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徳島県美馬市立脇町小学校で50年前に設置されたタイムカプセルが開封され、同小体育館で25日、収蔵品が公開されるオープニングセレモニーが開かれた。半世紀の時を経て戻ってきた“宝物”が本人に手渡され、出席者は昔話に花を咲かせた。
同小は1873年(明治6年)に創立。1974年、当時の学校関係者が創立100周年を記念し、50年後に開封するタイムカプセルを計画した。600人以上いた全校児童が自画像や作文などを入れ、敷地内の植え込みに高さ約5メートルのロケット型カプセルを設置した。
カプセルのプレートには「開封 2024年2月25日」と明記されており、前校長吉田有礼さん(62)が中心となって実行委員会を発足、準備を進めていた。
カプセルは損傷が激しく、扉の鍵もない状態。実行委のメンバーらが24日、工具を使ってカプセルを開けたところ、教科書や当時のおもちゃ、ヒーローの絵が描かれた筆箱などが確認された。傷みが激しいものがほとんどだったが、絵はかなり良い状態で見つかった。
セレモニーには、当時児童だった約230人が出席。収蔵品が披露され、出席者が感触を確かめたり、友人に話を聞いたりして、当時を振り返った。
友人と自画像を見せ合っていた近くの看護師(62)は「こんなにきれいに残っているとは思わなかった。その時の授業が鮮明に思い出された」と話した。神奈川県鎌倉市から駆けつけた医師(62)は「あれから50年たったとは思えなかった。先生方に感謝したい」と笑顔を見せた。
残った収蔵品は約半年間、同小で保管され、希望する本人らに引き渡される。吉田さんは「モノから記憶がよみがえり、小学校時代にタイムスリップできると思う。関係者の思いに応えられたら」と話していた。