ようこそ実力至上主義の教室へ 2
〇佐倉愛里の独白
人と触れ合うのが苦手だ。
人の目を見て話すのが苦手だ。
人が集まっているところで過ごすのが苦手だ。
いつからそれらを苦手と思うようになったのか、それはもう覚えていない。
ただひとつ確かなことは、人は一人では生きていけないということ。
どれだけ
だから私は、一つの方法に
それは偽りの仮面を
その時だけ私は、私じゃなくなって、私になることが出来る。
この真っ暗な寂しい世界の中で、生きていくことが出来る。
世界は
誰か……誰でもいいから教えて欲しいことがあるの。
皆も私と同じように、誰かの前では偽りの仮面を
それとも皆は分け隔てなく、本当の自分を見せているの?
人との
だから今日も一人きり。
私は一人で大丈夫。
私は
私は───
私は───心の底から、心を通わせることが出来る人が欲しい。
そして今日も私は、一人静かに目を伏せ続ける。




