「基本の定理を変化・拡張したらどうなるか」…数学的な好奇心を大切に
x³+y³=1やx⁴+y⁴=1は,次の図のように表される。
x³+y³=1の表す曲線は,(1, 0),(0, 1)の2点以外はx座標とy 座標がともに有理数である点を通らないことを意味する。
x⁴+y⁴=1の表す曲線は,(1, 0),(0, 1 ),(-1 , 0),(0, -1)の4点以外はx座標とy座標がともに有理数である点を通らないことを意味する。
*数学センスを磨くポイント*
三平方の定理の2乗を3乗以上にすると, 「自然数の解」が存在しなくなる。定番の定理を変化・拡張した際に何が生じるか, 手を動かして確かめる習慣を身につけよう。
さて,一連の「三平方の定理」を取り上げた記事では,2乗,3乗といった数が多く出てきたが,ここで,3乗数に関する面白い逸話をご紹介しよう。
「自動車のナンバー」から名付けられた数
病気療養中だったインドの数学者,シュリニヴァーサ・ラマヌジャン(1887~1920)を見舞いに訪れた友人が,乗ってきたタクシーのナンバーが「1729」だったことを伝え,「面白みのない数だ」と断じた。
それに対し,ラマヌジャンが「1729という数は,2通りの3乗数の和で表せる面白い数だ」と返したという。
1729=12³+1³=10³+9³
このように2通りの3乗数の和で表すことのできる数を「タクシー数」とよぶ。ちなみに1729は,最小のタクシー数である。
次回は,1/2=0.5,1/3=0.333… など,分数の小数表示で「数学センス」を磨くポイントを取り上げよう。
NEXT>分数を少数になおすのは小学校でやるけれど…素因数分解を使って、「もう少し深く」探求してみよう
中学3年間で学ぶ重要ポイントを抽出し、教科書では習わない視点でとらえなおす「新しい時代の新しい勉強法」──。「数を図形でとらえ」「図形を数でとらえる」=「数学する力」が誰でも身につく!〈理系に強い子ども〉に育てたい親世代へのヒントも満載!