今春統合する丹波市市島地域の前山、竹田両小学校で23日、閉校式があった。児童や保護者、卒業生らが学びやに感謝を伝え、150年の歴史に幕を下ろした。住民ら企画の記念イベントも開かれ、歌や踊りのステージなどが終幕を飾った。(秋山亮太)
■父から孫まで親子4代が通学
閉校で校舎も役目を終える前山小では、児童による「ふるさと学習」の成果発表から式典が始まった。豊かな自然の中で野菜を育ててたり、地域の歴史や文化を学んだりした思い出を写真とともに振り返り、「ふるさと」を合唱した。
児童代表の言葉として、最後の卒業生となった荻野輝星さんは「思い出があるかぎり前山小は心にあり続ける。思い出を大切に中学校で頑張りたい」。5年の前田彩希さんは「『みんなが仲良く、楽しい』伝統を統合校にもつないでいく」と誓った。
父から孫まで親子4代が通学したという岡田初美さん(76)は「お疲れさまとありがとうを伝えたい。統合後も何かの形で学校を支えていきたい」と話した。
一方、竹田小では、児童たちが学校での記憶や地域への感謝を詰め込んだ群読を披露。6年の藤原陽彩さんと足立和宏校長が校旗を返納した。
「児童のことば」には、藤原さんと余田ひまりさん、塩見莉生さん、川崎勇輝さん、余田勇志さんの5人が登壇。「私たちの大切な学びやはたくさんの方に支えられ、愛され長い歴史を刻んできた」「(統合後は)温かい気持ちになれる、笑顔があふれる学校にしていきたい」と述べ、全員で地域の人たちへ感謝を伝えて締めくくった。
会場の体育館では歴史を振り返る写真アルバムも展示。吉田和博さん(57)=愛知県春日井市=は伊勢志摩に行った修学旅行の写真を見つけ、「新しい学校も、子どもたちが帰ってきたいと思える楽しい記憶にあふれた場所になってほしい」と話した。
閉校式後にはそれぞれ、風船飛ばしや花火大会、音楽ライブなどが催された。4月には両校の統合校「竹山小学校」が開校し、新しい歴史を刻み始める。