ティーパーティーに転生した3人組   作:お前ら人間じゃねぇ!!

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皆様大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

没にしたはずの話を間違えて投稿していたあげく、本来投稿するはずだった話を消してしまいメンタルがブレイクされていましたが、ボボボーボ・ボーボボを見ていたらどうでも良くなった


伝説

 

 やばい、サオリを育成しすぎてしまった……

 

 私は夢で見た内容を反省する。ナギサが防いでも二重の極みをしてくるミサイル。千切れる翼、無理をして先生を庇う。

 

 サオリに体重や戦術、座学も教え込んでいたことが仇になってしまった。あのミサイルも私が容赦をなくしてしまったせいだし、サオリがヒナを思ったよりも早く倒してしまったのも私のせい、先生を確実に始末する行動を取ってるのも私のせい。

 

 サオリを鍛えてベアトリーチェに叛逆させて愉悦して、ミカを共にぶち殺そうとしただけなのにどうして……

 

 いや、まだ時間はある。ええと、今が調印式から10時間前か……え?あと10時間しかないんですか?クッ!30分昼寝しようとしたら1145141919時間も寝てしまっていたなんて!!

 

 ええ、どうしよ。サオリを倒そうにも今のサオリを倒す頃にはミサイル発射は止められないし、ミサイルを止めようとしてもサオリに邪魔されるだろう。

 

 正直に言って先生が死ぬことはどうでもいい。でもナギサは別だ。ナギサが死ぬくらいなら私は愉悦を捨てるぞ!と言ってもどうするべきか……

 

 そんなふうに悩んでいると頭の上に約10グラムほどの重さの何かが乗ってきた。その何かを捕まえ、目の前に持ってくると私のペットであるげろしゃぶだった。

 

 

「どうしたんだげろしゃぶ。今は君に構っている暇なんて……」

 

 

 その時私は気づいた。げろしゃぶが紙を掲げていることに。

 

 

「えーと、ミサイルでの死者はいなかったんだしサオリとヒナが戦っているところに割り込めば?だって?……君天才か!そうだよ、ミサイル直撃は原作通りなんだ。ナギサの翼は取れてしまうがエンジニア部やリオに頼めば偽翼ぐらい作れるだろう。ナギサはリオに莫大な金額を援助しているし……よし!勝ったな!」

 

 

 いい子だぞ、げろしゃぶ。しかしげろしゃぶはなんで未来予知の内容まで……まあいいか。

 

 今から改造していた武器を完成させなければ。これがあれば負けることはない……とは言えないが有利であることには間違いないだろう。元々はサオリに渡す予定だったものだが私が使えないわけではない。

 

これまで集めてきたパイルバンカーや対物ライフルをガッチャンコ。

 

 

「てれれれってれ~『機甲猟兵メロウリンクの銃』!!」

 

 

 説明しよう。機甲猟兵メロウリンクとはテレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の外伝に当たる作品。ロボットアニメなのにも関わらず主人公が一切ロボットに乗らず、生身でロボットと戦う異例の作品だ。

 

 その作品に登場する銃のパイルバンカー付きライフルを再現したのが私が今さっき改造した銃だ。この銃の名前は本来ないので『せつないぜ』という名前を付けた。

 

 ちなみにガッチャンコとか軽く言っているがこの銃を完成させるのに合計30時間かかっている。そのうち6時間は今さっき。つまり調印式にはあと4時間しかない。

 

 ここから古聖堂まで最短でも4時間。しかしそれは最短だ。5時間かかると考えていいだろう。

 

 拠点に使っていた空き家を出て行こうとすると玄関でげろしゃぶが『申し上げます!古聖堂に伝説の超キヴォトス人が現れました!』と書かれた紙を掲げていた。

 

「ダニィ?早速伝説の超キヴォトス人を征伐しに出かける!後に続け、げろしゃぶ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして現在に至る。

 

 私の目の前には先生を庇おうと走り出している片翼のナギサ。

 

 ごめんなさい、遅刻しました。

 古聖堂に行く途中で迷子の少女を見つけたから一緒に親を探していたら時間が掛かってしまった。

 

 ナギサが先生を突き飛ばし、サオリの目の前に出る。サオリはそれでも引き金を止めることなく、引こうとしているのが未来予知で見えていたので先んじて対物ライフルをサオリの肩目掛けて発砲した。

 

 するとサオリは当たる直前で弾丸に気づく。しかし気づいた頃にはあまりにも遅く、弾丸は肩を貫通した。

 痛みではなく、弾丸の押し込む力がサオリの銃口の位置を変えさせ、ナギサに当たるはずだった弾丸は空の彼方へ飛んでいった。

 

 

「大丈夫かいナギサ?」

「……セイア…さん?」

「私がセイア以外何に見えるんだい?」

 

 

 あまりにもかっこいい登場を決めた私をこの場にいるすべての人が視線を向けている。そして1番殺意の感情を向けてくる女の子にウインクをした。すると無言で私の頭に向けて発砲してくるが首だけを動かし回避する。

 

「甘いぞサオリ。銃で私に勝てるとでも?」

 

 

 少し煽りを入れた後、振り返り見たことがない中性的な人物に声をかける。

 

 

「ナギサを連れて避難してくれるかい?先生」

「“君は……あの時の…”」

「私は教え子と遊んでから向かおう。ヒナについても安心するといい、私のペットが既に彼女を起こしている」

 

 

 ヒナの方向を指差しながら見てみると不機嫌な顔をしていた。子供が苦い薬を飲んだ時の顔だ。

 

 

「あなた…私に何を飲ませたの?」

「なに…ただのゲームカセットさ」

 

