串小で閉校式 149年の歴史に幕 校旗返納し校歌斉唱【山口】
串小(西冨顕校長)で23日、閉校式が行われ、児童と教職員、来賓、歴代卒業生、地域住民計170人が149年の歴史に別れを告げた。4月から島地小と統合する。
1874年5月に、串、安養寺、遠内、巣山の4校が開校。86年には現在の徳地地域交流センター串分館の位置に安養寺尋常小として統合され、その後、串尋常高等小に改称した。1955年の町村合併で徳地町立串小となり、2001年に現在地となる旧串中の校舎に移転。記録で確認できる限り、これまで約3000人が卒業しているという。
西冨校長が別れの言葉を述べ、最後の卒業生となった松尾宗俊君と小林由奈さんが伊藤和貴市長に校旗を返納した。惜別の思いを込め、参加者で最後の校歌を斉唱した。
授業を手助けした豊かな串を育てる会(藤井真哉会長)を中心とした地域住民によるお別れ会も実施。松尾君と小林さんが6年間の思い出を作文で発表。同校がある地名「鯖河内」の由来となった重源上人の伝説「鯖の縁起」の劇を披露。串小の歴史に関するクイズは大いに盛り上がり、最後は思い出の写真を流したスライドショーを観賞した。
松尾君は「地域の人にとても支えられて楽しく過ごすことができた」、小林さんは「人数が少なくても何でもできる学校だったと自慢したい」と述べた。西冨校長は「学校は無くなるが、この串小で育ったことを誇りに串や徳地地域のために貢献してほしい」とエールを送った。
1960年度の卒業生で徳地史談会の山田文雄会長(76)は「寂しさと残念さが入り混じる。周辺の山や川が遊び場で、都会ではできない学校生活を送ることができた。最後の在校生たちには、この地域にたくさんの先輩がいるので、伸び伸びと過ごして成長してほしい」と話した。