ようこそ実力至上主義の教室へ 8

〇堀北学の独白



 人が聞けば意外と思うだろうことがある。

 俺は元々、何かをげるためにこの学校を選んだわけではなかったということだ。

 まんぜんと優秀な人間を目指し生きてきたが、その終着駅を決めてはいなかった。

 政治家、医者、研究者、何を目指すでもなく。

 俺は良くも悪くも、事を荒立てることを避けた人生を歩んできた。

 用意された課題をたんたんとこなし、過ごしていく日々。

『見本』であること。

はん』であること。

 それこそが、正しいことだと信じて疑わなかった。

 しかし、ぐもみやびはそんな俺に真正面から対抗するように次々と行動を起こした。

 何かを切り開く人間というのは、こういう男のことを指すのかも知れない。

 事実俺は卒業までの間、行動を起こすことをあきらめていた。


 俺は心から信頼できる友という存在を、あえて作ってこなかった。

 俺はまだ理解できていなかった。3年間の時を経て、やっと気づくのだ。

 自らの『過ち』、そして、それが『後悔』へとつながることに。

 そして、それが『始まり』であることを───。

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