ドジャース、「大量窃盗」疑惑で大谷翔平の通訳を解雇

大谷翔平のロサンゼルス・ドジャースの通訳は、大谷の銀行口座から帳簿作成業務に送金された少なくとも450万ドルをめぐる質問が一連の出来事を引き起こした後、水曜午後に解雇された。

大谷選手の長年の友人で通訳の水原一平選手が、連邦捜査を受けている南カリフォルニアの製本会社に対してギャンブルで借金を負ったと複数の関係者がESPNに語った。彼が職を失うに至った経緯は、電信送金に関する記者たちの質問から始まった。

当初、オオタニの広報担当者はESPNに対し、オオタニがギャンブルでの借金をカバーするために資金を送金したと語った。広報担当者は火曜日の夜、水原氏をESPNに90分間のインタビューに紹介し、その中で水原氏は自身の説明を詳細に説明した。しかし、ESPNが水曜日にこの記事を掲載する準備をしていた際、広報担当者は水原の証言を否定し、大谷の弁護士が声明を発表すると述べた。

「最近のメディアの取材に応じる過程で、我々はショーヘイが大規模な窃盗の被害者であることを発見したので、我々はこの問題を当局に引き渡している」とバーク・ブレトラー法律事務所は声明で述べた。

広報担当者はそれ以上の質問に答えることを拒否し、声明では窃盗容疑の実行犯が誰であると考えられるかについては明らかにしていない。

水原氏は、バーク・ブレトラー発言後の水曜午後、ESPNから窃盗容疑で告発されたのかと尋ねられた際、コメントできないと言われたが、誰からの言及は避けたと述べた。

今週の事態は、連邦捜査当局が南カリフォルニアのブックメーカー、マシュー・ボウヤー氏の運営を捜査している中で明らかになった。ESPNが精査した複数の情報筋と銀行データによると、電信送金はオータニの口座からボウヤーの関係者に送金されたという。水原氏を含む複数の関係者がESPNに語ったところによると、オータニはギャンブルはせず、基金が水原氏の損失をカバーしたという。

ESPNは9月と10月に送金された2回の50万ドルの支払いにオオタニの名前が記載されている銀行情報を調査していた。

スポーツ賭博は約 40 州で合法ですが、カリフォルニア州では依然として違法です。政府が規制するスポーツブックでは賭け金を前払いすることが求められますが、違法なブックメーカーはクレジットでの賭けを受け入れます。

賭博行為に近い関係者らがESPNに語ったところによると、ボウヤー氏は水原氏と直接取引しており、水原氏は2021年からサッカーの国際試合やその他のスポーツ（野球は除く）に賭けていたという。関係者によると、ボウヤー氏は電信送金の名前を知っていたが、支払いがある限り質問しないことを選択した。しかし関係者によると、ボウヤー氏はビジネスを促進するために人々にオータニが顧客であると信じさせることを許可したという。

ボウヤー氏の弁護士、ダイアン・バス氏はESPNに対し、「ボウヤー氏は大谷翔平氏と一度も会ったことも、話をしたこともなかった」と語った。彼女は他の質問には答えることを拒否した。

オオタニの広報担当者が手配した火曜日のインタビューで、39歳の水原氏はESPNに対し、昨年29歳のオオタニに対し、ギャンブルでの借金を返済するよう求めたと語った。複数の関係筋によると、その借金は少なくとも450万ドルに膨れ上がっていたという。水原氏は、以前にドラフトキングスを通じて賭けをしたことがあり、ボウヤーを通じて行われた賭けは合法だと思っていたと述べた。

「明らかに彼（オオタニ）はそのことに満足しておらず、二度とこのようなことをしないように私を助けると言った」と水原は語った。「彼は私のためにそれを返済することに決めました。

「ショウヘイが賭博にまったく関与していなかったということをみんなに知ってもらいたい。これが違法であるとは知らなかったということを知ってほしい。私は苦労して教訓を学んだ。スポーツ賭博は二度とやりたくない。」

