「BRICsからABRICsへ」世界経済フォーラム理事長
【ホーチミン(ベトナム南部)=岩本陽一】世界50カ国以上の政府関係者や企業幹部ら約400人が参加する世界経済フォーラム・東アジア会議が6日午前、ベトナム南部の商都ホーチミンで開幕した。「再考・アジアのリーダーシップの課題」をテーマに世界経済における地域の役割などについて議論し、7日夜に閉会する。
開会式であいさつした世界経済フォーラムのシュワブ理事長は「これまでBRICsという枠組みで多くを議論してきたが、今後は東南アジア諸国連合(ASEAN)を加えた『ABRICs(エイブリックス)』の視点が重要になる」と強調。世界経済におけるアジアの重要性が今後、一段と高まるとの認識を示した。
東アジア会議は今回が19回目で、ベトナムでは初の開催。独流通大手メトロのコルデス会長兼最高経営責任者(CEO)、ロシア連邦外国貿易銀行(VTB銀行)のコスティン会長兼CEOら4人が共同議長を務める。2日間の日程で世界経済のリスク、アジアでの金融問題、地域統合などについて議論する。
今年のASEAN議長国であるベトナムのズン首相は基調演説で「東アジアは世界経済の中で指導的な役割を担う」と指摘する一方、同地域には「課題も多い」と分析。「持続可能な成長を達成するための新しい開発モデルの構築や、多様性を重んじた地域連携の強化が必要」と述べた。
会議にはタイのアピシット首相、カンボジアのフン・セン首相、ラオスのブアソン首相、ミャンマーのテイン・セイン首相が出席。フン・セン首相は金融緩和などの景気刺激策を見直す「出口戦略」について「時期尚早」と言明。「成長の主役となる民間企業の活力向上が課題」と語った。日本からは枝野幸男行政刷新相が参加する予定だったが、新政権発足に向けた準備などを理由に欠席した。
世界経済フォーラムの本部はスイス。「ダボス会議」と呼ばれる同フォーラムの年次総会には各国の政府首脳や企業経営者らが参加。経済分野を中心に国際社会の様々な問題を話し合っている。