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アスリートの美学

浅田真央を強くするもの「自分があきらめてしまったら、そこで終わり」

第1回

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挑戦を、見どころにはしたくない

また、スケートを生で観たことのある観客ほど、風のようにリンクを駆け抜けるスピード感に魅了される。アイスショーは、そういったスケート本来の滑りの良さを存分に堪能できる場でもある。

「今回は舞台の上にリンクをつくるのですが、その大きさは通常のアイスショーの半分くらい。なので、スピードのコントロールがとても難しいんです。スピードを出しすぎると、すぐに舞台の外に出ちゃう。だけど、リンクのサイズに合わせてスピードを落とすと物足りなくなる。ちゃんとスピードを出しながら、急なカーブもしっかりコントロールする。このサイズのリンクでどうスケーティングを見せられるか。毎日練習中です」

思えば、常に浅田真央は「誰もやったことのないこと」にチャレンジしてきた。ショートプログラムでトリプルアクセルを跳ぶのも、『MAO RINK』という自らの名を冠したスケートリンクの建設も、前代未聞の挑戦だ。浅田真央の歴史は、フィギュアスケーターの可能性を拡張し続けた歴史でもある。

だが、今回のアイスショーに限って言えば、浅田は「挑戦」という言葉を好まない。

「エアリアルもタップダンスもアイスダンスも、それぞれ新しい挑戦ではあります。だけど、私が挑戦しているところを見どころにはしたくなくて。あくまでそれらは、今回のショーで私が表現したいことの一つとしてお届けできればなと思っているんです」

今回のショーのタイトルにも含まれている「33」という数字は、当然、浅田真央の現在の年齢を示すものではあるが、決してそれだけではない。そこには、浅田がこのショーに込めた想いがあった。

「バラは本数によって花言葉が違って。33本の薔薇の花言葉は、とても素敵な意味があるんです。そこからイメージしたのが、今回の“EVERLASTING(永遠)”というテーマでした。永遠の愛とは何かを、一つひとつの演目を通して観ている方に問いかけたい。その表現として、エアリアルがあり、タップダンスがあり、アイスダンスがあるというふうに感じていただけるよう、しっかり練習していきたいです」

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