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アスリートの美学

浅田真央を強くするもの「自分があきらめてしまったら、そこで終わり」

第1回

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“頑張る”という言葉があんまり好きではないんです

多くの人が浅田真央を「天才」だと評した。彼女の類稀なる身体能力と感性に最大の敬意を表した上で、しかしこう思う。浅田真央を形容するのに「天才」だけでは言葉が足りない、と。数々の偉業は、神から与えられた才能のみで達成されたわけでない。一貫不断の練習が、彼女を記録にも記憶にも残る選手にした。浅田真央は、「努力の天才」だ。

どうして浅田真央はこんなにも努力ができるのだろうか。どんな逆境にも負けることなく、自分の信念を貫くことができるのだろうか。

「たぶん努力だと思っていないのかもしれないです」

あっけらかんと、なんでもないことのように、浅田は言う。

「今質問していただいて思ったのですが、“頑張る”という言葉があんまり好きではないんです。もちろん頑張るんですけどね。だけど、私にとっては頑張っているというよりも、ただ自分がやりたいからやっているだけなんです。嫌だったらやめればいい。でもそうやって投げ出したとして、自分はそれでいいのかというと、絶対後悔するに決まってる。人生で、後悔はしたくない。後悔するくらいなら、どんなに辛くても、ちゃんとやり切ったと思えるところまでやり切りたい。そういうふうに考えるから、私にとって努力することは当たり前のことなんです」

だけど、できないことをできるようになるまでの道のりは険しい。ほとんどの人が、その途中でつまずいて、心までくじけてしまう。

「私にも、もう無理って投げ出してしまいそうになるときはありますし、そういうときは一回どん底まで落ちます。でも、最近気がついたんですけど、大変なときっていろんな新しいことを知れるチャンスなんですよね。そう考えたら、大変なことが起きても『いっか』って思えるようになりました。人生って自分の知らないことばっかり。だからこそ、新たなことを知れるってすごいじゃん、みたいな(笑)。そんなマインドで楽しむようにしています」

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