紅麹の伝統食
日本と台湾の長寿食と紅麹
究極の長寿食といわれる沖縄の「豆腐よう」。鮮やかなあの紅色の正体は実は紅麹。そして、台湾の長寿の島の伝統料理にも紅麹は使われていました。日本と台湾、長寿の秘訣は紅麹にあり?
沖縄の紅麹
沖縄で究極の長寿食といわれる
豆腐ようは
なんと「紅麹」だった!
口に入れると、上質なカマンベールチーズのような濃厚な味わいが広がって、とても豆腐だなんて思えない──。別名・東洋のチーズともいわれる沖縄の伝統食「豆腐よう」は、豆腐を泡盛と紅麹、米麹を混ぜた漬け汁に長期間漬け込み、発酵・熟成させたもので、沖縄の珍味として知られています。琉球王朝時代は高貴な階級の人しか食すことができず、病後の滋養食などとして珍重されてきました。
そして、現代では、豆腐を紅麹で発酵させることで赤く色づき、生み出されたさまざまな栄養成分が凝縮された豆腐ようは、究極の長寿食として改めて注目されています。
沖縄では、伝統的な豆腐ようだけでなく、豆腐ようをアレンジした料理を提供するレストランや、紅麹を使った調味料や食品なども増えています。
台湾の紅麹
台湾の長寿島、「馬祖島」の伝統料理は
「紅麹料理」だった!
美食の国・台湾の知られざる調味料に紅糟(ホンツァオ)があります。台湾では、米を紅麹で発酵させてつくる紅老酒や紅露酒などのお酒づくりが盛んで、そのときにできる酒粕が紅糟。中国の福建省や台湾などでは、調味料として使われています。
肉などをあらかじめ紅槽に漬け込んでから焼く紅槽肉(紅麹肉)や紅槽排骨は福建省や台湾の名物料理。特に、台湾の北西にある馬祖島では、古くから老酒づくりが盛んで、郷土料理には紅麹を使った料理が豊富にあります。紅麹で炒めた馬祖チャーハンや、うなぎを紅麹に漬けてからから揚げにした紅麹うなぎ、野菜の紅麹炒めなどさまざまな料理に紅糟は使われています。