距離でいえば家から最も近いのは、もとは戦争博物館と言った博物館があるオークランド・ドメインだが、心理的には、クルマで出かける、途中の交通のせいなのか、コーンウォールパークが
「近所の公園」と意識されている。
コーンウォールパーク、ではピンとこなくてもアイルランドのバンドU2の「One Tree Hill」で歌われている丘がある公園だ、といえば、ああ、と思う人もいるでしょう。
オークランド・ドメインと並んでオークランドのど真ん中みたいな場所にあるが、案外広くて、670acreというから、たしか11.5acreの東京ドーム58個分です。
クリケットグラウンドがあって、枝振りがおおきな樫の木が聳え立って並ぶ並木道があって、
カウリの森がある。
開発が進んだといっても、まだまだ緑に沈んだ都市のオークランドのなかでも、一層、緑が濃い広がりのなかにカフェが二軒あって、そのひとつ、Bistroのほうへ、よく朝食を食べに行く。
いちど、ヘアカットに出かけるモニさんと、このカフェで待ちあわせよう、ということになって、天気がいいから歩いて行くか、と考えて、歩いて出かけたら、途中から雨が降り出してきた。
公園の入り口に着いたあたりからは滝のような雨で、雨自体はもともと気にならない気質なので、びしょ濡れになりながら歩いたが、カウリの森に踏み込んだところで、その、この世のものでないような雨に打たれた森の美しさに、呆然となってしまった。
まるで瀑布に忽然と現れた森林のようです。
自然は苛酷な存在で、人間の思い上がりに対して容赦しない。
シーカヤックで海峡を渡る冒険者を、二度と帰れない海底に沈め、尾根を急ぐ登山者を嘲笑するかのように一瞬で吹き飛ばす。
凪いだ海を突然渡ってきた三角波に粉砕されたトローラーの船体の破片が宙に舞いあがってゆく。
残忍を極めるのに、姿は、やさしく美しいのが自然で、付き合っているうちに、人間とはどういう存在なのかを、言葉のない世界の言葉で、間違いようがなく教えてくれる。
ちっぽけな上翼機で空を飛んでみたり、ブルーウォーターを渡ったり、モアが茂みから首を突き出しそうな鬱蒼とした森で何日も迷子になって眠ったりしているうちに、たかだか世界への認識ガイドに過ぎない本では永遠に教えてもらえないことを自然は人間に伝える力を持っている。
「木を伐る人間は呪われるといい」と述べたスコットランド人のAbel Tasmanでのtrampingをガイドしてくれたおっちゃんがいたが、それから、ちょっと黙って、こっちを見て、
「木をからない人間も呪われるべきなのが、難しいところだね」
と「かっこいいことを言ってしまった」人特有の照れ笑いを浮かべていたのを思い出す。
700acreにも満たない「自然」では、物足りないし、心もとないが、それでも心のなかで世界を参照するリファレンスにはなるようです。
また、あの大陸欧州人が見たら、見ただけで胸焼けを起こして動けなくなりそうな盛り沢山のフルイングリッシュブレックファストを食べに行こう
グラスに一杯だけシャンパンを頼んで、小さなアイフィレステーキも付けてもらって
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