべき行事」というわけです。

このように、英語と日本語では、ニュアンスが異なる単語があります。こまめに辞書を引き、確認しましょう。新しい発見があるかもしれませんよ。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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