しかし水曜日の午後、水原氏はESPNに対し、オオタニがギャンブルでの借金について何も知らず、ブックメーカーの店員に送金していないと語った。

水原と大谷は仕事上の関係に加えて友人でもある。水原氏は、大谷選手が2018年に渡米して以来、ダッグアウト、ロッカールーム、選手ラウンジ、遠征、メディアの現場などで二刀流選手に同行して通訳を務めており、水原氏の知名度は野球ファンに高い。彼はチームの監督やコーチとともに大谷の通訳を務めており、試合中は大谷のスカウティングレポートを確認している。両者が離れることはほとんどありません。水原はピッチャーの用事をこなし、水筒を持ち歩き、いつもそばにいてくれるため、かつてオオタニのチームメイトは二人を友情を超えた「兄弟愛」があると評したことがある。

水原は大谷がロサンゼルス・エンゼルスでプレーしていたときにロサンゼルス・エンゼルスと契約しており、このオフシーズンにドジャースと契約した。水原はESPNに対し、年間30万ドルから50万ドルを支払われていることを認めた。

水原氏は火曜日、ESPNに対し、国際サッカー、NBA、NFL、大学フットボールに賭けていると語った。

「私は野球に賭けたことはない」と水原さんは語った。「それは100パーセントです。私はそのルールを知っていました。...スプリングトレーニングでそれについてミーティングをします。」

MLBの選手と従業員は野球以外のスポーツに賭けることが許可されているが、違法なブックメーカーやオフショアウェブサイトでは許可されていない。リーグのルールブックには、違法ブックメーカーとの賭けはコミッショナーの裁量で処罰の対象となると記載されている。

メジャーリーグ関係者はESPNに対し、リーグは連邦当局から連絡を受けておらず、ESPNがここ数日報告するまで状況を知らなかったと語った。同関係者は、MLBの次のステップは事実の収集だが、現在進行中の連邦捜査を考慮すると時間がかかる可能性があると述べた。

関係者がESPNに語ったところによると、連邦当局はボウヤー氏の書籍製造事業に関する捜査の一環として、1月にオータニ氏の電信送金を知った。ESPNは、それぞれ合計50万ドルの2件の取引の電信送金データを調査した。「Shohei Otani」は、さまざまな銀行口座や電信送金情報、そして「ローン」という文字と並んで表示されます。「大谷」は日本の二刀流選手の正式名称です。

カリフォルニア州中央地区の連邦検事局関係者はコメントを拒否した。ボウヤー氏の書籍制作仲間の弁護士もコメントを拒否した。

関係者２人によると、大谷も水原も連邦当局から連絡を受けていないという。

ボウヤー氏（48）は重罪に問われる可能性がある。ESPNが精査した複数の情報筋や文書によると、彼の自宅は10月に連邦当局によって家宅捜索された。ESPNが入手した捜査令状目録によると、捜査員らは現金、カジノチップ、銀行取引書類、貨幣計数機、複数のコンピューター、ポータブル記憶装置、携帯電話を押収した。捜査官らはまた、ブライトリングの時計2本と、ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメス製の高級ハンドバッグ10個近くを押収した。

水原氏はESPNに対し、2021年にサンディエゴのポーカーゲームでボウヤーと出会い、その年の後半に彼とクレジットで賭けを始めたと語った。水原氏は、損失が2022年末までに100万ドル以上に膨れ上がり、そこから膨らんだと推定した。

水原さんは「私は（ギャンブルが）大の苦手。二度とやりたくない。一度も賞金を獲得したことはない」と語った。「つまり、自分で穴を掘ったのに、その穴はどんどん大きくなり、そこから抜け出すためにはより大きな賭けをしなければならなくなり、負け続けることになったのです。雪だるま式の現象のようなものです。」

大谷が借金の支払いに同意した後、水原氏は火曜日、大谷氏が自分のコンピューターにログオンし、水原氏の監督の下、昨年数カ月間に分けて電信送金を行ったと述べた。彼らは取引の説明フィールドに「ローン」を追加しました。

「ワイヤーの説明を追加する必要がありました」と水原氏は言う。「マット（ボウヤー）は私に『ローン』とだけ書くように言ったのかもしれないと思う。何かを入れなければならなかった。」

