会話

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「どんな話でもいいですか?私は日本刀の話をしたいのですが、日本刀を持ち込んでも大丈夫ですか?」とお尋ねし、少し驚かれはしたものの快諾されました。 後日招かれたその場所で私は語りました。 日本刀は金工、木工、漆芸など、芸術の粋を集めて作られていること。 最近まで日本刀といえば男の人、しかもお金を持っていて比較的高齢の方々の趣味であったこと。 現代でも刀を作っている人達はいるが、今の愛好家に好まれるのは古刀が多く、現代刀職への支援が必要であること。 刀職がいなくなれば国宝など文化財である刀に何かあった時に手を打てなくなること。 様々な理由で刀が手放され、浮世絵のように海外に流出する刀も少なくないこと。 戦後何十年も経って刀を触ったことがない人も多く、刀は怖いというイメージが強いこともあって神社やお寺でもお手入れをされておらず、錆びていく刀が全国にあること。 錆びたら研げばいいと思われるかもしれないが、その砥石そのものが少なくなっていること。 全国の刀剣愛好団体が神社にお手入れをしに神社やお寺に向かうこともあるが・少子高齢化でそれも不安になってきていること。 神職や僧職を育成する大学で刀の扱いを教えることができれば多くの奉納刀が守れるであろうこと。 今、刀剣乱舞というゲームがきっかけで若い女性の中にも日本刀に興味を持つ人が出てきたけれど、刀剣展示を見に行ってもまだまだ男性の背の高さでしか刃文の見えないところが少なくないこと。 姿や地鉄、刃文が見えれば刀の美しさをより多くの人に知ってもらえる、美しいものであると感じてもらえれば捨てられたり折られたりする刀が救えるであろうこと。 そのためには文化庁にもご協力をお願いしたいこと。 刀装具は歌舞伎や能や狂言や文楽、大河でもよく取り上げられる歴史が画題にされていることも多く、日本刀への興味を通して他の日本文化・芸術を守ることにも繋がること。 たたらや道具、文献資料や史跡など、日本刀を取り巻く文化にも興味を抱いてくれれる人が増えるであろうこと。 普段ゲームをしない人達も例えばミュージカルの歌がTVで取り上げられれば興味を持つきっかけにもなるし、そこから舞台に足を運んだり、俳優さん繋がりで他の舞台を観に行ったりするようになるであろうこと。 刀をきっかけに全国の美術館博物館、神社やお寺に足を運ぶ人も増え、観光業も大いに助かるであろうこと。 …ここに書き記したのはごく一部ですが、そんなことを力説して…海外のジャパンエキスポにも視察に行ってくださいなどとお願いしてきたりしたのでした。 日本刀を実際に手に持って鑑賞してもらいながら、ほんの少しの角度で映りや刃文が見えなくなること、日本刀の個性、刀装具の美しさ…時間ギリギリまで説明してきました。
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