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鳥取市
青谷上寺地遺跡では2000年、弥生時代後期(約1800年前)の男性の頭蓋骨と脳が、ほぼ完全な状態で発見された。復元には頭蓋骨と、そこから採取できたDNAを用い、個体の約4割のゲノム(全遺伝情報)解析に成功した。
その結果、父系は日本古来の縄文人、母系は渡来系で、頭髪は黒々とした太い毛だったことが判明。頭蓋骨の形状に合わせて表情を作る筋肉を粘土で型どりし、髪の毛は人工毛で製作した。
日本人のルーツは、古くから列島にいた縄文人と大陸から渡来した弥生人の混血というのが定説とされる。復元された顔は、深い彫りの縄文人と、鼻が低く面長な弥生人の双方の特徴を持ち、監修した国立科学博物館の坂上和弘・人類史研究グループ長は「DNA分析を利用したことで、より忠実に復元できた。日本人の歴史の変遷を示す顔立ちといえる」と話している。
胸像は31日から11月7日まで、鳥取市あおや郷土館で公開する。