 

 げろしゃぶがヒナに舐めさせたのはゲームカセット。つまり飲み込み防止用にデナトニウム*1

あまりの苦さに目覚めてくれたようだ。

 

 

「私が彼女の相手をする。君は後ろの2人を任せもいいかな?」

「……わかった。不本意だけどナギサの顔に免じて従ってあげる」

 

 

 ヒナが後ろの2人とミメシスとかいう模造品を相手している間にサオリと対峙する。

 正面に立った瞬間銃を連射されるが未来予知している私には当たらない。それに対して動揺を見せてこない。夢の中での訓練で慣れているのだろう。

 

 銃が通用しないと悟ったサオリは銃を投げ捨て、格闘を選択してきた。

 

 

「そうだサオリ!戦いの基本は格闘だ武器や装備に頼ってはいけない」

「……まさか…お前は…!」

 

 

 何か気づきそうなサオリを無視して作ったばかりの『せつないぜ』を投げ捨ててファイティングポーズを構え、姿勢を低くして接近からのアッパーカットを決めた。

 

 しかし負けじとがら空きになった私の胴に膝蹴りを打ち込んでくる。回避は無理だと悟り、受け流そうとするが姿勢の悪さから全てを受け流すことは不可能で多少のダメージを負ってしまった。

 

 

「ふふ、思い出さないか?このバトル!この肉のぶつかり合い!」

「まさか貴様が百合園セイアだとは思ってもいなかった。私をわざわざ強くした目的はなんだ?」

「サオリ!ティーパーティーの称号の貴さを思い知れ!」

「チッ……狂人が」

 

 

 殴って、殴られて、避けて、避けられて、出血させて、出血させられてを繰り返しているとヒナがサオリ以外のアリウスを全滅させたことを先生が知らせてくれた。

 

 私はサオリから距離を取り、一息つけながらヒナと会話する。

 

「……私も手伝う」

「いや、遠慮しておこう。これは私の責任だ」

「……わかった。セナがナギサを連れて行ったし私もあれについていくわ」

 

 

 そう言ってナギサを乗せた車を追いかけるようにヒナは消えてしまう。特等席で見ているがいいと言いたかったのだが言いそびれてしまった。そんな後悔をしていると数秒先の未来を見てしまう。

 

 突如として空から飛来した化け物にサオリが一瞬でペシャンコにされてしまう。

 

 そんな未来を見た私は走り、サオリを巴投げで吹き飛ばし、飛来してきたそれに完璧なタイミングで蹴りを入れた。しかしそれはびくともせず、私に質問を問いかけた。

 

 

「ナギちゃんが怪我したのって……アリウスのせい?セイアちゃんのせい?……どっちもか…」

 

 

 激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームのピンクゴジラが登場してしまった。

 

 

「サオリ……ここは共闘しよう。君も100%人肉ハンバーグにはされたくないだろう」

「聖園ミカ……確かに強敵だが貴様と手を組む必要などない」

「ここで大怪我をすれば姫を助けることはできないぞ」

「…………わかった。今だけは協力してやろう」

「私がミカを引きつける。その間にこれでミカを貫け。なに、心配することはない。それを使ってもミカは死なないだろう。アイツはそういう類の怪物だ。注意するといい」

 

 

 そう言って私はサオリにパイルバンカー付きライフル『せつないぜ』を渡す。その瞬間未来を見た。

 直線上に進んでくるミカに隠し持っていたグレネードを絶好のタイミングで起爆させた。しかし煙の中から現れたミカは無傷で私の頭を鷲掴みにして持ち上げる。

 

 ミスった。私の近未来予知のクールタイムは3秒。そして見れる時間は2秒先のこと。つまり1秒間は見れない時間が存在する。今回はその隙を突かれてしまった。

 

「サオリ!逃げろぉ!!」

 

 サオリだけは逃すように考えていた。その言葉に従って逃げようとするサオリにミカは問いかける。

 

「サオリちゃん……仲間は可愛いか!?」

 

 その言葉にサオリは立ち止まってしまう。それは近くで倒れているミサキとヒヨリ、そして姫であるアツコのことを指していた。きっとサオリも理解したのだろう。ここで自分が逃げたら仲間が殺されることに。

 

 サオリをサポートするために頭蓋骨が破られそうになりながらも足を動かして、ミカの目に蹴りを入れる。

 その瞬間にサオリはミカの懐に飛び込み『せつないぜ』のパイルバンカーを直撃させた。はずだった。

 

「なんなんだ?今のは?」

 

 反動から私はミカから解放されたが大したダメージにはなっていない。あれは神秘殺しのパイルバンカー。つまりミカの肉体は神秘関係なしのフィジカルを有していたことになる。

 

「チッ、バケモノめ……ティーパーティーとはここまでイカれた集団だったか…」

「私がバケモノ?違う私は天使だ!ハハハハ…!!」

 

 くそ!万全の状態ならミカの攻撃程度全て回避できるのに、サオリと殴り合った今の私では回避ができない。

 

「伝説の超キヴォトス人ってミカのことかよ。殺される…みんな殺される」

「伝説の超キヴォトス人?」

「逃げるんだぁ 勝てるわけがないよ…」

 

 跪きながら絶望しているとげろしゃぶが私のスマホを持ってきた。そこにはナギサという文字と共に電話のマークが表示されていた。

 

*1
世界一苦い物質。Switchのカセットに使われてるからみんなも舐めてみよう(責任は取りません)





なんか感想欄でセイアが愉悦部っぽくないと言われているので先に言っておきます。

セイアを愉悦部としては書いていません。もっと他に愉悦部がいるはずです。

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