なぜオータニがボウヤーの関係者に直接支払うのではなく、単に彼にお金を渡さなかったのかと尋ねられた水原氏は、オータニはお金に関して彼を信頼していないと述べた。

「彼は私にギャンブルでお金を奪ってほしくなかった」と水原さんは語った。

水原選手は大谷選手に「お金は返す」と伝えたと語った。

ESPN記者が大谷陣営に対し、大谷が同席し、資金移動に協力し、返済予定だったとする水原氏の主張について質問したところ、広報担当者は大谷の弁護士に連絡し、大谷は「大規模窃盗の被害者」であるとの声明を発表した。 。」

しかし、水原氏は水曜日の午後、大谷選手のギャンブル行為や借金、返済の努力については全く知らないと述べ、火曜日遅くに発言した内容のほとんどを撤回した。

「明らかに、これはすべて私のせいであり、私がやったことすべてです」と彼は言いました。「私はあらゆる結果に直面する準備ができています。」

水原氏は法的代理人を持っていないが「取り組んでいる」と述べた。同氏は水曜午後にESPNと単独で話したと述べた。

しかし、彼は野球に賭けたことは一度もないと繰り返した。

ドジャースはシーズン開幕シリーズのために韓国に滞在しており、水曜日にサンディエゴ・パドレスに対する5対2の勝利で開幕した。水原は試合中、ドジャースのダッグアウトにいた。ドジャースの広報担当者は、水原選手が試合後クラブハウスで演説し、ギャンブル依存症であることを明かし、話が出てきていること、全て自分のせいだと話したと述べた。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は木曜日、シリーズ第２戦の前に、状況についてはコメントできないが、オオタニは試合に向けて準備をしていると述べた。ロバーツ氏は、2016年に前田健太投手の通訳として初めてドジャースに加わったパフォーマンス・オペレーション・マネージャーのウィル・アイアトン氏が、当面はオオタニのその責任を引き継ぐと述べた。

オオタニは12月にドジャースと10年総額7億ドルの記録的な契約を結び、北米スポーツ史上最高額の選手となった。その大部分である6億8,000万ドルは、2034年から2043年までに支払われることが延期される。

複数の関係者がESPNに語ったところによると、ボウヤー氏の作戦は、元マイナーリーグ野球選手ウェイン・ニックス氏を引き起こしたラスベガスでの大規模な連邦マネーロンダリングと違法賭博事件を扱っているのと同じ米国検察局によって捜査されているという。2022年3月、カリフォルニア州でブックメーカーになっていたニックスは、違法なスポーツ賭博事業の運営を共謀し、虚偽の納税申告書を提出したとして有罪を認めることに同意した。彼の判決は9月に予定されている。同氏の製本事業に関係する他の4人も有罪を認めた。

ニックスは弁護の一環として、無名のプロフットボール選手、MLBコーチ、野球アナリストが被ったギャンブル損失に関連した収入をIRSに報告しなかった150万ドル近くの収入を得たことを認めた。検察によると、スポーツ放送局はニックスに対し、ギャンブルでの借金を返済するために自宅の借り換えを計画していると語ったという。

2022年11月、元MLB右翼手のヤシエル・プイグは、 ニックスの手術への賭けについて連邦捜査当局に嘘をついた罪で起訴された。米検察当局の広報担当者によると、プイグ氏の訴訟は現在第９巡回控訴裁判所に係属している。

ラスベガスのカジノ、リゾート・ワールドとMGMグランドの元社長スコット・シベラ氏も、ニックスの捜査を受けて1月に有罪を認めた。司法取引によると、シベラはニックスが違法な製本業を営んでいることを知っていたが、それでもカジノのコンプライアンス部門に通知することなく、ニックスが違法な賭博業から得た違法収益でMGMグランドとその関連施設で賭博をすることを許可していた。シベラさんの有罪答弁に併せて、MGMグランドとコスモポリタン・カジノは罰金745万ドルを支払うことで合意した。

ティシャ・トンプソンはESPNの調査記者です。tisha.thompson@espn.com までご連絡ください。

ESPN の TJ Quinn と Paula Lavigne がこのレポートに貢献しました。