福島の会津中央病院、IAEAに1600万円 がん治療支援
福島県会津地方で放射線がん治療などに取り組む会津中央病院(会津若松市)は14日、国際原子力機関(IAEA)に10万ユーロ(約1600万円)を寄付した。IAEAは発展途上国での放射線がん治療の提供を支援する「Rays of Hope」活動の資金にする。外務省によると、日本の民間団体による同活動への寄付は初めて。
Rays of HopeはIAEAによる原子力の平和利用推進の一環。福島県立医科大学、群馬大学、国立がん研究センターなど国内の16機関でつくる「日本アンカーセンター」も14日に発足。まずアジア、オセアニア地域を対象に、核医学や放射線治療の技術指導、人材育成を担う。
IAEAのグロッシ事務局長は同日、福島市内で日本側との調印式に出席。「福島には毎年来ているが、原発の廃炉、処理水などの事故処理に伴う訪問だった。放射線の平和利用という新しい目的ができてうれしい」と笑顔を見せた。