「148年間ありがとう!」 世代を超えて地域と共に歩んだ山間部の小学校 安芸高田市立川根小学校に別れ… 広島
安芸高田市に、3月末で148年の歴史に幕を下ろす小学校があります。地域と共に歩んできた山間部の学校、最後の日々を見つめました。
■川根小学校卒業生
「川根で育ったことに誇りを持って、頑張っていきたいと思います。」
安芸高田市の川根小学校で、3月24日に閉校の行事が行われ、児童や地域住民、卒業生などが一堂に集まりました。
■卒業生は…
「すごい寂しいですけれども、これからも川根にいっぱい遊びに帰ろうと思います。」
開校したのは1876年、明治9年です。以来、およそ3200人が巣立っていきました。ピーク時には300人近くいた児童も今は9人。過疎と高齢化により、3月末で148年の歴史に幕を下ろすことになりました。
60年前に卒業した佐藤貴代子さん。子どもと、2人の孫も川根小学校に通いました。
■卒業生 佐藤貴代子さん
「子どもの声がねぇ…見られないし、寂しいですよね。」
同じ小学校に通ったことは、2人の孫には初耳だったようです。
■孫・佐藤蒼乙くん
「まさかばあちゃんがここ(川根小学校に)おったのが、僕わからなかった。(今聞いて)びっくりした。」
川根小学校は4月、隣の小学校と統合されます。
■卒業生 佐藤貴代子さん
「人数が多い所で育ってくれた方がもまれる。いろんな経験をしてくれたら。」
閉校式を10日後に控えた3月15日。児童たちは、当日披露する出し物の練習に励んでいました。
全校児童で一緒に給食も食べる日も、残りわずかです。
■川根小学校 永井玲子教諭
「給食は少ない人数だけど、アットホームで顔を見ながら給食時間も楽しめてると思います。」
近づく校舎との別れの日。この日は、閉校を前にした大掃除です。
■児童は…
「今まで使ってきた学校が一段ときれいになって、私たちの思い出に残ったまま、きれいな学校のままであってほしいなと思って掃除している。」
3世代で川根小学校に通ってきた佐藤さん一家。時代は違っても、同じ小学校の思い出。当時のアルバムを開けば会話が弾みます。
■佐藤蒼乙くん
「人数が多いと楽しそうに見える。」
■佐藤竜太さん
「地域の人らとふれあう時間が多かったから、みんな知り合いみたいな感じだし。」
3月24日に行われた閉校式。卒業生などおよそ250人が見守るなか、児童の手で校旗が市に返されました。また、記念行事ではクイズで学校の歩みを振り返りました。
■参列者は…
「寂しい気がしましたよ。」
■児童は…
「当たり前に川根小学校に来てたから、ぽかーんとなくなっちゃうのがいやだなあって思う。」
■佐藤竜太さん
「川根小学校がなくなったんですけど、地域の繋がりを持ってやっていこうかなと思っています。」
地域と共に刻んだ148年の歴史。4月から近くの小学校に通う児童らと共に、地域は新たな一歩を踏み出します。