先日の記者会見で、市長は「予算発案権」について、次のように発言しました。
予算の「趣旨」を犯すような増額は、市長の予算発案権を侵害している。
市長の発言中の「予算案の趣旨を犯すような増額修正」の「趣旨」とは、
増額修正しようとする内容、規模、当該予算との関連、市の財政運営への影響等を総合的に勘案して、個々の具体の事案に即して判断される。(昭和52年 自治省行政
局長)とされ、一般的には「予算案に新たな「款」または「項」を加えたりすること。(以下 略)」
とされています。
今回の議会での予算の増額修正は、「予算案に新たな款または項を加えたりすること」ではありませんので、市長の主張する「趣旨」は、法解釈が全くなされていない、市長の勝手な思い込みによる小理屈にすぎないことがわかります。
7.再議後の動き
3月29日に想定されている臨時議会において、市長の再議は圧倒的多数で否決されるでしょう。
市長に残された道は、知事又は総務大臣への申し立てですが、これも却下されること
は確実で、あとは裁判に訴えることだけになります。
しかし、ここに来るまでに、市長は確実に失職しているでしょう。
8.市長の意見聴取
市長は、3月21日の議会の開催にあたり、報道各社に声をかけ、取材依頼をしていたようです。
当然、議会後の記者会見と、消防設備の公開をキャンセルまでさせて開催する、議員に対す
る意見聴取を撮影させ、報道させることが目的です。
市長が全議員へ呼びかけた意見聴取は、熊高、秋田、金行の3議員が出席していました。
この3人は、市長との対話を拒否しない良識的な議員であることを示そうとしたのでしょう。
修正案に賛成していた秋田、金行議員は、しきりに言い訳をしていましたが、残念ながら、市長からボコボコに論破される姿をカメラの前で30分余りもさらす羽目になってしまいました。
動画の格好のネタとしてばらまかれることでしょう。
その後、報道陣が退散した後に、広報委員会を終了した南沢、田辺議員が、市長を訪ねたそうです。
市長にとってカメラのない意見聴取は意味がありません。
市長にすげなく追い返されたそうです。
〔注〕予算費目は、款、項、目、節で表示され、歳入や歳出が整理されています。
議会がこの款と項を新たに追加することが、市長の予算発案権を侵害することになります。
〔予算費目の例〕 (款)3民生費 (項)1社会福祉費 (目)3老人福祉費 (節)1報酬