駐屯地工事差し止め認めず 佐賀、陸自オスプレイ配備
陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイの佐賀空港配備に向けた駐屯地建設工事により、土地の所有権が侵害されているとしてノリ漁師らが工事差し止めを求めた仮処分の申し立てに関し、佐賀地裁は21日、差し止めを認めない決定をした。争点は土地の所有権が国に移っているかどうかだった。
漁協が国に売却した土地の共有持ち分権があるとした申立人側主張に対し、三井教匡裁判長は決定理由で「個々の漁業者が土地の共有持ち分権を取得したことが疎明されているとは言えない」と指摘。オスプレイが墜落すれば生命・身体に危険が及びかねないとした主張も退けた。
昨年5月、地元漁協の組合員らでつくり、土地の管理や運営を行う協議会は、臨時総会で3分の2以上の賛成を得たとして国への売却を決定。防衛省は土地の名義人だった漁協と売買契約を結び、6月に着工した。
申立人側は、土地は組合員らが共有し、売却には全員の合意が必要だと訴えていた。〔共同〕